車で長距離を移動するときに便利な高速道路。その料金の支払いをするときにETCカードがあると便利です。ETCカードにはさまざまな種類があるため、どのETCカードを発行したらいいか迷ってしまいますよね。
ETCカードの種類がや、お得なETCカードを選ぶためのポイントについて説明します。この記事を読んで、最適な1枚を見つけてくださいね。
ETCカードとは

そもそも、ETCとは、「Electronic Toll Collection System」の略で「電子料金収受システム」のことを指します。日本では、1997年から導入され、現在その利用率は約93.3%。(参考:国土交通省ホームページ)
ETCを使えば、料金所で停まる必要がなくキャッシュレスで清算可能。渋滞の緩和や、渋滞によるCO2の削減・ガソリンの節約にも効果があると言われています。そのETCを利用するために、必要なのがETC車載器とETCカードです。
ETCカードの種類
ETCカードは大きく分けて、2種類あります。お得なETCカードを作るためにはそれぞれの特徴を知りましょう。
クレジットカード会社が発行するクレジットカード付帯型

クレジットカード付帯型とはクレジットカード会社が発行するETCカードのことです。一般的にETCカードというと、このクレジットカード付帯型のことを指します。ETC料金はクレジットカードの料金と合算して支払います。
2018年以降、クレジット機能とETC機能が一枚にまとまった一体型の発行は廃止されているため、クレジットカードとは別にETCカードが発行されます。
高速道路の運営会社が発行するETCカード
高速道路6社(NEXCO東日本・中日本・西日本、首都高速道路株式会社、阪神高速道路株式会社、本州四国連絡高速道路株式会社)が共同で発行しているETCカードもあります。クレジットカードのように審査なく発行でき、個人向けと法人向けの2種類に分けられます。
個人利用のためのETCパーソナルカード

通称「パソカ」と呼ばれる、個人利用のためのカード。利用の審査がない代わりに、平均利用月額の4倍ほどデポジット金を支払う必要があります。また、デポジットとは別に1,257円(税込)の年会費が掛かります。
事業者向きのETCコーポレートカード

大口で、頻度多く高速道路を利用する法人向けのETCカード。高速道路の利用額が多いほど、割引率が上がっていきます。他にも、朝夕割引や深夜割引など、費用の節約ができるのがメリットです。 パーソナルカード同様に、デポジットの支払いや、カード発行手数料、年会費などが掛かります。
ETCカードがあると便利な理由
ETCカードを利用するメリットは通行料金の割引だけではありません。ETCカードを利用するメリットを詳しく見てみましょう。
料金所をスムーズに通過できる

ETCカードを利用すると、レーンを通過するだけで支払いが完了します。料金を手渡しするために、一時停止をして窓を開ける必要がないため、料金所をスムーズに通過できます。高速道路が渋滞する原因の一つに料金所での一時停止が挙げられるので、ETCカードを利用すると渋滞の緩和にも役立ちます。
通行料の割引サービスを受けられる

ETCカードを利用する最大のメリットは通行料の割引サービスです。
使用する曜日や時間帯、利用回数などで30%~50%の割引が受けられることも。深夜割引、平日朝夕割引、休日割引などが対象ですが、各道路会社ごとに提供している割引は異なります。
時間帯割引では、対象となる時間に走行していれば、通行開始や終了が時間外であっても適用されることがあるので、割引サービスの実施状況を確認してみましょう。
利用料に応じてポイントが貯まる

ETC利用料に応じてポイントが貯まり、そのポイントを通行料として還元できる「ETCマイレージ」をというサービスがあります。これは、クレジットカードのポイントとは別のポイントなので、クレジットカードのポイントとETCマイレージの両方貯めることが可能。
郵送または公式サイトからETCマイレージ登録を行うことで、利用できます。登録は無料で、年会費もかかりません。
ETCカードを作るときに押さえておきたいポイント
メリットの多いETCカードですが、一部注意しておきたい点もあります。導入前に知っておきたいポイントを把握しておきましょう。
ETC車載機など初期費用が掛かる

ETCカードを利用するためには、ETC車載器を購入し、設置、セットアップする必要があります。そのための初期費用が掛かることがデメリットの一つです。車載器は5000円~3万円ほどで購入ができます。設置とセットアップは専門店で行ってもらうため、専門店への支払いに5000~6000円の費用が掛かります。
ETC専用レーンでトラブルに遭うこともある

ETCには専用のレーンが設けられていますが、レーン通行時にトラブルに遭うことも。原因はETCカードの入れ忘れや期限切れであることが多いです。ETCレーンでトラブルが起こると、後続車との玉突き事故につながり危険です。ETCカードを利用して高速道路に乗る前にしっかり確認しましょう。
ETCカードの選び方
発行しているクレジットカード会社によって、年会費やポイント還元率、特典が異なります。自分が重視するポイントに合ったETCカードの選び方を紹介します。
年会費で選ぶ
ETCカードを維持するためにかかる年会費。無料のものから500~1000円ほどの年会費がかかるものもあります。維持コストを抑えたいという人は年会費をチェックしましょう。
コストをかけずに使える永年無料

