スタッフはロッドや標尺と呼ばれることもある大きな定規のことです。シンワ測定、マイゾックス、ムラテック、大平産業などのメーカーの製品があります。
スタッフの見た目はただの大きな定規ですが、あえてスタッフを選ぶ理由はどこにあるのでしょうか。スタッフの用途を確認し、スタッフの素材の違い、用途の違い、段数の違いからスタッフの選び方と、スタッフのおすすめ人気ランキングをご紹介します。
8年間工事現場の監督経験がある筆者が、現場の状況を意識しておすすめ商品を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
スタッフの用途
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スタッフとはなにかと聞かれると、標尺と答えるのが一般的です。標尺がわからない方のために説明すると、水準測量でレベルを計測する時に、レベルの先で棒を持ってる人がいますが、その棒がスタッフです。
簡単に言うと、大きな定規です。測りたい場所にスタッフを立ててレベルから数字を読んで、その場所の高さを測ります。スケール(巻尺)を当ててレベルを見たりもしますが、スケールだと遠くから見ると小さくて正確な寸法が見えないこともちらほらあります。
そのため遠くからでも正確に寸法を把握したり、遠くからでもはっきりと寸法の違いがわかるようにキリの良い数字のところでわかりやすく色分けなどがされており、アルミ製のものや木製のものなどがあります。
工事写真で一緒に撮影する大きな定規もスタッフです。ロッドと言ったりもします。工事写真だと小さな定規では寸法があっているか確認できませんので、写真を一目見ただけで寸法が合っていることを確認できるようにスタッフを使用します。配筋写真撮影ではふにゃふにゃしたリボンロッド(リボンテープ)を使用することもあります。
スタッフの選び方
スタッフは見た目の似ている、様々な種類のものがありどれを選べばよいのか悩んでしまうことも多いかと思います。そこで、スタッフの選び方のポイントを確認しておきましょう。
スタッフの選び方には主に3つあります。素材でスタッフを選ぶ、用途でスタッフを選ぶ、段数でスタッフを選ぶの3つです。順番に選び方を見てみましょう。
素材でスタッフを選ぶ
素材でスタッフを選ぶときのポイントは、精度と重さです。
ここではアルミ製、ガラス繊維製、木製のスタッフについて説明します。先に結論を言うと、持ち運びが多い方はガラス繊維製やアルミ製を選ぶと良いでしょう。高い精度を求められる場合は木製が良いでしょう。
それでは、それぞれの素材ごとにスタッフの特徴を見てみましょう。
アルミ製のスタッフ
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アルミ製のスタッフはとても一般的なものです。素材としても軽いので持ち運びにも便利です。比較的手に入りやすい素材なので、価格も安価です。
ただ、アルミは熱膨張係数が高く、日に当たってたりして温度が変化すると、アルミが伸びて寸法が狂います。1㎜もずれては困るといった、精度の良い測定には向かないでしょう。
ガラス繊維製のスタッフ
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ガラス繊維製のスタッフは軽くて丈夫です。耐薬品性に優れているため、特殊な環境下でも使用されます。絶縁体でもあるため、電気が近くで流れているような危険な箇所の測定にも使用されます。
温度が変化したり日が当たっても大きく伸縮したりせず寸法は安定しているので、安心。耐食性も優れていてかなり万能な素材です。
主にリボンロッド(ロッドテープ)として使われています。リボンロッドはふにゃふにゃして柔らかいです。丸めることが可能で、かなり小さくなるので持ち運びは非常に便利です。
木製のスタッフ
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木製のスタッフはアルミ製のスタッフと違って、熱伸びの心配はほぼありません。振動も吸収してくれるので、精度の良い測量にピッタリです。ただ、木製のため少し重たいので、持ち運ぶには不向きかもしれません。
持ち運びが多い方はガラス繊維製やアルミ製を選ぶと良いでしょう。レベルの三脚も良いものは木製ですから、高い精度を求められる場合は木製が良いでしょう。
用途でスタッフを選ぶ
用途でスタッフを選ぶ時のポイントは、主に精度と持ち運びやすさです。
ここでは、配筋写真撮影、土工事などの工事写真撮影、水準測量の用途でスタッフの選び方を説明します。それぞれの用途でどのようなスタッフが使いやすいのでしょうか。
ではそれぞれの用途ごとにスタッフの特徴を見てみましょう。
配筋写真撮影時のスタッフ
