コンパウンドは自動車の車体に傷をつけてしまった際に使用するカー用品です。自動車整備士の方はもちろん、趣味で自動車の整備やカスタムを行う方であれば、1度は使用したことがあるでしょう。
傷が消える仕組みは、紙やすりのように車体を少し削ることで凹みの目立ちを抑えます。粒度によって用途を変えられるので、粗いものは傷消しとして、超微粒子などの細かいものは車体の磨き上げとしても使用できます。コンパウンドの使い方や選び方をふまえ、Amazonで販売されているものを中心におすすめ商品を6つご紹介します。
コンパウンドの使い方
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先ほど説明したように、コンパウンドは自動車の車体についた傷を目立たなくするカー用品です。仕組みは紙ヤスリと同様に傷を削り凹みとの溝を研磨により調整することで、傷を消すことができます。
コンパウンドを使う際は、傷をつけてしまった車体部分をしっかり洗車します。洗車後にスポンジとコンパウンドを用意し、コンパウンドを適量スポンジに取り出し車体についた傷をメインに擦って削ります。
注意する点は、傷が入った周囲も若干削ることです。傷部分だけを削ってしまうと、車体が部分的に削れてしまい光の反射加減が変わってしまうので注意が必要です。
コンパウンドの選び方
コンパウンドを使用する際は、車体の傷の状態によって商品を選ぶ必要があります。傷の深さに対して使用したコンパウンドの粒子が粗いと、余計な傷を作ってしまうこともあるので適切なタイプを選択しましょう。
粒度と形状で選ぶ
コンパウンドを選ぶポイントには、大きく分けて「粒度」と「形状」があります。
粒度(粒子のサイズ)
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「粒度」は研磨剤粒子の粗さによって分かれていて、商品には「細目 粒子サイズ1.0ミクロン」「超微粒子 粒子サイズ0.5ミクロン」などと表記されています。基本的に粗い目のものほど削る力が高く、細かい目のものほど削る力が弱くなります。
粒子の粒度の値に関しては、ヤスリと同じ考え方だと理解すると分かりやすいでしょう。粒度が粗いものは深い傷に向いており、細かいものほど浅い傷に向いているため、「超微粒子」のものはツヤ出しに使用することが多いです。
形状(ペーストか液体か)
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研磨剤の粒子が大き目のものはペースト状、細かくなるほどリキッド状に近くなり、その形状は作業効率に関わってきます。特徴としては、ペーストタイプは粘度が高く車体に張り付くので作業がしやすいですが、広がりづらいというデメリットがあります。一方、液体状のものは広がりやすいですが、粘度が足りずに流れやすくなります。
用途で選ぶ
対応する傷に合わせたコンパウンドを選ぶために、作業シーンを3つご紹介します。
車体の側面についた傷を取り除く
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車体の側面についた傷は、コンパウンドを広げた際に流れ落ちないようにペーストタイプの利用がおすすめです。ペーストタイプは流れ落ちにくい反面、車体に広がりにくい性質を持っているのでスポンジを使ってしっかり傷を研磨しましょう。粒度は傷の深さにもよりますが、10~1マイクロメートルの粒度を使用すると綺麗に傷を削ることができます。
ペースト状のコンパウンドは流れ落ちにくいために、手作業でしっかり拭き取りましょう。
車体のボンネットについた傷を取り除く
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車体のボンネットについた傷はコンパウンドを広げやすい液体状の利用がおすすめです。側面側ではすぐに流れ落ちてしまいましたが、ボンネット状では液体は止まるので作業効率の向上が見込めます。粒度はペースト状と同じく10~1マイクロメートルの粒度を使用すると傷を削りやすくなります。
