自転車のメンテナンスや修理をしたことがある人ではないと、なかなか耳にすることのないハブコーンレンチ。自転車のホイールメンテナンスに使われるため、ペダルレンチとも呼ばれているようです。
スポーツ自転車には普通の自転車と違いメンテナンスが欠かせません。特に、走りの肝と呼べるホイールは、スムーズな回転を持続させることが重要です。走りが重たくなると感じる前に、ハブコーンレンチを使ってホイールをチェックしてみましょう。
ハブコーンレンチとは

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ハブコーンレンチは、自転車のハブのメンテナンスに特化した自転車専用工具です。自転車のホイールは、中心のハブと外径部分のリムをスポークで繋いで組み合わせたパーツ。中心軸となるハブには、グリスとボールベアリングが組みこまれています。
ハブに組みこまれたベアリングやグリスは消耗品のため、スムーズな回転力を維持するためにはメンテナンスが欠かせません。ベアリングの交換やグリスアップは、ハブを分解することで可能になりますが、その際に必要な工具がハブコーンレンチです。
名前の通りレンチ(スパナ)の形状の薄い板状の工具ですが、この薄さがポイント。ハブベアリングを固定しているナットは薄く、普通のレンチではナットを1個ずつ掴むことが出来ません。そのため、ハブのメンテナンスには欠かせない工具です。
ハブコーンレンチの使い方

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ハブベアリングは2枚の薄いナットで固定されています。ベアリングに近い方のナットは玉押しと呼ばれ、ベアリングを最適なテンションの位置で固定する役割があります。締め付けが強すぎると回転が渋くなり、緩すぎるとガタつきのあるホイールになってしまいます。
ベアリング側のナットは、最も効率よく回転する位置で固定することがポイント。この作業は玉当たり調整と呼ばれ、ホイールメンテナンスには欠かせません。また、その上に重ねるナットはロックナットと呼ばれ、適正な玉当たりが出ている状態をキープする役目を持っています。
玉当たり調整とは、1つのレンチで位置を押さえつつ、もう1つのレンチで締め付け作業になります。そのため、コーンレンチは常に2本セットで使うことになります。また、ナットのサイズも異なりますので、違うサイズのレンチが必要になってくるのです。
ハブコーンレンチの選び方
ハブコーンレンチは自転車専用工具メーカーを中心に販売されています。1本で1サイズの片口タイプと、2サイズまたは4サイズ対応の両口タイプがあります。ハブナットサイズはメーカーやタイプにより異なるので、基本的にはサイズが違うレンチが2本必要となります。
例えば締め付け側は片口、固定側は両口で対応するなど、それぞれの特徴を把握してから選ぶと最小限の本数で多くの自転車に対応できます。保有する自転車の台数や種類などを考えて選びましょう。
基本の4サイズ

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ハブナットサイズはメーカーやホイールの前後で異なりますが、主に13・14・15・17mmが採用されています。基本的にはこの4サイズがあればよいでしょう。セットか単品は悩むところですが、安価なものであればセットで、高価なものは単品で必要に応じて追加するのがおすすめです。
強いトルクが掛けられる片口タイプ

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グリップが長めに作られているのが片口タイプです。グリップが長いのでトルクが掛けやすいのが特徴。特に長年放置された自転車などは、錆などでナットが固着しがち。通常のハブコーンレンチではナットが外れないこともあります。
片口タイプのハブコーンレンチなら、固まったナットなども比較的外しやすくなります。しかし、必ずしも万能というわけではありません。強引に使用すればハブナットを傷める可能性もあります。予め潤滑浸透剤などを塗布しておくなど、下準備をした上での使用がおすすめです。
1本で2役の両口タイプ

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複数のサイズを一度に揃えると、ホイールによってはほとんど使わないサイズも出てきます。プロショップならともかく、一般の自転車愛好家には無駄に感じることも。そんな時に便利なのが両口タイプです。両口タイプはグリップの両端がレンチになっており、それぞれでサイズが異なります。更に片方で2サイズ、両方合わせて4サイズに対応するタイプもあります。
両口タイプは、1本であらゆるサイズにタイプできる便利さを持っています。しかし、グリップが短く、トルクが掛けづらい点に注意が必要です。あまりトルクを必要としない玉押しの固定や、ナットが固着していない場合のみなど、使用する場所を選ぶことがポイントです。
精度の高いプロ仕様タイプ