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配筋写真撮影の時はアルミ製のスタッフを二つ使用して金具で連結したクロスロッドが便利です。柱の配筋写真撮影、床の配筋写真撮影、梁の配筋写真撮影は2m×2m程度で概ね網羅できます。大型の建設工事現場では基礎梁が大きく7m程度必要になることもあります。
一般的に配筋写真の時はリボンロッドが使用されることが多いです。ですが、セッティングしている時に梁型枠の底に落としたりすると、拾い上げるのに非常に苦労するので注意しましょう。
セッティングするのも慣れが必要なので、おすすめはクロスロッドです。スタッフをX方向、Y方向に二つ並べるだけでもとても楽です。
土工事などの工事写真撮影時のスタッフ
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土工事などの工事写真撮影に使用する際はリボンロッドが良く使用されます。多段式の伸縮性のスタッフだと砂が詰まって動きにくくなったり、傷がついて塗装が剥げ数値が見えにくくなったりします。
リボンロッドでも軽巻ケース付きのものが巻く時間を短縮できて良いでしょう。
水準測量時のスタッフ
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水準測量で使用する時は5mのアルミ製3段継ぎで伸縮するものがおすすめです。5mの一本ものだと非常に持ち運びが不便ですので、伸縮するものか折りたためるものがおすすめです。
電線など気にする必要が無ければ伸縮しなくても良いかもしれませんが、車に乗せるのも大変なので、伸縮するものが便利です。5mの4段継ぎは車に横に置くことができます。5mの3段継ぎは車に縦にしか入りません。
5mもあればそんなに困ることはありませんが、急傾斜地の測量に当たると7mや10mのものの方が使い勝手が良いです。
段数でスタッフを選ぶ
段数で選ぶ時のポイントは、3つです。持ち運べる長さになるかどうか、組み立てが簡単かどうか、段数が多いと精度が狂いやすくなるという点です。
ここでは、1段(1本もの)のスタッフ、2段(折り畳み、2段継ぎ)のスタッフ、3段以上のスタッフの選び方を説明します。長さによっては縮んだり折りたたんだりして持ち運びがしやすいよう工夫されているものもあります。
段数によってそれぞれどのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか。ではそれぞれの段数ごとにスタッフの特徴を見てみましょう。
1段(1本もの)のスタッフ
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1段(1本もの)は組み立てる必要が無いのですぐに使えて便利です。組み立てる必要が無いというのは、多段式のスタッフを使うと思うのですが、ストレスフリーです。
長いものだと持ち運びに苦労するので、長くても2m程度までにしておくと良いでしょう。
2段(折り畳み、2段継ぎ)のスタッフ
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二つ折りは組み立ても楽です。3m程度のものであれば、折りたためば1.5mになるので持ち運びには苦労しません。それより長いものが必要な場合は3段継ぎ、4段継ぎが必要です。
折り畳み式の良いところは、折りたたんだ時に自立させて使うことができるという点です。スタッフを立てかける場所がなかったり、一人で使う時はとても便利です。
3段以上(3段継ぎ、4段継ぎ、5段継ぎなど)のスタッフ
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3段継ぎ以上のものは5mから10mのスタッフを使う時に選びます。縮めたときに1mから1.5m程度になるものが持ち運びやすいです。車で運ぶ時も2m以下でないと積むのが大変です。
5段継ぎのスタッフだと継ぎ目が4個あるので、それだけ精度が狂いやすいということでもあります。
縮めた時に持ち運びに無理の無い2m以下の長さで、段数は3段程度の少なめに抑えることで、精度と利便性のバランスを取ることができるでしょう。
スタッフのおすすめ人気ランキング7選
スタッフは見た目は似ていても様々な種類があり、どれを選べばよいのか悩んでしまう方のために、スタッフの選び方のポイントを確認しました。
実際にどのような商品があるのか気になっているという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ここからは具体的な商品をランキング形式でご紹介いたしますので、気になる商品を探してみてください。
1位 シンワ測定 アルミスタッフ

