下穴を空けた金属の板同士を固定したり、ナットを付けたい場合に便利なナッター。ロブテックス・大洋精工・TRUSCOなどのメーカーがあり、手動式、電動式など豊富な種類が発売されています。また、似た工具にリベッターがありますが、どのような違いがあるのでしょうか。
この記事では、ナッターの選び方とおすすめ商品6選を紹介するとともに、使い方やナットの外し方も詳しく解説していきます。ナッターは正しい使い方を知っておくことが大切です。ぜひこの記事を参考にしてくださいね。
ナッターとは
ナッターとは、下穴を空けた薄い金属製の板にねじ穴となるナットをかしめる、つまり取り付ける工具です。これにより、ねじ穴のない金属同士をボルトやねじで固定することができます。片面から作業ができるので、裏側に手を回す必要もなく簡単です。
金属製の板同士を溶接で固定する方法もありますが、薄い金属の場合、溶接の熱で金属の板が歪んでしまう可能性があります。そのため、特に薄い金属製の板同士を固定する場合はナッターを使う方が望ましいです。
また、ナッターで固定した場合は取り外しが可能です。後に外す予定がある場合や定期的に交換する必要がある場合にも、ナッターが活躍します。
ナッターとリベッターの違い
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リベッターは板同士をブラインドリベットで固定する工具です。ナッターと形状が似ていますが、機能は違うので購入する際は注意しましょう。
また、リベッターで固定した薄板は簡単には外れないので、ナッターと使い分けをするのもよいでしょう。
ナッターの使い方
ナッターは誰でも簡単に使えますが、板が厚くなるほどかしめるときに力が必要です。踏ん張れる環境での使用が望ましいでしょう。
かしめる時は薄板の裏側にマンドレルが貫通するので、裏側に人がいないか、当たって壊れそうなものがないかを確認することが大切です。
1.下穴をあける
ナットをかしめるために下穴をあけます。基本的にナット外径+0.1㎜の穴をあけましょう。
(例)
ナット | ナット外径 | 下穴 |
M4 | 6Φ | 6.1mm |
M5 | 7Φ | 7.1mm |
M6 | 9Φ | 9.1mm |
M8 | 11Φ | 11.1mm |
M10 | 13Φ | 13.1mm |
+0.1㎜のキリがない場合、外径寸法のキリで穴を空け、ナットをねじ込みながら入れる方法もあります。+0.1㎜以上の穴を空けると、ナットのかしめが甘くなり、強度不足になるので注意しましょう。
2.マンドレルにナットを装着する
下穴を空けたら、それに合うマンドレルをナッターに装着し、ナットをつけます。ねじ込みが甘いとマンドレルが折れる可能性があるため、ナットはしっかり奥までねじ込みましょう。
3.ナットを入れる
その後、下穴にナットを入れます。きついときは、ナットを回しながらゆっくり入れていきましょう。
4.かしめる
ナッターのハンドル部分を握ってかしめます。ナットのサイズがM6・M8・M10になってくると、両手で思いっきり握る必要があるため、あらかじめ踏ん張れる体制になっておくと良いでしょう。
ナッターの選び方
ナッターは様々な種類があるため、使用頻度や環境に合わせて選びましょう。また、使用するナットによってナッターの型式も変わってくるので、購入する際は注意が必要です。
タイプで選ぶ
ナッターはコンパクトサイズ・両手でかしめる・片手でかしめる・電動式といった種類があり、用途によって使い分けます。
DIYで数回使う場合は手動式のナッターで十分ですが、仕事でナットをかしめる個数が多い場合は電動ナッターがおすすめです。
手軽に持ち運べる片手ハンドナッター
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一般的に多く出回っている、片手でかしめることができるハンドナッターで、M3~M6のナットに最適です。M6以上のナットになると、力がかなりいるので両手でかしめるハンドナッターをおすすめします。
『ちょっとした看板をセットしたい』『車をカスタムしたい』『自転車をカスタムしたい』『ちょっとしたDIYで使いたい』という時に便利ですね。
強い力をかけやすい両手ハンドナッター
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両手でハンドルを握るため、片手タイプのナッターよりも力をかけることができます。片手タイプのナッターの場合、強い力をかけようとする際に手が滑ってしまい、『ナットのカシメがあまくなる』『ナットが真っすぐつかない』といった不具合が起きる可能性があります。
そのため、サイズの大きいM8やM10のナットを使う場合や、板が厚く結構な力をかける場合には、両手でカシメるハンドナッターがおすすめです。
簡単にねじ穴が作れる電動ナッター
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100Vのコンセントがあればどこでも使える電動ナッターです。スイッチひとつでナットを楽にかしめることができるので、作業量が多い場合は手動式よりも電動ナッターがおすすめです。
ナットのサイズと板厚により、必要な力が変わるため、ストロークの調整が必要です。ストローク調整をしないと、『強くかしめて母材の鉄板が曲がってしまった』『かしめが弱すぎてガタツキがある』などの可能性があるので、ストローク調整は確実に行いましょう。
使う頻度で選ぶ
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ナッターは手動式と電動式の2種類に分けることがき、使用頻度によって購入するナッターを検討しましょう。手動式は、使用頻度が低い、主にM4~M6のナットを使う、購入費を安く抑えたい人に向いています。また、ちょっとしたDIYに使いたい人におすすめです。
一方電動式ナッターは、使用頻度が高い、使うナットの種類が多い、仕事で使う、購入費よりも作業効率が大事、といった人に向いています。
電動式のナッターは、DIYよりも仕事や工場で使う人に向いており、手が疲れず楽にナットをかしめることができますが、手動式ナッターに比べ価格設定は高くなります。
使うナットのサイズで選ぶ
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ナッターで使うナットのサイズには、M4・M5・M6・M8・M10の5種類があります。手動式ナッターの場合、ナットのサイズによっては強い力が必要です。
M4・M5・M6程度のナットであれば、片手タイプのナッターでも力をそこまでかけずにかしめることができます。しかし、ナットがM8・M10の場合、かなり力をかけないといけないので、片手タイプよりも両手タイプのナッターの使用をおすすめします。
一方、電動式ナッターの場合、アタッチメントを交換することで、全サイズのナットを簡単にかしめることができます。
ナッターのおすすめ人気ランキング6選
先ほど紹介したナッターがなくてもナットをることができる商品や、リベッターとナッター両方の役割を果たす便利な商品などあなたにおすすめしたい商品を6つピックアップしました。
ナッターなしで使える手軽なタイプも合わせてご紹介しますので、目的にぴったりの商品を見つけてくださいね。
1位 リベッター&ナッターセット スイベルヘッドタイプ 12-755