永年無料とは、条件に関係なく年会費が無料になるというものです。高速道路の利用回数が少ないという人や、とりあえず1枚持っておきたいという人は、年会費永年無料のカードから選びましょう。ETCカードは無料でもクレジットカードには年会費が掛かる場合もあるので、そちらも忘れずに確認を。
年会費は有料だが、条件で無料になるものも

入会次年度以降は年会費550円が掛かるが、1回でも利用があれば無料といったように、有料で設定されていても条件をクリアすれば年会費が無料になるETCカードもあります。
自分の利用状況が条件を満たすか、年会費が掛かったとしてもクレジットカードの利用でペイできるか、などを検討してから申し込みましょう。
ETC利用時の還元率で選ぶ
クレジットカード会社が発行するETCカードの場合、ETCマイレージの他にカード会社のポイントも貯まります。還元率が高いものを選ぶと効率的にポイントを貯めることができます。
平均的な還元率は0.5%程度

ETCカード利用時の還元率は0.5%程度に設定されていることが多いです。還元率よりも、自分が普段使うポイントかどうかを重視する人は、ポイントの種類で発行するカードを選ぶといいですね。
効率的にポイントが貯まる還元率1%以上

ETC利用時の還元率が1%を超えるものは、そもそもクレジットカード自体のポイント還元率が1%以上であることがほとんど。できるだけたくさんポイントを貯めたいという人には、還元率が1%以上のカードがおすすめ。中でも、リクルートカードは還元率1.2%の「超高還元カード」でありながら、年会費が永年無料です。JCBを選んで発行すれば発行手数料も掛かりません。
優待特典で選ぶ
ポイント還元以外にもクレジットカード独自の優待特典がある場合も。よく利用するサービスがある場合には、優待特典で選ぶのも一つの方法です。
ガソリンの料金が割引になるカードも

ガソリンスタンドが発行しているクレジットカードを選ぶと、発行会社のガソリンを給油するたびに値引きが受けられます。よく利用するスタンドが決まっている場合はその会社が発行しているカードを選ぶと、ガソリン代の費用がお得になりますよ。
ロードサービス付きで安心

ロードサービス付きクレジットカードを選ぶと、万が一の事故の時も安心。株式会社ジャックが発行するCLUB AJカードは50kmまでのけん引料基本料金・出張料金の無料サービスが付帯しています。
他にも別途年会費を払うことで、ロードサービスを追加できるカードもあります。ロードサービスで有名なJAFの年会費より安く済むので、安心のために備えたい人は検討しましょう。
店舗やサービスの優待で選ぶ

カードによっては系列店や特定の店舗でクレジットカードを利用した際のポイント還元率が高くなるものもあります。コンビニや各種旅行サービスなど、使用頻度が多い店舗やサービスがある場合には、それに合わせてカードを発行すると日々の生活でお得にポイントを貯めることができますよ。
ETCカードのおすすめ人気ランキング10選
ここからは、還元率が高く、お得に使うことのできるETCカードを紹介します。ランキング形式で紹介しますのでそれぞれの特徴を把握してくださいね。
1位 JCB CARD W

39歳以下が申し込めて高還元率1%
申し込み対象年齢が18歳~39歳と限られるものの、還元率が1%、年会費も永年無料で使えるカードです。スターバックスやセブンイレブン、アマゾンなど、パートナー店ではさらにポイントの還元率がアップ。貯めたポイントはAmazonでの支払いに使えるので、使い勝手のいいカードです。
2位 dカード

最短5分の入会審査ですぐに使いたい人に
dカードの一押しポイントはクレジットカードの審査の速さ。申し込み完了から最短5分で完了するので、急いでクレジットカードを発行したい人におすすめです。ポイントの還元率が1%と高いことに加えて、コスモ石油やエネオス石油でガソリンを入れると、特約ポイントが貯まるので還元率は1.5%に。
ドコモユーザーでなくても申し込みができますよ。
3位 楽天カード

年会費は会員ランクによって無料にも。楽天サービスのポイントもアップ
顧客満足度12年連続No.1の楽天カード。楽天カードがゴールドかプレミアムであれば、または楽天PointClubの会員ランクがダイヤモンド会員・プラチナ会員であれば、ETCカードの年会費も無料になります。
クレジットカードを発行すると他の楽天グループサービスのポイント還元率もアップするので、楽天のサービスをよく使う人には最適です。
4位 三井住友カード

タッチ決済のできるナンバーレスカード
クレジットカードの両面番号が印字されないナンバーレスカードのため、セキュリティの面でも高評価。また、タッチ決済にも対応しているので、スピーディーな支払いが可能。還元率は0.5%と平均的ですが、対象店舗の中からよく行く3店舗を登録すると、登録店舗の還元率がアップします。
5位 ライフカード