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段数:5m×5段
用途:測量
測量用品専門店が自信を持ってオススメ
表面の目盛が5mm/10mmで裏目盛が検測目盛・ロッド目盛(1段目のみ)になっています。うれしいのが収納ナイロン袋付きなところ。
測量用品専門店が自信を持ってオススメしているので使い勝手は良いです。「デザイン」「耐久性」「精度」「見やすさ」この全てを兼ね備えた≪抜群≫に使いやすいアルミスタッフ。
各段すべてに共通ボタンを使用しているのでアフターケアにも優れたアルミスタッフです。
2位 タジマ ミニスタッフ msf-30

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段数:3m×3段
用途:測量
3通りの使い方が可能
表面目盛でレベル出し、裏面目盛で内のり測定、当て尺と3通りの使い方ができます。
目盛はミリ単位表示で正確、ネジは脱落防止式、泥や砂の排出口付です。裏面は内のり測定目盛がついていて便利です。
精度が±{1.0+(L-1)mm} L=測定長(m)なので結構精度良く測れます。サイズは幅40×高さ1085×奥行220mmで持ち運びもかなりしやすいですし、重さも720gなのでこのサイズでは相当便利です。
3位 ムラテックKDS K型アルミスタッフ K542W

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段数:5m×4段
用途:測量
計測・記録写真などのあらゆる用途で大活躍
幅が47mmと細めです。全縮時も1402mmと便利な寸法。1m単位に黄・白で色分けされてるのでわかりやすく、表目盛:5mm単位 10mm単位追番数字なのでそこそこの精度です。
裏目盛は50・100mm単位なのでそこは少し懸念点かもしれません。
4位 タジマ ハイスタッフ HSF-33

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段数:3m×3段
用途:測量
軽くて水に強く、耐久性抜群
伸長時のガタつきがないので常に高精度です。表面目盛は1mごとに読みやすい黄白色別を採用し、5mmピッチ目盛および、10mmごとの直読数字も入っているので見やすいです。
幅は55mmで普通ですが、全縮時は1181mmで持ち運びは便利です。重さはちょっと思い1.2kgですが、許容範囲でしょう。
5位 マイゾックス マイスタッフ MST-33

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段数:3m×3段
用途:測量
日本で最初にアルミスタッフを開発したマイゾックス社製
全縮時で1146mmととても持ち運びやすいです。幅は46mmと少し細め。表目盛は5mm・10mm単位なので精度はそこそこですが、1mごとの黄白表示で見やすくなってます。
6位 シンワ測定 アルミスタッフ 76930

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段数:5 m×4段
用途:測量
一般的なアルミスタッフ
全縮時のサイズは1495×50×27mmとなり、持ち運びやすいです。精度も1mで、誤差プラスマイナス3mmなので使い勝手が良いです。
7位 マイゾックス ニューアルロッド N-150

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段数:1.5m×1段
用途:現場工事写真記録用
検測ロッドの交換用として利用可能
ロッド幅が60mmで、厚さが6mmなので一般的な検測ロッドと同じ寸法で、すり減ったロッドの交換用に便利です。
おすすめの商品一覧
製品 | 最安値 | 評価 | リンク |
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![]() シンワ測定 アルミスタッフ
1
|
3,780円 |
3.17 |
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![]() タジマ ミニスタッフ msf-30
2
|
3,815円 |
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|
![]() ムラテックKDS アルミスタッフ
3
|
3,609円 |
|
|
![]() タジマ ハイスタッフ HSF-33
4
|
4,247円 |
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|
![]() マイゾックス マイスタッフ MST-33
5
|
3,743円 |
|
|
![]() シンワ測定 アルミスタッフ 76930
6
|
5,019円 |
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|
![]() マイゾックス ニューアルロッド N-……
7
|
1,658円 |
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まとめ
本記事ではスタッフの用途を確認し、スタッフの素材の違い、用途の違い、段数の違いからスタッフの選び方と、スタッフのおすすめ人気ランキングをご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。
持ち運びの便利さや用途、精度など様々な要因でスタッフを選ぶ必要がありますので、ぜひご自身にぴったりのスタッフを見つけてください。