登山での緊急時や急な雨風から体を守ることができる簡易テントの「ツェルト」。居住性を左右する構造や、防水・防寒対策もできる素材などさまざまで、そのほかにもサイズや重量などの違いがあるため、購入する際にどのツェルトを選んだらいいか迷ってしまいますよね。
そこで今回はツェルトの選び方と、おすすめ商品をランキング形式でご紹介していきます。登山中でも持ち運びの負担にならず、使う場所や人数など自分に合ったツェルトを選んで、より安全に登山を楽しみましょう。
遭難や突然の豪雨・強風など、登山の緊急時に命綱となる必須アイテムの「ツェルト」

ツェルトとは、登山での道迷いによる遭難や、突然の雨風をしのぐ際に使用する緊急用簡易テントのことです。野営を意味するビバークから名前をとって別名「ビバークテント」や、避難所を意味する「シェルター」とも呼ばれています。
テントは二重構造が主流ですが、ツェルトは一重構造が一般的となっており、その部分が大きく異なります。重量も800g以下のものがほとんどで、登山用のストックを用いて設営できるタイプや、頭から被って使用できるものなど、利用シーンに合わせて使えるので便利です。
また、非常に軽くコンパクトなため、行動の妨げにならないのも特徴のひとつ。緊急時に備えて、日帰り・泊まりに関係なく持ち歩くといいでしょう。ただし、軽量かつコンパクトを優先した構造により居住性や防水性・耐久性の面で劣るため、テントとしての代用は難しいです。
ツェルトの選び方
ツェルトを選ぶ際に重要な5つのポイントを見ていきましょう。
登る人数に合ったもので選ぶのも◎携帯のしやすさや居住性の高さで「構造」をチェックしよう
ツェルトの構造は大きく分けて、非自立式・自立式・ポンチョ式の3つです。それぞれ使用できる場所・設営方法・特徴などが異なるので、どれが自分に合うのかを確認しましょう。
居住性は低いが狭い場所でも使えて、軽量かつコンパクトで持ち運びやすい「非自立式」

狭い場所でも設営できて、軽量かつ持ち運びやすさ重視のツェルトをお探しの方は非自立式がおすすめです。非自立式はストックなどを支柱にし、ロープを使って設営するツェルトで、コンパクトに折りたたむことができます。登山の際にも邪魔になりません。
テントに比べ居住性は低いですが、少ないスペースでも設営可能。簡易テントだけでなく、タープにしたり、被って使用できたりするものもあるため、用途によって使い分けられるのも特徴です。緊急時に備えて、前もって設営に慣れておくといいでしょう。
居住性に優れているため複数人での登山に最適で、高い耐風性を兼ね備える「自立式」

複数人でも利用でき、耐風性が優れているツェルトをお探しの方は自立式がおすすめです。自立式は、付属のポールを組み立ててしっかりと固定させるタイプのツェルト。ポールのおかげで強度が高まるので、非自立式に比べると耐風性に優れています。
居住性も高いため、家族やグループで登山した際にもテントのように活躍し、複数人でのツェルト泊も可能です。しかし、本体とポールを合わせて持ち運ばなければならないので、荷物がかさばってしまうデメリットもあります。
想定外の天候の急変や、休憩中の防寒対策もできる「ポンチョ式」

登山中の急な雨でも、すぐに防寒対策ができるのはポンチョ式のツェルトです。頭から被ってポンチョのように防寒対策をすることができます。他の設営方法に比べると、時間も手間もかけることなく雨風を防ぐことができるので便利です。
本体の重量も非常に軽くコンパクトに収納できるので、すぐに取り出して使用することができます。ただし、休憩中に体温低下を防ぐことはできますが、居住性が非常に低く、一晩過ごすのは難しいです。泊まりを考えた登山であれば、自立式のツェルトなどが好ましいでしょう。
防水性や透湿性など、防寒対策や蒸れにくさにつながる「機能性」にも注目

