建築現場や工事現場で使用されるモルタルミキサー。モルタル撹拌機という名称もあり、トロ箱にセメント・砂・水を入れてハンドミキサーで練るよりも簡単にモルタルが作れます。栄和機械工業やマゼラーなど、撹拌機製造を主力事業としているメーカーの製品が人気です。
モルタルミキサーを選ぶときには、どのような選び方の基準があるのでしょうか。用途から選び方まで見ていき、使用目的に合った製品を探してみてください。
モルタルミキサーの用途
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モルタルミキサーは、セメント・砂・水の混合物であるモルタルを作るための道具です。セメントや砂を入れるドラムと、混練するための攪拌羽根、羽根を動かす機関部のモーターから構成されています。
モルタルミキサーでは、セメントと水を混ぜるノロや農業肥料なども作れます。ただし、コンクリートの混練には不向きです。
モルタルとコンクリートは似ていますが、コンクリートは材料に砂利をプラスして強度を増しています。口が上向きのモルタルミキサーでは羽根の攪拌力が足りず、モーターの焼き付きから故障を起こしかねません。コンクリート作成では口が斜め上を向いたポットミキサーが使われます。
モルタルミキサーの選び方
モルタルミキサーの選び方を、混合量・電源形式・機能面から見ていきます。おすすめは、作業に合わせた混合量で見ていく選び方です。作業員の数や作業現場を想定しながら考えていきましょう。
混合量で選ぶ
最初に考えたいのが、モルタルの最大混合量です。モルタルは大量に作ればいいわけではなく、最適な量を作って乾燥しないうちに使わなくてはいけません。使用目的・作業者の数に合わせて混合量を決めてください。
左官に適した1.5切(約45L)のもの
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1.5切はモルタルミキサーの中でかなり小型ですが、DIYや軽い左官作業なら十分なサイズです。40Lあれば4段積みのレンガで2m分程度、地面のならしに使うなら厚さ4cmの1平方メートル分程度になります。
モルタルミキサー本体の重量は50kg前後くらいです。タイヤが付いていれば移動は難しくありません。
タイル用モルタルに適した2.0切(約60L)のもの
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2.0切はタイル貼りに適したサイズです。タイル貼りでは下地用・貼り付け用のモルタルが必要で、意外と多くのモルタルを使います。2.0切りならおよそ6~8平方メートル程度の面積を貼れるでしょう。
モルタルミキサー本体の重量は60kg超となってしまい、タイヤや補助輪が付いていないと移動が大変です。サイズもバンに乗せられるくらいのものを選んだ方がよいかもしれません。
固いモルタル作りが可能な2.5切(約75L)のもの
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2.5切はかなり大きく、ここまでくると完全に業務用サイズです。タイル貼りやならし作業だけでなく、外壁のモルタル塗りに使われることもあります。本体サイズ・重量ともに大きいためトラックに載せて移動することになるでしょう。
混合に使うセメント・砂の合計量だけでも100kgになるので、きちんと混練するためには強いモーター出力が求められます。モーターがしっかりしているなら、セメント多めの固いモルタルも作れます。
動力源で選ぶ
モルタルミキサーの動力源は、コンセントから取る100V電源タイプ、エンジン駆動タイプの2つに分けられます。ただし、混合量が小型のものは100V電源のみになっていることが多く、自由に選べるわけではありません。
コンセントがあればどこでも使える100V電源タイプ
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100V電源は家庭用コンセントに使われているため、電源取り口に困りません。DIYのような軽作業なら、この電源形式がおすすめです。小型のモルタルミキサーではほとんどがこのタイプなので、探すのに苦労することはないでしょう。
ただ、コンセントから電源を取る関係上、屋外での作業にはあまり向きません。接続時にはアース線もつなぐ、タコ足配線や延長コードは電圧が下がり攪拌力が落ちるのでなるべく避けるなど、意外と制約が多くあります。
電源のない環境でも作業できるエンジン駆動タイプ
エンジン駆動タイプは、モルタルミキサーにエンジンが内蔵されています。コンセントや発電機に接続する必要がなく、屋外での作業に強いのが特徴です。
欠点はエンジン内蔵分だけミキサー本体が大きく、重くなることです。エンジンの出力を活かすために、モルタル容量が100L超のモデルで採用されています。
便利な機能で選ぶ
モルタルミキサー本体に便利な機能がついた製品も見られます。持ち運びが楽になるタイヤ、モルタルの放出・ドラム掃除を楽にする放出穴がついていると便利です。
容易に移動ができるタイヤ付きのもの
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どんな容量のモルタルミキサーでも、なるべくタイヤ付きの製品を選びたいものです。モルタルミキサー本体だけでも40kg以上、中にモルタルを入れたままなら60kgは軽く超えます。長距離の移動は車載するにしても、作業場で動かしやすいようにタイヤ付きがおすすめです。
タイヤ付きの中には、前面のドラム中段付近にタイヤが突き出ている製品も見られます。このタイヤは補助輪で、大きめの段差を越えるときに重宝する部品です。補助輪をかけるようにして持ち上げれば、段差だけでなくトラックにも簡単に載せられます。
傾けることなくモルタルを放出できるもの
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ミキサーで十分混練されたモルタルは外に流し出す必要があります。その際に便利なのが、立てたままモルタルを放出できる機能です。重量のあるモルタルミキサーを倒すのは大変なので、傾けずに放出できる製品を選びましょう。
ドラム下部にモルタル放出用の穴があいていて、ハンドルで穴を開閉できます。この穴に手押し車を差し込めば、出来上がったモルタルをスムーズに受け取れます。モルタルミキサーごと傾ける必要がなく、周囲にこぼす心配もありません。
また、放出穴があれば、ドラムの掃除が簡単です。穴をあけたままホースから水流をあてれば、こびりついたモルタルを一気に流せます。
シュートまたはシューターと呼ばれるガイド金具がついた製品も見られます。このシュートは斜め下に向かって傾きがついていて、穴から出たモルタルを一定方向に流してくれます。手押し車を持っておらず、トロ箱に流し込みたい場合に便利です。
モルタルミキサーのおすすめ人気ランキング7選
人気の高いモルタルミキサーを7個ピックアップしてご紹介します。混合量や付属機能は製品ごとに差があるため、作業の目的に沿った製品で探していきましょう。
1位 栄和 モルタルミキサー EMG-S1.5B ミキサー