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プロショップでも使用されるタイプです。剛性が高く滑りにくい梨地処理が施されるなど、安価なタイプと比べてワンランク上の質感があります。自転車と同じ位、メンテナンスにもこだわりを持つ人におすすめです。
また、素人ほど良い工具を使えとはよく言われること。自転車に限らず、DIYにあまり慣れない人は、プロ仕様タイプの方が失敗のリスクも低いと言えるでしょう。
とりあえず試せる安価なタイプ

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良いものは良いと分かってはいるものの、やはり予算が気になる人には安価なタイプを選ぶことになります。特に1度に複数サイズが必要になるハブコーンレンチは、あらゆるサイズをまとめて購入するため、金額も大きくなりがちです。
安価なものは板材を打ち抜いただけと言う簡素な作りが多く見られます。しかし実際のところ、安価なタイプでもハブコーンレンチのメンテナンスは十分可能です。普段から工具をよく使っているなど、DIY慣れしている人ならおすすめできます。
メーカーで選ぶ
ハブコーンレンチは自転車専用工具メーカーの他、総合工具メーカーからも販売されています。ハブコーンレンチは価格で選んでも失敗の少ない工具ではありますが、メーカーごとの特徴を知ってから決めても損はありません。
国内最大手の自転車専用工具メーカー 「ホーザン」

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HOZAN(ホーザン)は自転車専用工具で国内最大手のメーカー。一部の工具はホームページで使い方を紹介するなど、サポート体勢も充実しています。また、PARKTOOLの国内代理店でもあり、どちらを選んでも安心して使えるメーカーです。
価格が魅力の工具メーカー 「ストレート」

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安価な整備工具で人気のメーカーがSTRAIGHT(ストレート)です。ハブコーンレンチ以外の自転車工具もお求めやすい価格設定になっています。予算重視で他の自転車整備用工具も揃えたい人におすすめです。
コストパフォーマンスに定評のあるメーカー 「トネ」

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TONE(トネ)は国内の総合工具メーカー。価格の割に品質が良く、自動車やバイクの車両整備用工具も人気です。自転車用工具のラインナップは少ないですが、他の工具同様、コスパに優れた工具としておすすめです。
様々なサイズを揃えたお得なセット

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最初からあらゆる状況に対応したい人には、複数サイズがセット販売されたタイプがおすすめです。高価なタイプは一度揃えれば長く使えるもの。また、安価なセットなら、プロ仕様の1本分程度の予算であらゆるサイズに対応できます。
また、片口・両口タイプ、それぞれにもセットがあります。ロックナット側がメインなら片口、玉押し側をメインに考えるなら両口など、どちらかをセットで揃えてみてもよいでしょう。
ハブコーンレンチのおすすめ人気ランキング8選
ハブコーンレンチは、高価なタイプでも1本2000円程で購入できる比較的安価な工具。しかし複数セットで考えると、1万円以上の予算が必要なこともあります。値段が全てではありませんが、やはり初心者にはハードルが高くなってしまいます。
ハブコーンレンチは、必ずしも同じメーカーで揃える必要はありません。一度に何本か揃える場合でも、商品特性をよく理解して上手に組み合わせることがポイントです。
1位 トネ ハブコンレンチ CHCW-15 二面幅15mm

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長さ:205mm
コスパに優れた一本
車やバイクなど、コスパに優れた車両整備用工具でも人気のメーカー、TONE(トネ)のハブコーンレンチです。本商品は15mmですが、全部で4サイズを展開しています。ちなみに「ハブコンレンチ」はTONEの正式な商品名です。
2位 シマノ TL-HS35 ハブ調整スパナ 15mm

