クロスローラーとは、壁紙・クロスをきれいに貼るための圧着工具です。押さえローラーや壁紙ローラーと呼ばれることもあり、撫で刷毛やヘラと並んで壁紙をしっかり接着させるために使われます。
アサヒペンや大田製作所、極東産機などのメーカーからはさまざまなサイズ・素材の製品が販売されています。DIYであればクロスローラーを1本持っていれば足りるものですが、仕事で使うのであればサイズや素材ごとに使い分けた方がよいでしょう。それでは、クロスローラーの選び方とおすすめの製品をご紹介いたします。
クロスローラーの使い方
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壁紙をしっかりと下地に圧着させ
、接着剤となっている糊を均一に広げることが目的のクロスローラー。壁紙は裏面に糊が塗られていて貼り付いていますが、上から押さえなければ浮きが生じてしまいます。とくに壁端・隅や巾木付近、壁紙同士のジョイント部分は浮きからの剥がれが起こりやすいので、ローラーでしっかり圧着させましょう。
クロスローラーは、壁紙端の糊付け部分に沿わせて、上から下、または左から右といったように一定方向へと動かします。同じところを何度も往復させる動きは壁紙表面を傷め、動いてズレてしまうこともあるので避けましょう。
また、壁紙の中央から内側へと動かすとクロスが伸びて、後で収縮してくるうちに隙間ができてしまいます。壁紙の皺を伸ばしたり、空気を抜きたりといった目的であれば撫でハケを使ってください。クロスローラーはあくまでも壁紙端の糊付けをもれなく行うのに適しています。
クロスローラーの選び方
クロスローラーを選ぶポイントは、用途・素材・軸形状・機能の4点です。簡単に商品選びをするのなら用途から大きさを選び、使用する壁紙からローラーの素材を選んでいくことをおすすめします。
用途からローラーの大きさを選ぶ
クロスローラーは、ローラー部の大きさによってジョイントローラー・ワイドローラーの2つに分けられます。2枚の壁紙の継ぎ目をきれいに接合させる用途ならジョイントローラー、広い平面に貼った壁紙を圧着させるならワイドローラーを選ぶとよいでしょう。
継ぎ目用のジョイントローラー
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ジョイントローラーはローラー部が小さく、壁紙の継ぎ目部分を接着したり、破れた箇所を補修したりといった用途に便利です。ローラー幅は30~45mm程度が多く見られ、力をかけやすいためジョイント部分を圧着して隙間が生じないように施工できます。
ジョイントローラーが便利なのは、やはり小さな破れの補修や巾木付近を圧着していくときです。また、壁紙ジョイント部を重ねてから切断するあい裁ちは、糊付け幅が狭いのでジョイントローラーでも十分こなせます。力をかけやすいのはメリットですが、あまりつよく押し付けて壁紙を破ったり、歪めたりしないようにしましょう。
大きな壁紙に使いやすいワイドローラー
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ローラー幅が50~75mm以上と大きく、一度に広い範囲を圧着できるタイプです。とくに2枚の壁紙を突き合わせてジョイント部を綺麗に見せる突き付けという工程では、左右の糊付けを一度にできるメリットを持ちます。慣れていないと扱いづらいものの、ジョイントローラーよりも素早く作業することが可能です。
ただし、ローラー幅がある分だけ力が不均等になりやすい点には注意してください。使いやすいのは障害の少ない平場の壁で、入隅・出隅や幅が狭い壁の処理には不向きです。
ローラー部の素材から選ぶ
ローラー部には樹脂・ゴム・スチールのどれかが素材として使用されています。素材によっては向いていない壁紙があるため、壁紙選びと並行して考えてみてください。
クロスを傷つけにくい樹脂
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樹脂製ローラーは、クロスローラーの中でポピュラーなタイプです。重量が軽いため作業がしやすく、滑らせるように転がして圧着させられるので、プロの職人にも使用されています。
ウレタンやジュラコンなどの樹脂素材はあたりが柔らかく、壁紙表面にある凹凸を潰さずに圧着ができます。壁紙の主流となっているビニールクロスとの相性がよいのも人気の理由でしょう。
圧着性が高いゴム製
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ゴム製ローラーは壁面にしっかりと密着するため、圧着性が高いのが特徴です。樹脂に比べると重みがあるのは作業の上で難点ですが、布クロスや木質系クロスを貼る際に重宝します。丈夫なクロス類とは相性がよいと考えてよいでしょう。
一方で、紙・ビニールのように破れやすい素材のクロスとは相性がよくありません。ゴムは摩擦係数が高いため、クロスを押さえたまま少し下へ転がしたら破れてしまった、というケースも起こり得ます。
また、ゴムは劣化しやすいため、使う前にはローラー表面が溶けていないか、汚れていないかを確認しましょう。
傷のつきにくい素材に使いやすいスチール製
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重みのあるスチールがローラーに使用され、クロスをしっかりと圧着させられます。持ち重りがするため長丁場の作業や上向きへのクロス貼りには向きませんが、木質系のような硬さがある壁紙を貼るのにピッタリです。
なお、表面に凹凸で模様が刻まれている壁紙の場合は、段差を潰して質感を損ねてしまうので使用は避けてください。
軸タイプから選ぶ
軸タイプは片軸タイプ・両軸タイプの2つです。使いやすさを求めるなら片軸タイプ、力を均一にかけて転がしていくなら両軸タイプを選びましょう。
巾木や窓付近の壁紙に使いやすい片軸タイプ
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軸がローラー片側にのみついているタイプです。ローラーを転がしていくときに軸が干渉することが少なく、段差のある巾木やスペースに余裕がない角にも使えます。その利便性からクロスローラーの多くが片軸タイプです。
普通に押し付けていくと軸に支えられていない側が浮き上がりやすいので、軸のない側へ少しだけ傾けるように使いましょう。軸のない側に向かってローラー部が広がっているテーパーローラーであれば、比較的均一に力をかけられます。
力が均等に伝わる両軸タイプ
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ローラー部が大きいワイドサイズローラーでよく採用されるタイプです。ローラーを貫通している軸が両側から固定されているため、均一に力をかけて圧着ができます。
軸の金具が干渉しやすいので巾木や角の壁紙には使えませんが、2枚の壁紙のジョイント処理であれば問題なく行えます。
機能・付属品から選ぶ
クロスローラーの機能ではベアリング入り・アングル軸といったローラー部に関連するものが見られます。また、補修作業に使う道具が欲しいなら付属品セットを選ぶのがおすすめです。
回転をスムーズにするベアリング入り
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ローラー内部にベアリングを入れている製品は、とても滑らかに回転させることができます。動かしても軸受けがキコキコと鳴らず、幅のある壁紙を圧着させていくローラーなら持っておきたい機能です。軸受けの摩擦が少ないことにより、ローラーとしての寿命も長くなっています。
押さえやすいアングル軸
一般的なローラーは、ハンドルからまっすぐ伸びた軸によってローラー部が固定されています。この軸に角度がついて、手に持ったときにローラー部が前へとせり出しているのがアングル軸です。
アングル軸を採用しているローラーは、壁面に対して平行に構えてもハンドルを握るスペースがあるため、正確なクロス貼りができるようになります。前側へとせり出している分だけ押し付ける力が強くなり、作業にかける労力が少なくなる点もメリットです。
補修材や糊付けキットなど付属品セット
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DIYで壁紙補修に初めて挑戦する方は、クロスローラー以外にどういった道具を用意すればよいのか検討もつかないでしょう。そんな時にはローラー・壁紙の補修材・プラスチックヘラ・ハケがセットになった製品を手に取ることをおすすめします。一度で必要アイテムが揃うので、製品がとどけばすぐに壁紙を補修できます。
ただし、補修材は小さな破れを数回分なおせる程度しか入っていないことに注意してください。本格的な貼り直しに使用するなら別途に糊を用意する必要があります。
クロスローラーのおすすめ人気ランキング10選
クロスローラーの中でも人気の商品を10個ご紹介します。ローラーの見た目だけでなく、平場の壁だけに貼っていくのか、入隅・出隅がある場所にも貼るのかといったことも考えながら選んでみてください。
1位 ハウスボックス クロス職人 ローラー