液体状はペースト状よりも作業が行いやすく、力加減の調整が行いやすいメリットがあります。デメリットとしては液体は気温によって蒸発するので短時間での作業を意識しましょう。
車についた錆を取り除く
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車についた小さな錆や微妙な傷を取り除くには、満遍なくコンパウンドを広げられる液体状の利用がおすすめです。錆や小さく微妙な傷は広範囲に広がっている場合があるので、液体状であれば作業効率が向上します。粒度は2~1マイクロメートルほどで充分な研磨が行えます。
錆や小さな傷に対しては粒度の細かいコンパウンドを利用することで、車体を削る場所を最小限に留めることがポイントです。
鏡面仕上げの磨き上げ
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コンパウンドは、磨き上げに使用できる粒度の細かいタイプも豊富です。その場合の粒度は、超微粒子や微粒子など細かいものを選びます。磨き上げで使用される粒度は非常に細かくなり、0.5~0.1マイクロメートル程の粒度となります。この値の粒度になると、傷を削ることは出来ませんが、研磨によりツヤ出しなどを行えます。
油性か水性かで選ぶ
磨き上げで使用するコンパウンドには、水性と油性があります。水性は水分を多く含んでいる分、研磨材の滑りがよく、効率の良い作業を行えます。油性は油分が多い分、研磨剤の滑りが悪く作業効率は水性と比べて向上しませんが滑らないことを生かして慎重な作業に適しています。
磨き上げに合わせたコンパウンドを選ぶために、作業シーンを3つご紹介します。
錆や微傷の仕上げを行う場合
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錆や微傷の修繕作業の仕上げには水性のコンパウンドの利用をおすすめします。錆や微傷では元々粒度の高い研磨剤で作業を行なっているため、研磨用のコンパウンドで作業を行なっても見栄えがあまり変わらない場合があります。すでに粒度の高い研磨剤で磨いている状態なので、仕上げは軽く済ませると良いでしょう。
錆や微傷の場合は使用粒度に0.2~0.1マイクロメートルの研磨剤を利用すると良いでしょう。使用の前後では細かく見ないと違いがわからない場合があります。
傷を研磨してしっかり仕上げを行う場合
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傷の研磨後にしっかりと仕上げを行う際は、油性のコンパウンドの利用をおすすめします。前段階で10~1マイクロメートルの研磨材で作業を行なっていた場合は、仕上げとして更に細かい0.2~0.1マイクロメートルの粒子で研磨を行うと綺麗な仕上がりを期待できます。油性を使用することで、作業効率は落ちますが部分的にしっかり研磨することができます。
粒度の粗い研磨剤を利用した場合の仕上げには、前工程より粒度の細かい研磨剤を利用することで仕上がりが大きく変わります。
研磨後にツヤ出しやワックス処理を行う場合
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傷の研磨後にツヤ出しやワックス処理を行う場合は油性のコンパウンドの利用をおすすめします。油性製品の中にはあらかじめツヤ出しやワックス処理ができるタイプがあるので、ご自身の車体にあった仕上げ処理を行いましょう。研磨剤については0.2~0.1マイクロメートルの粒度が細かいものを使用してしっかり仕上げ処理を行いましょう。
研磨後の仕上げ処理を行いたい場合は、購入する製品の特性をしっかり把握することが必要です。
コンパウンドのおすすめ人気ランキング6選
こちらでは作業シーン別にコンパウンドのおすすめ商品をご紹介します。
1位 SOFT99 液体コンパウンドトライアルセット