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重量:35kg
動力源:単相100V
混合量:45L
機能:タイヤ、シュート
コンパクト・軽量のため個人使用に最適
栄和製のモルタルミキサーで、大きさがコンパクト、軽めの35kgという特徴を持っています。車載する場合はそこまで大変ではなく、タイヤが大きめなので少しの段差なら問題なく超えられます。
ドラムの口径は53cmあり、セメントや砂を流し入れやすく、周囲にこぼれにくくなっています。シュートはしっかり傾斜していて、モルタルが途中で溜まりません。肥料などの粒が大きいものでもしっかり放出してくれるでしょう。
45Lは、一人でモルタルを使った作業をする場合にちょうどいい最大混合量です。DIY・軽作業用のモルタルミキサーとしておすすめの製品です。
2位 モルタルミキサー 混合量35L ドラム容量50L

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重量:53kg
動力源:単相100V
混合量:35L
機能:タイヤ、シュート、安全カバー
放出量を調整できる小型サイズ
混合量が35Lと小さめで、軽い作業に最適です。羽根は幅が大きく、モルタルを底からすくって混練してくれます。安全カバー付きなので混合中に手を入れてしまう事故も防げるでしょう。
シュート付きなのでモルタルの放出が簡単で、放出量は蓋のスライド具合によって変えられます。手押し車に全て入れるなら全開、複数のトロ箱に分けたい時には半開と調整しましょう。
シュート・タイヤは取り外しできるため、移動時にはコンパクトな大きさにできます。取り回しやすいモルタルミキサーが欲しい方におすすめです。
3位 栄和 モルタルミキサー EMG-2.5HT400W ミキサー