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ナットリベット(アルミ、スチール):M3×0.5、M4×0.7、M5×0.8、M6×1.0
リベッターとナッターの二刀流
リベッターとナッター両方の機能が使え、価格も4000円台なのでコスパに優れています。ヘッドが回転し、握り部分の位置も変えることができ、難しい場所にも対処できる優れもの。専用のケースもあり持ち運びにも便利ですね。
2位 リベッター&ナッターセット 折りたたみタイプ 12-909

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ナットリベット(アルミ、スチール):M4×0.7、M5×0.8、M6×1.0、M8×1.25、M10×1.5
強力なナッターを使いたいあなたに
こちらもリベッターとナッター両方の機能が使え、両手でハンドルを握れる商品です。M4~M10のナットをかしめることができ、片手タイプのナッターよりも力をかけずに済ませることができます。
折りたたみ式の長いハンドルで作業も疲れにくく、持ち運びにも便利です。
3位 ロブテックス(エビ) 電気ナッター EN410

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適用ナット径:M4、M5、M6、M8、M10
ナット使用範囲:アルミニウム・スチール・ステンレス
電源:AC100V
消費電力:303W
スイッチ一つでナットをカシメる
スイッチを引くだけで簡単にナットをかしめることができます。長時間作業では手動ナッターだと手が疲れてしまうという方には、電気ナッターがおすすめです。
4位 ロブテックス(エビ) ハンドナッターツールキッド HND105

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メタルケース寸法(mm):185×310×40
安心のロブテックス製
有名メーカー・ロブテックス製で、安心かつ長持ちするナッターです。しっかとしたケースにM4・M5・M6のナットが各50個ずつセットで入っており、すぐに作業を始められます。
5位 USCO トラスコ ハンドナッター THN-456

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適用ナット径:M4、M5、M6
質量(g):605
3000円台で買えるハンドナッター
M4~M6のナットに対応しており、3000円台で買えるお手頃価格のナッターです。電動ナットをすでに持っている方も、ちょっとした作業のための2台めとして、手に入れてみてはいかがでしょうか。
6位 エビ ちょっとナッター HNC06R

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下穴径:9.1mm
取付ネジサイズ:M6ネジ
ナッターなしで使える
ナッターを購入するのはもったいないけど、ちょっとナットを付けたい…そんなときに使えるのがこの商品。ナッターを使わずに締めこんでいくため少し力は必要ですが、メガネレンチや六角棒レンチがあればナットをかしめることができます。
簡単なDIYも凝った見た目に仕上がるので、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。
おすすめの商品一覧
製品 | 最安値 | 評価 | リンク |
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![]() リベッター&ナッターセット スイ……
1
|
4,980円 |
4.25 |
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![]() リベッター&ナッターセット 折り……
2
|
9,100円 |
4.3 |
|
![]() ロブテックス(エビ) 電気ナッター ……
3
|
108,847円 |
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|
![]() ロブテックス(エビ) ハンドナッタ……
4
|
7,801円 |
|
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![]() USCO トラスコ ハンドナッター THN……
5
|
3,411円 |
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|
![]() エビ ちょっとナッター HNC06R
6
|
797円 |
4.15 |
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失敗したナットの外し方
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『ナットが斜めについてしまった』『一度付けたナットを外したい』といった経験はありませんか。ナットは簡単に外すことができないので、削り取る、もしくは穴を開けなおすという2種類の外し方をご紹介します。
ナットを削り取る場合、グラインダーなどを使いカシメたナットを削り取りましょう。削るときに母材に傷がつく場合があるので、気を付けてください。
穴を開けなおす場合、カシメたナットよりも大きい穴を開ける必要があります。穴が大きいのが目立って嫌な場合は、ナットを削り取る方法がおすすめです。
まとめ
ナッターには手動式・電動式の2種類があり、使用用途や頻度によってどちらをを購入するか検討しましょう。
正しい使い方をしないとナットがガタついてしまったり、マンドレルが折れる可能性があります。事前にしっかりと使い方をマスターしておいてくださいね。