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重量:90g
本体形状:ジョイントローラー
素材:樹脂
軸タイプ:片軸タイプ
価格の安いDIY向けローラー
握りやすいハンドル形状のジョイントローラーです。ローラー幅が狭いので小さな破れ目の補修から、壁紙の継ぎ目を圧着する用途までさまざまな使い方ができます。
2位 シティア ウレタンローラー #30 40x40B 中

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重量:190g
本体形状:ジョイントローラー
素材:樹脂
軸タイプ:片軸タイプ
機能:ー
壁紙の質感をそのままに貼りたいときに便利
壁紙を傷めにくいウレタン樹脂を使用しています。柔らかく破れやすい紙クロスはもちろん、凹凸の質感を残したい壁紙を貼るときにも重宝するでしょう。ハンドルは高級感のあるイタヤ材を使用し、指が滑らないように後部にすぼまりを設けています。
3位 アサヒペン カベ紙押さえローラー 978

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重量:136g
本体形状:ワイドローラー
素材:樹脂
軸タイプ:片軸タイプ
機能:ベアリング入り
ベアリング入りのワイドローラー
ローラー幅が広めの製品で、2枚の壁紙を突きつけで貼ったときに一度で圧着させることができます。ベアリング入りなのでスムーズに転がすことができるのもポイントです。
なお、ローラー部にのりがついた場合には、布で拭き取るようにしてください。水洗いをすると内部のベアリングが錆びる可能性があります。
4位 SK11 内装用プラスチックローラー ロング