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重量:52kg
動力源:単相100V
混合量:70L
機能:タイヤ、補助輪
移動・車載がしやすい栄和製モルタルミキサー
こちらも栄和のモルタルミキサーで、幅がスリムな形状です。混合量は70Lあるので、タイル貼り用のモルタル練りも十分行えます。ただ、硬いモルタル作りはモーター焼けのおそれがあるため避けてください。
シュートは付属していませんが、手前にレバーがついているように、練りあがったモルタルを底の穴から放出できるようになっています。モーター部やフレームは奥に引っ込んでいるため、手押し車の先端を入れやすい構造です。
商品画像では見えづらいものの、後ろにはハンドル兼補助輪がついています。移動がしやすく、バンやトラックへの積み上げも簡単に行えるでしょう。
4位 栄和 モルタルミキサー EMG-3.5D

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重量:82kg
動力源:単相100V
混合量:100L
機能:タイヤ、シュート、セメント台
大容量のモルタル作りの際に便利
モルタルミキサーに特化したメーカーである栄和機械工業のモルタルミキサーです。混合量100Lと建築作業での使用にも十分な性能を持っています。セメント台は取り付け式のため、不要な時には取り外しができて邪魔になりません。
モーター出力は大きく、十分に攪拌・混練をしてくれます。最大100Lの混合量に対して、サイズ・重量ともに抑えられている点も魅力です。バンに積載して運べるので、さまざまな作業現場で活躍してくれるでしょう。
5位 電動モルタルミキサー 2.5切 MMX-T80

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重量:69kg
動力源:単相100V
混合量:55L
機能:タイヤ、シュート、セメント台、安全カバー、羽根位置調整
混練する材料に応じて羽根の位置調整ができる
園芸用品から工作機械までを手掛けているミナト電機工業の製品です。混合量55Lとモルタルを使う一般的な作業なら十分な大きさで、安全カバー・シュートなどの便利な機能もついています。
最大の特徴は、羽根の位置調整機能でしょう。2つの6角ボルトを緩めれば、羽根を内側・外側に動かせます。外側に動かせば、硬めのモルタル作りもしっかり行えます。
6位 モルタルミキサー 混合量120L ドラム容量140L 物置き台付

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重量:82kg
動力源:単相100V
混合量:120L
機能:タイヤ、シュート、セメント台、安全カバー
1度に大量のモルタルを作れる
120Lもの混合量が魅力の大型ミキサーです。タイヤ・シュートの他に、セメント袋などを置けるセメント台、混練中の事故を防ぐ安全カバーも付属しています。
重さは容量からすれば軽めですが、高さ1m超とサイズが大きめです。モルタル壁にするなど、100L以上のモルタル作りが必要なケースであれば真価を発揮してくれます。
7位 名古屋トーカイ ミニ2型アップダウンミキサー ステンレスタイプ

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重量:65kg
動力源:単相100V
混合量:60L
機能:タイヤ、シュート、補助輪
作業に便利な機能付属のミキサー
建築用ミキサーを多数製作している名古屋トーカイのモルタルミキサーです。混合量は60Lとたっぷりあり、ドラム上部にはこぼれを防ぐためのツバがつけられました。混合量に対して価格が高めなのは難点です。
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延長コードを使う際は注意!
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コンセントから電源をとるタイプのモルタルミキサーでは、屋外で使用する際に延長コードを使うこともあるでしょう。延長コード使用時にはモルタルの混合量に注意してください。
延長コードを使うとモーターに送られる電圧が下がり、ミキサーの攪拌力は落ちてしまいます。攪拌力が落ちたままではモルタルを上手く練れず、モーターが停止する可能性もあり得ます。
どうしても延長コードを使わなくてはいけないケースでは、モルタル混合量を減らしてみてください。時間はかかりますが、機器の故障を防ぐためには重要な対策法です。
まとめ
モルタルを練るために便利なモルタルミキサーは、どのような作業に使うかで混合量から決めていくことをおすすめします。1人であれば30~50L、3人であれば70L前後くらいは欲しいところでしょう。
モルタルミキサーの電源形式は、100V電源タイプが主流です。エンジン駆動は大型の一部製品でのみ搭載されています。ただ、100V電源だと屋外の使用で延長コードを使うことになるため、その際は混合量の調整が必要です。
大抵の製品にはタイヤが付いていますが、タイヤの大きさ・補助輪の有無も見ておきましょう。とくに大型の製品なら補助輪ありの方が移動を楽に行えます。