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高価だが間違いのない一本
自転車部品に欠かせないメーカーのシマノですが、自転車専用の工具も販売しています。価格は高めですが、滑りにくいグリップなど作業性が考えられています。こちらは15mmですが、全部で4サイズを展開しています。
3位 PARKTOOL ショップコーンレンチ Y型ヘッド SCW-17

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プロ仕様の高品質レンチ
世界最大の自転車専用工具メーカー、PARKTOOLのハブコーンレンチです。商品名の通り、プロショップのメカニックも使用する剛性・精度が高い1本。こちらは17mmですが、他メーカーにはない多数のサイズ展開も魅力です。
4位 ストレート ハブコーンレンチセット 5ピース 22-800

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長さ:205mm
お買い得満載のセット
安価な工具で人気のメーカー、STRAIGHT(ストレート)のレンチです。2000円程で5種類のサイズが揃うというお買い得感が高い内容になっています。初めてハブのメンテナンスに挑戦する人におすすめです。
5位 ホーザン ハブコーンレンチ 4本セット C-504

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長さ:185mm
使い勝手の良いデザイン
国内の自転車工具メーカー、HOZAN(ホーザン)のレンチセットです。4つのサイズがセットされています。やや高価ですが、レンチの先端がテーパー状になるなど、薄いレンチを掴みやすいデザインになっています。ちなみに同じレンチをサイズ別に1本ずつ購入することも可能です。
6位 BIKE HAND ハブスパナセット YC-257ABC

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格安の両口タイプセット
1000円以下で買える格安の3本セットです。両口タイプなので1本で2サイズ、全部で6サイズに対応しています。とにかく値段最優先という人におすすめ。ただし片口タイプよりも使い勝手が落ちる点には注意が必要です。
7位 ホーザン 段付スパナセット C-503

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長さ:155mm
使い方次第で便利な1本
HOZANの両口タイプですが片側で2サイズ、つまり1本で4サイズに対応する両口タイプのレンチです。普通の両口タイプよりも使いにくさを感じますが、玉押し固定用と割り切って使えば意外と活躍してくれます。おすすめは片口タイプと併用です。
8位 CYCLE PRO ハブスパナ 15mm CP-TL15SK

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ありそうで無い独自の形状がポイント
グリップに対してレンチの口が直角に近い形状です。ナットが滑りにくい位置で掴みながら、効率よく強いトルクを掛けることができます。それほどトルクを必要としないハブナットですが、固着していれば話は別。困ったときのお助けツールとしてもおすすめです。
おすすめの商品一覧
製品 | 最安値 | 評価 | リンク |
---|---|---|---|
![]() トネ ハブコンレンチ 15mm CHCW-15
1
|
518円 |
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![]() シマノ ハブ調整スパナ 15mm TL-HS35
2
|
1,619円 |
4.28 |
|
![]() PARKTOOL ショップコーンレンチ S……
3
|
1,020円 |
|
|
![]() ストレート ハブコーンレンチセッ……
4
|
1,422円 |
|
|
![]() ホーザン ハブコーンレンチ 4本セ……
5
|
3,015円 |
4.37 |
|
![]() BIKE HAND ハブスパナセット YC-25……
6
|
924円 |
4.4 |
|
![]() ホーザン 段付スパナセット C-503
7
|
487円 |
4.11 |
|
![]() CYCLE PRO ハブスパナ 15mm CP-TL1……
8
|
710円 |
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ハブコーンレンチと併せて揃えたいグリス

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ハブのメンテナンスに必要な工具はハブコーンレンチですが、合わせて用意したいのがハブグリスです。一度分解したハブを組み上げる際、ホコリや水分で劣化したグリスは取り除くことが必要です。新しいグリスを塗布することで、滑らかな回転を維持することができます。
ハブグリスはメンテナンスには欠かせないもの。ハブを分解するなら必ず必要になってきます。これからハブメンテナンスに挑戦する人は、グリスとハブコーンレンチはセットと考えておきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。ホイールの玉押し調整は手先の感覚に頼る部分もあり、職人芸とも呼べます。見た目には分かりませんが効果の高いメンテナンスです。よく転がるホイールの自転車は乗っていても楽しいもの。愛車と長く付き合うために、見えない部分もしっかり手を入れましょう。