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粒度:ー
初めてコンパウンドを使用しての作業用
初めてのコンパウンドを使用した作業におすすめの商品です。セット商品になっているので、買い忘れや作業もれを心配せず安心して作業を行う事ができます。傷を研磨する用、仕上げ用、コーティング用が付属になっていて、1つの商品でひと通りの作業をこなせます。
初めてコンパウンドを使用する方におすすめの商品です。1本あたりの容量は80mとなっているので小さな傷であれば充分に対応できます。
2位 ソフト99 補修用品 超ミクロンコンパウンド液体セット

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粒度:-
微傷や水垢を取りつつ、鏡面コーティング作業用
微粒子の研磨剤と鏡面コーディング剤が合成している商品です。研磨して取り除くほどではない微傷や水垢を取りつつ鏡面コーティングを行いたい方におすすめの商品です。スポンジも付属になっているので、これ1本で作業を完結する事ができます。内容量も250mlなので余裕を持って使用できます。
気になる傷はないものの、コーティング作業ついでに微傷や水垢を取り除きたい方におすすめの商品です。
3位 3M コンパウンド 目消し肌調整 ハード

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粒度:極細目
研磨後のツヤ出し仕上げ作業用
研磨後の仕上げ作業に使用するコンパウンドです。研磨粒子が極細目のために仕上げ研磨に使用すると車体にツヤを出す事ができます。水性タイプなので時間の掛かる仕上げ作業の作業効率を高めるだけでなく、研磨時に均等に磨ける性質を持っているために綺麗な仕上がりを期待できます。
仕上げ作業で車体にツヤを出したい方におすすめの商品です。水性タイプは油性よりも消耗が早いのが難点ですが、750mlの容量があるので安心して使用できます。
4位 Meguiar ‘s M85 ミラーグレーズ ダイヤモンドカットコンパウンド2.0

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粒度:3mm
車体についた傷をしっかり研磨する作業用
傷をしっかり研磨する工程を行う作業に使用できるコンパウンドです。研磨剤の粒度は3マイクロメートルと荒くも細かくもなく、ちょうど良い粒度で研磨を行う事ができます。傷の量によっては大量のコンパウンドが必要になりますが、商品容量も大きく1本あると業務で使用しない限り困らない量です。
傷の研磨作業から行う方におすすめの商品です。研磨剤の粒子は3マイクロメートルなので、研磨後は仕上げ研磨とコーティング作業は必須です。
5位 MOTHERS マグ&アルミポリッシュ

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粒度:-
アルミ部分のパーツを研磨する作業用
アルミ、スチール、ステンレス、真鍮製パーツを使用している車体に使用できるコンパウンドです。通常のコンパウンドでは粒子の荒さでアルミやスチール部分に傷を付けてしまいますが、専用の研磨剤を使用することでパーツに付着した汚れや傷を落とせます。
二輪車やアルミパーツを含む自動車をメンテナンス作業する方におすすめの商品です。通常の車用の研磨剤では対応外の素材に使用すると傷を付けてしまうので、必ず用途にあった素材を選択しましょう。
6位 ユニコン 超極細コンパウンド

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粒度:-
ヘッドライトの曇り取り作業用
超極細コンパウンドのために、ヘッドライトなどの通常のコンパウンドでは傷をつけてしまうパーツにも使用する事ができます。車体と同じようにヘッドライトも傷が付いてしまったり、長期間の使用で曇りが入ってしまった場合にも対応する事ができます。容量が200g程度となっているので、部分的に使用する量となります。
ヘッドライトの傷や曇りを取る作業におすすめの商品です。超極細コンパウンドタイプはヘッドライト以外にも傷がつきやすいパーツを磨くことが出来るために重宝します。
おすすめの商品一覧
製品 | 最安値 | 評価 | リンク |
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![]() SOFT99 液体コンパウンドトライア……
1
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1,085円 |
4.27 |
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![]() ソフト99 補修用品 超ミクロンコン……
2
|
530円 |
3.95 |
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![]() 3M コンパウンド 目消し肌調整 ハ……
3
|
2,750円 |
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|
![]() Meguiar ‘s M85 ミラーグレーズ ダ……
4
|
16,400円 |
|
|
![]() MOTHERS マグ&アルミポリッシュ
5
|
1,111円 |
4.35 |
|
![]() ユニコン 超極細コンパウンド
6
|
858円 |
4 |
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コンパウンドでは隠せないギズについて
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コンパウンドを利用しても隠すことのできない傷はもちろんあります。コンパウンドは車体にできた傷自体を研磨、削り取ることにより傷を隠しています。しかし、車体にできた傷が深い場合はそもそも削っても隠せません。
車体は金属性のボディーで作成されていますが、車体のボディーにはそれぞれ階層が別れています。もっとも厚いボディー本体と車体を塗装することで作成される層、塗装コーティングをすることで作成される層の約3層です。
この3層の中でコンパウンドで隠せるのは、塗装の層までが限界です。層間同士の間は非常に狭いため、コンパウンドで隠せる傷は植物などが原因の擦り傷や駐車時に接触で出来た比較的小さな傷が限度です。
まとめ
自動車の傷を隠すことのできるコンパウンドについて、選び方とおすすめ商品を紹介しました。コンパウンドは研磨剤ですが、対応する傷により形状や粒子精度などを把握する必要があります。
コンパウンドの特性と作業を行う傷について把握することで、作業後の仕上がりを理想的な状態にすることが可能です。今回の記事を参考にご自身の愛車についた傷を削り取り、綺麗な仕上がりを期待して作業に取り掛かってみてください。