初年度や誕生日月はポイント還元アップ
ライフカードは通常時の還元率は0.5%ですが、独自のポイント加算を設けています。例えば初年度のは0.75%還元、誕生日月には1.5%還元になります。利用額に応じて還元率が変わるステージ制もあるので、ETCカードのポイントを楽しみながら貯められそうですね。
6位 エポスカード

ETCカードの紛失・盗難を全額保証
クレジットカード、ETCカードともに年会費は永年無料。ポイント還元率は0.5%ですが、ファミレスやカラオケなど、全国1万店以上で割引を受けられる特典が魅力。ETCカードの紛失、盗難に遭った場合、損害を全額保証してくれるので万が一の時も安心です。
7位 リクルートカード

還元率1.2% 貯まったポイントが使いやすい
基本の還元率が1.2%と高いため、カードでの支払いが多い人はポイントが貯めやすいです。貯めたポイントはじゃらんやhotpepperBeautyなど、リクルート系列のサービスで使えるだけでなく、dポイントや pontaポイントにも変えられるので、使い勝手も良いですね。
8位 三菱UFJカード VIASOカード

ポイントはオートキャッシュバックで使い忘れがない
クレジットカード還元率は0.5%ですが、ETCカードの支払いに使った際の還元率は1%にアップします。VAISOカードの特徴はポイントが自動で還元されるオートキャッシュバック機能。支払額から相殺されるので、ポイントの使い忘れが心配な人にはおすすめ。年会費は無料ですが、ETCカード発行には手数料1100円が掛かるので注意しましょう。
9位 セゾンカードインターナショナル

カウンター発行で即日利用
年会費永年無料で発行でき、ポイントの有効期限がないのが特徴。カードの提示で水族館などのレジャー施設の優待が受けられます。また、セゾンカウンターでETCカードを発行してもらえば即日受け取りも可能。急ぎでETCカードが必要な人は検討してみましょう。
10位 apollostation card

軽油やガソリンが2円/ℓ引きに
出光クレジット株式会社から発行されているapollostation card。このカードの特徴はガソリン代の値引きがあること。出光興産系列のガソリンスタンドで、給油するとガソリン・軽油が2円/ℓ引き、灯油が1円/ℓ引きになります。
オプションサービス「ねびきプラスサービス」に申し込むとさらに値引き額がアップするので、ガソリンの購入量が多く割引に魅力を感じる人におすすめのカードです。
ETCカードの作り方
ETCカードの作り方は、発行元がクレジットカード会社か、高速道路の運営会社かで異なります。それぞれのETCカードを発行する方法について紹介します。
クレジットカード会社が発行するクレジットカード付帯型
クレジットカード会社が発行するクレジットカード付帯型のETCカードは、すでにクレジットカードを発行済みかどうかで発行方法が分かれます。
発行済みのクレジットカードから追加発行

既にクレジットカードを持っている会社のETCカードを発行するためには、カード発行会社に追加発行を申し込みましょう。クレジットカードの審査が通っているため、スムーズに審査が進む場合が大半です。
申し込みは、カードはカード会社のホームページなどから行います。平均で2週間ほどで、カードが郵送されます。
新規発行するクレジットカードと同時に発行

ETCカードとクレジットカードを同時に新しく作ることもできます。クレジットカードの発行にあたって、本人確認書類の提出や審査が必要になるため、追加発行に比べて時間が掛かることも。
一方、ETCカードを利用する前提で還元率や特典など好条件なカードかどうかの吟味ができるところは、同時発行の強みです。
高速道路の運営会社が発行するETCカード

高速道路の運営会社が発行するETCパーソナルカード(パソカ)を発行するためには、申込書を郵送し、デポジットを入金する必要があります。申し込みから郵送でカードが届くまでにかかる時間は約1か月ほど。
申込書はETCパーソナルカード公式ページ、サービスエリア等で入手でき、事務局に連絡すれば郵送もしてもらえます。
ETCカード利用時の注意点
ETCカードは、支払いが高速道路の料金に限定されているとはいえ、一種のクレジットカードと同じです。トラブルを未然に防ぐための注意点を確認しましょう。
ETCカードを車載器に差し込んだままにしない

ETCカード利用時は、ETC車載器に挿入しますが、車から離れるときには差し込んだままにしないようにしましょう。紛失や盗難の危険性があるだけではなく、暑い時期には熱でカードに歪みが生じることもあります。
紛失・盗難に遭ったときには

クレジットカード同様に、紛失・盗難に遭った場合はカード会社の「紛失盗難窓口」に連絡をしましょう。速やかにETCカードの利用を停止し、新規発行の手続きを。ETCマイレージサービスについても停止し、再登録をしましょう。必要に応じて、警察への相談も行うとよいですね。
まとめ
高速道路の料金支払いに便利なETCカード。特に、クレジットカード付帯型ではカード会社によって、その特徴はバラバラ。年会費や還元率、特典の有無など、自分にとって使い勝手のいいETCカードを見つけてくださいね。