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重量:191g
本体形状:ワイドローラー
素材:樹脂
軸タイプ:片軸タイプ
ワイドサイズで平場のクロス貼りに使いやすい
ローラー幅が75mmもあり、大きい壁紙をしっかり貼り付けるのにピッタリな製品です。ハンドルはくびれに指をかけて持ちやすく、紐を結べば吊り下げ収納もできます。幅が広いので床材貼りに使うのもよいでしょう。
5位 SK11 内装用スチールローラー 40mm

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重量:450g
本体形状:ジョイントローラー
素材:スチール
軸タイプ:両軸タイプ
機能:
床板貼りや自転車のパンク修理にも使える
スチール製のローラーを両軸で押さえていて、とても頑丈にできています。クロス貼りだけでなく、タイル貼りなどの他作業にも使える製品です。
重量が450gもあり、全ての作業をこなすローラーとしては向いていません。クロス貼りなら、重さがあって強く貼り付けたい壁紙のときに使うのがおすすめです。
6位 壁紙用ローラー ステンレスシームローラー

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重量:222g
本体形状:ジョイントローラー
素材:スチール
軸タイプ:片軸タイプ
機能:ベアリング入り
ステンレス材から作られたジョイントローラー
すべり止めの模様が刻まれた長いハンドルも含めて、全体をステンレスで作られているのが特徴的な製品です。ベアリング入りなのでスムーズな回転が期待できます。
ただし、ローラー部以外の金属部品にはバリが多いとのことです。そのまま使用するとクロスを傷つける可能性があるため、バリの出ている箇所を軽く研磨しておきましょう。
7位 クロス補修ツール CH-01

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クロス補修に必要な道具類のセット
接着剤を塗りこむハケ、余分な接着剤をとるヘラ、そしてローラーがセットになっています。糊は別に用意する必要があるものの、ちょっとした補修に使うなら十分な付属品です。
8位 クロスのはがれ補修セット CR-01

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重量:105g
本体形状:ワイドローラー
素材:樹脂
軸タイプ:片軸タイプ
機能:付属品セット
破れた箇所を補修できる道具の3点セット
専用ノリ・小型ハケ・ローラーの3点がセットになっています。この製品が1つあればクロスの破れを簡単に補修できるので、DIYでの補修作業に初挑戦する方におすすめです。なお、ボンドが白いため、壁紙の色によっては補修跡が目立ちやすい点に注意してください。
9位 ハウスボックス クロス職人 はがれ補修キット 50ml

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重量:181g
本体形状:ジョイントローラー
素材:樹脂
軸タイプ:片軸タイプ
機能:付属品セット
補修跡が目立たないと好評の製品
ボンド・ヘラ・ローラーのセット商品です。ボンド容器はハケ付きキャップとなっているため、使い終わった後にハケを洗う手間がいりません。透明ボンドのおかげで補修した箇所が分からないくらいキレイに貼れた、と良い評価が多く見られます。
10位 アサヒペン 貼り道具セット 943

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重量:340g
本体形状:ジョイントローラー
素材:樹脂
軸タイプ:片軸タイプ
機能:付属品セット
付属品が充実している壁紙貼りセット
塗装用品類の製造・販売を事業としているアサヒペンのクロス貼り道具セットです。内容はおさえヘラ・ステンレスカット定規・壁紙カッターナイフ・おさえローラーの4つなので、あとは糊と壁紙を用意すればクロス貼りに挑戦できます。
壁紙貼り初心者に便利なセット商品ですが、カッターナイフはあまり切れ味が良くないと評価されています。カッターだけは別に用意した方がよいかもしれません。
おすすめの商品一覧
製品 | 最安値 | 評価 | リンク |
---|---|---|---|
![]() ハウスボックス クロス職人 ローラー
1
|
394円 |
4.3 |
|
![]() シティア ウレタンローラー #30 40……
2
|
2,425円 |
|
|
![]() アサヒペン カベ紙押さえローラー ……
3
|
402円 |
4.1 |
|
![]() SK11 内装用プラスチックローラー ……
4
|
943円 |
|
|
![]() SK11 内装用スチールローラー 40mm
5
|
1,277円 |
4.1 |
|
![]() 壁紙用ローラー ステンレスシーム……
6
|
890円 |
3.2 |
|
![]() クロス補修ツール CH-01
7
|
318円 |
4 |
|
![]() クロスのはがれ補修セット CR-01
8
|
426円 |
4.27 |
|
![]() ハウスボックス クロス職人 はがれ……
9
|
678円 |
4.2 |
|
![]() アサヒペン 貼り道具セット 943
10
|
733円 |
|
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まとめ
クロスローラーは糊の不均等をなくして、壁紙を下地にしっかりと貼り付けるために使います。ローラーの大きさ・素材・軸などのポイントを見て、作業に見合った製品を選ぶようにしてください。
近年の壁紙は軽量で貼り替えがしやすいビニールクロスが主流なので、樹脂製のクロスローラーがおすすめです。また、壁紙の破れや補修だけをするならジョイントローラーでも十分ですが、貼り替えを全て自分でやるならワイドローラーも揃えておいた方がよいでしょう。