防寒対策できるものや蒸れにくい素材など、機能性が優れているものを選びましょう。ツェルトは雨・風・雪などをしのぐ際に活用するものなので、防水性と透湿性が重要になります。防水性が高いと、雨が強くても生地の内側に水が侵入することがありません。
また、透湿性が高いタイプはツェルトの内側にこもっていた水蒸気を外側に排出してくれるので、結露からの息苦しさを解消してくれます。防水機能を表す耐水圧や、透湿性を表す透湿度が数値で表示されているものもあるため、より数値が高いツェルトを選ぶようにしましょう。
軽さが最大の強みなので、1人で登山する場合や軽量を重視するなら「250g」を目安にしよう

軽量を重視するなら、重さ「250g」を目安にしましょう。とくに、一人で登山する場合は、すべての荷物を自分で持ち歩かなければなりません。そのため、少しでも負担を減らす意味でも、軽量化されているツェルトがおすすめです。
なかでも、非自立式とポンチョタイプは、軽量化されているものが数多くラインナップされています。軽量の目安として、非自立式は250g程度、ポンチョタイプは100g程度のものを選ぶようにしましょう。
チームで登山する場合は、一緒に登る人数にぴったり合った「収容人数」を選ぼう

一緒に登山する人数に合わせた収容人数のツェルトを選びましょう。キャンプなどで使うテントであれば、大きいに越したことはありません。しかし、ツェルトの場合は荷物の負担にならないことを重視しているため、収容人数はぴったり合ったものが良いです。
ツェルトの収容人数は、1人用から複数人用までさまざま。横になって使用する場合や被って使用する場合など、使い方によって収容人数も異なります。購入前にスペックを確認しておきましょう。
ツェルトを引っ張ることで居住空間を広くできる「リフターの数」もチェックしよう

ツェルトの居住空間を広げることができる「リフターの数」にも注目してみましょう。リフターとは、ツェルトの側面を外側に引っ張るためのロープをくくりつける部分のこと。数や位置によって室内の広がり方や使い方のバリエーションが異なるため、重要なアイテムです。
とくに非自立式タイプは、リフターにロープを結びつけて引っ張らないと設営ができません。そのため、リフターの数が設営時にも影響するので注意が必要です。また、リフターを使ってしっかりとツェルトを張ると、横風を受けても狭くなりにくいという特徴があります。
さらに、両開きのツェルトであれば前後のドアを展開して、タープのように形を変えることも可能です。このようにリフターの数によって緊急時の対応の幅が広がるので、ぜひチェックしてみてください。
ツェルトのおすすめ人気ランキング10選
ツェルトのおすすめ商品を人気ランキング順にご紹介していきます。自分に合ったツェルトを見つけるための参考にしてみてください。
1位 アライテント スーパーライトツェルト 1 [ 370100 ]
![アライテント スーパーライトツェルト 1 [ 370100 ]](https://enyranking.xsrv.jp/wp-content/uploads/2024/09/0a79b850689beec5fa936f24abc36eb4.jpg)
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収容人数:1〜2人
サイズ:設営時:間口90×奥行200×高さ90cm/収納時:15×10cm
重量:280g
防水加工:◯
わずか280gの軽量で、手のひらサイズに収納できる
アライテントのスーパーライトツェルトは、重量わずか280gの驚きの軽量で、収納する際もコンパクトにまとめて持ち運ぶことができます。ザックの片隅に入れておけば、急な天候の悪化にもすぐに取り出せるので、寒さからの体力の消耗を防いでくれるでしょう。
床は紐で合わせられる一般的な構造になっており、別売りのポールセットを利用すれば簡易テントとしても使用できるので、急な野宿でも安心して泊まることができます。
2位 CAPTAIN STAG(キャプテンスタッグ)ソロツェルトUV UA-0053

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収容人数:1人
サイズ:設営時:幅80×奥行210×高さ90cm/収納時:23×10×10cm
重量:620g
防水加工:◯
非常時にロープやストックを用いて設営できる
CAPTAIN STAG(キャプテンスタッグ)のソロツェルトは、 非常時や休憩時などにステッキ・ポール・ロープを使用して設営できます。ビバークギア定番のツェルトで、持ち運びやすくコンパクトな軽量アイテムです。
前後の出入り口にはベンチレーションが装備されており、高温多湿を避けるために風通しをよくしてくれます。また、便利なバックがついており、使用後も簡単に収納できるので荷物がかさばる心配もありません。
3位 アライテント スーパーライトツェルト 2 ロング [ 0371200 ]
![アライテント スーパーライトツェルト 2 ロング [ 0371200 ]](https://enyranking.xsrv.jp/wp-content/uploads/2024/09/62c24671f3af0d3abf22ed8ee301ab23.jpg)
yahoo.co.jp
収容人数:2〜3人
サイズ:設営時:間口130×奥行210×高さ110cm/収納時:15×10cm
重量:395g
防水加工:◯
2〜3人用サイズ395gの軽量で複数人の登山に最適
アライテントのスーパーライトツェルト 2 ロングは、395gの超軽量にもかかわらず、2〜3人で利用できるツェルトです。折りたたんでコンパクトに収納することができて、登山の際は荷物の負担になることもありません。
また、別売りのポールを使用することにより、軽量テントとして設営もできるのでおすすめです。ウレタンコーティング加工なので、多少の雨でも防水効果を発揮してくれます。
4位 HERITAGE(ヘリテイジ)クロスオーバードーム f <2G>

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収容人数:1人
サイズ:設営時:幅75×奥行200×高さ95cm/収納時:8.5×16cm(ポール:38cm)
重量:540g
防水加工:◯
2本のポールを通すだけで、スピーディな設営が可能
HERITAGE(ヘリテイジ)のクロスオーバードームは、ポールを通すだけで緊急時でも早急に設営できるツェルトです。ドームテントのように2本のポールを通すだけなので、より簡単でスピーディな設営ができます。
軽量化を実現させたパネルは防水・透湿性素材を使用しており、従来のツェルトよりも居心地のよい空間を作り出してくれることでしょう。耐水性はあまり高くはありませんが、多少の雨なら防ぐことができます。
5位 oxtos(オクトス)UL透湿防水タフツェルト / ロング

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収容人数:1~2人
サイズ:間口100cm×奥行220cm×高さ100cm(天井部奥行165cm)
重量:380g
防水加工:◯
特殊な薄いコーティングで従来品と同スペックの耐水性
oxtos(オクトス)のUL透湿防水タフツェルトは、特殊コーティングによって薄いコーティングでも耐水性が高いツェルトです。また、マイクロリップストップナイロンを使用しており、引裂強度も高いのが特徴です。
1〜2人で利用でき、2人が横になっても十分なスペースを取ることができます。出入り口も2か所あるので、両方開けると通気性がよくなり、結露の心配がありません。
6位 finetrack(ファイントラック)FAG0123 ツエルト2ロングOG

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収容人数:3人
サイズ:設営時:間口100×奥行220(天頂部170cm)×高さ95cm/収納時:10×5×19cm
重量:340g
防水加工:◯
横幅220cmの居住性の高さでテント代わりに使える
finetrack(ファイントラック)のFAG0123は、テントの代用としても使うことができる優れものです。横幅220cmの居住空間は、2〜3人が入っても十分に宿泊することも可能。サイドリフターもついており、用途に合わせて居住空間を広げることもできます。
十分な耐水性と結露を軽減してくれる透湿性も兼ね備えているため、心地よい居住空間を作り上げてくれることでしょう。
7位 アライテント ツェルト ARI065 ビバークツェルト デュオ 2人用

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収容人数:3人
サイズ:設営時:間口80×奥行120×高さ90cm/収納時:9×7(幅4)cm
重量:150g
防水加工:◯
かぶって使用する、超軽量の2人用ツェルト
アライテントの ツェルト ARI065は、2013年に廃盤になってしまったビバークツェルトスーパーライトを新たに復活させたツェルトです。サイズは改良され少し大きくなりましたが、重量は150gと軽量を維持しています。
最大3人で被って使用することができ、リップストップ布地に劣らない強度も兼ね備えているので、急な雨風にも対応してくれるツェルトです。
8位 finetrack(ファイントラック)FAG0122 ツエルト1 OG

yahoo.co.jp
収容人数:1〜2人
サイズ:設営時:間口80×奥行200(天頂部120cm)×高さ90cm/収納時:9.5×4.5×14cm
重量:230g
防水加工:◯
十分な耐水性と不快な結露を軽減する透湿性が魅力
finetrack(ファイントラック)のFAG0122は、1〜2人用で耐水性と透湿性が優れているツェルトです。緊急時にはしっかり耐水性を維持することができ、内側にこもってしまう不快な結露も優れた透湿性によって軽減してくれます。
超軽量&コンパクトなサイズで、重量はわずか230g。設営後は大人2人でも寝ることができ、座って休憩する際などには3〜4人で使用することもできます。
9位 HERITAGE(ヘリテイジ)トレイルシェルター2 <2G>

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収容人数:2人
サイズ:設営時:幅110×奥行300×高さ95cm/収納時:直径8.5×21cm
重量:438g(ペグ2本込 乾燥時平均)
防水加工:◯
ストック2組を使用して設営する2人用のウィンパー型
HERITAGE(ヘリテイジ)のトレイルシェルター2は、ストックを2組使って設営するウィンパー型の2人用シェルターです。110cmに調整できるストック専用のサイズとなっています。また、各コーナーにループが付いており、木々を支えに設営することも可能です。
前後の出入り口には逆L字に解放できるファスナーが付いており、ベンチレーターと連動して効果的な換気も期待できます。
10位 finetrack(ファイントラック)チューブツエルト FAG0124 (MO)

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収容人数:4人
サイズ:設営時:最大奥行320×開口部直径106cm/収納時:12×5×19cm
重量:440g
防水加工:◯
取り出して潜り込むだけで避難ができる大型ツェルト
finetrack(ファイントラック)のチューブツエルトは、簡単設営で2〜4人が利用できて、取り出して潜り込むだけで避難が可能な大型ツェルトです。設営後は4人が横になって寝ることができる広さで、解放状態にしてさらに空間を広げることもできます。
耐水性も十分で、さらに不快な結露も軽減させる透湿性も兼ね備えている優れもの。finetrack独自のテンションスリングを採用しているため、広い居住空間の確保が実現できるのが魅力です。
おすすめの商品一覧
製品 | 最安値 | 評価 | リンク |
---|---|---|---|
![]() アライテント スーパーライトツェ……
1
|
5,586円 |
4.46 |
|
![]() CAPTAIN STAG(キャプテンスタッグ……
2
|
8,480円 |
3.9 |
|
![]() アライテント スーパーライトツェ……
3
|
14,300円 |
|
|
![]() HERITAGE(ヘリテイジ)クロスオー……
4
|
41,085円 |
4 |
|
![]() oxtos(オクトス)UL透湿防水タフ……
5
|
18,700円 |
3.5 |
|
![]() finetrack(ファイントラック)FAG……
6
|
27,928円 |
4.13 |
|
![]() アライテント ツェルト ARI065 ビ……
7
|
7,746円 |
|
|
![]() finetrack(ファイントラック)FAG……
8
|
15,840円 |
|
|
![]() HERITAGE(ヘリテイジ)トレイルシ……
9
|
31,680円 |
|
|
![]() finetrack(ファイントラック)チ……
10
|
26,200円 |
|
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ツェルトは緊急時に張ることが多いので、張り方を事前に確認しよう

ツェルトは緊急時に張ることが多いので、使用頻度が少なく慣れていないとスムーズに設営することができません。設営に必要なものは、ストック・専用ポール・ロープ・ペグなどです。もしものときのために設営方法も確認しておきましょう。
ツェルトはキャンプ用のテントのように骨組みがないので、きれいに張るためには少しコツが必要です。設営方法は、まずロープをフレームに固定し、本体を広げ4隅にペグを打ち込みます。ポールを片方ずつ立たせ、全体のバランスを調整したら完成です。
しかし、内側にフレームがないので、設営した形のまま移動させることはできません。なるべく強風の影響を受けにくい木々に囲まれている場所で設営をしましょう。また、落石や落雷などの危険性を感じる場所は避け、周りをよく確認してから設営するようにしてください。
まとめ
ツェルトを選ぶ際は、構造・機能性・重さ・収容人数・リフターの数をチェックしましょう。構造には非自立式・自立式・ポンチョ式があり、用途にあったものを選ぶのがおすすめ。登山の際に邪魔にならないよう、持ち運びに便利な軽量タイプを選ぶことも大切です。
さらに、防水性や耐水性が高い素材にも注目しましょう。また、遭難や急な雷雨にも即座に使用できるよう、前もって設営に慣れておく必要があります。緊急時のためにツェルトを備えておき、より安全に登山を楽しんでみてください。