耐熱手袋は文字通り熱に強い手袋のことですが、本格的なものは製鉄所のような極めて高温の作業でも用いられ、身近なところではキャンプやバーベキューの際に使用されます。もちろん、消防や災害救助の現場では必須の装備です。
耐熱手袋は、要求される耐熱性能などによって購入すべき商品が変わってきます。耐熱温度300°のものから500°に対応できる商品まであり、ものを掴みやすい薄手タイプや肘下からガードできるロングタイプなど、用途に合わせて選びましょう。
今回は使用場面に合った耐熱手袋の選び方とおすすめ商品をランキング形式でご紹介します。PROHANDSなどの人気ブランド商品もご紹介しますので、是非チェックしてみてくだいね。
耐熱手袋の選び方
耐熱手袋には、使う場所や作業内容によって様々な製品があります。どの製品を選べば良いのか、指針となるポイントをご紹介します。
使用場面で選ぶ
まずは使用場面からです。耐熱手袋は様々な現場で使われていて、それぞれの現場に適した製品が販売されているので、作業場所や作業内容に合わせて選ぶことが重要になります。
工場や製鉄所では高温対応のものを

耐熱手袋というと、工場などで使用されているイメージの方も多いのではないでしょうか。溶接の際に飛ぶ火の粉や熱く熱せられた器具を扱う際に高熱から作業者の手を火傷から守ります。高温作業用の耐熱温度は最低でも300度の手袋を選ぶようにしましょう。また、あまり厚手のものでは作業がしずらくなってしまうため、厚さの確認も必要です。
冷凍庫内や漁業では低温耐寒のものを

耐熱には、低温に耐えるという意味もあります。冷凍庫内の作業や冬の厳しい寒さの中で行われる漁業では耐寒性能が求められます。液体窒素などの液化ガスのような超低温の物質を扱う場合には、作業者の安全も左右することにもなる非常に重要な性能です。
アウトドアなら手先が動かしやすい薄手が便利

キャンプやバーベキューのように火を扱うアウトドアレジャーでも耐熱手袋は重宝します。もっとも、工場や溶接作業で用いるような高い耐熱性を持った厚手の手袋は必要にならないため、手先が動かしやすい薄手のものを選ぶと良いでしょう。また、携帯性の点からもアウトドアでは薄手のものがおすすめです。
食品を扱う場合は防塵機能付きを

塵は「ちり」。防塵機能というのは、使用中に細かな繊維クズなどが出ない性能のことをいいます。食品を扱う上では、異物が混入しないように留意することが重要であることは言うまでもないでしょう。
また、精密な機械の組み立てなどを行う工場のクリーンルームのような場所でも防塵機能を備えた手袋が必要になります。
熱湯や水を扱う場合は防水機能も必須

耐熱手袋を選ぶにあたっては、防水機能も要チェックです。耐熱手袋の中には防水でないものもあり、このタイプの製品で熱湯に触れると、内部に染み込んできて火傷をしてしまうことになりかねません。食品加工場や調理場、火災現場などで使う手袋には耐熱性能と共に防水性能も必須です。
素材で選ぶ
耐熱手袋の耐熱性は使われている素材によって変わります。また、素材によって耐熱性以外の性質も変わりますから、用途に合った素材の手袋を選ぶことが重要です。
撥水、機動性に優れるシリコン製

出典:amazon.co.jp
シリコン製の調理器具を使ったことがある人も多いと思いますが、シリコンは耐熱性が高い素材で200℃以上の高温にも耐えられます。また、撥水性にも優れているため熱湯に触れても大丈夫ですし、簡単に水洗いでき、清潔に保ちやすい素材でもあります。
手入れも簡単で扱いやすく、厚手のものであっても柔軟性があるので、色々な作業で便利に使えます。ただし、シリコンという素材は引っ張り強度や引き裂き強度、耐摩耗性などは高くないため、機械工場や災害救助の現場などで使うには向いていない面があります。食品加工用や家庭用の耐熱手袋としては、かなり優秀な素材です。
高温に強いアラミド繊維、セラミック繊維

プロが使用するような本格的な耐熱手袋には、アラミド繊維やセラミック繊維が多く使われています。アラミド繊維というのは合成繊維の一種で、高い耐熱性と共に高い強度を持っていることでも知られています。ケブラー®という名称をご存知の方もいらっしゃると思いますが、ケブラー®というのはデュポン社が製造するアラミド繊維の登録商標です。
アラミド繊維は鉄の数倍の引っ張り強度があり、スーパー繊維・ハイテク繊維とも呼ばれています。また、切り裂きにも強いため、消防や災害救助の際に用いられる手袋に多く採用されています。
セラミック繊維は無機質材料で作られた繊維で、アルミナ繊維、シリカ繊維などが含まれます。耐熱性が特に高い素材で、セラミック繊維を使った耐熱手袋の中には耐熱温度1000℃というものまであります。高い耐熱性能を持っているため、鉄鋼やガラスの工場の炉の前での作業ような極めて高温の環境でも使用できますが、高価な製品が多くなっています。
サイズや色で選ぶ
耐熱手袋を選ぶときには、サイズや色などにも着目しましょう。おしゃれのためではなく、機能的にサイズや色を選択する意味があるからです。
適した厚みや中指の長さに合ったものを選ぶ

耐熱手袋は、熱に耐えるという必要上、厚手のものが多くなります。柔らかさなども関係しますが、基本的に厚い手袋は細かい作業には向きませんから、要求される耐熱温度と作業内容を考えて、適度な厚みのものを選ぶようにしましょう。
危険が伴う現場で使う場合は、自分に合ったサイズを選ぶのが特に重要です。ゆるすぎて脱げやすいものは危険ですし、きつすぎるものは作業効率に影響しますし、万一熱さを感じたときに直ぐに外すこともできません。
メーカーや手袋のタイプによっても違いはありますが、中指の先から手首までの長さ、手のひらの横幅や周囲の長さ、中指の長さなどから適した大きさの手袋を選んでください。
作業場所とは異なる色を選ぶ

耐熱手袋は多くの製品が実用本位で作られているので、あまり多くのカラーバリエーションは展開されていないのが普通です。色が選べる場合には、作業場所とは異なる色を選びましょう。異なる色を選び目立たせることで、落としてしまったときなどにうっかり踏んで事故に繋がるようなことを防ぐことができます。
腕まで守りたいときはロングタイプを

溶接作業のように火の粉が飛んできたりする現場では、普通の手袋の長さでは危険を防ぐことはできません。また、熱湯のような液体を扱う場合も、短い手袋では袖口から液体が進入してきて危険です。このような場合は、前腕のところまで守ってくれる長さのあるロングタイプの手袋を使用しましょう。
耐熱手袋のおすすめ人気ランキング10選
ここからは具体的なおすすめ商品をご紹介します。自分の作業内容や作業環境に適した商品がないか探してみてください。
1位 GLOMAX 防熱MAX

rakuten.co.jp
厚さ:約1.2~1.4cm
素材:牛革スエード
耐熱温度:500°
キャンプ用として十分な性能、高コスパの耐熱手袋
ここまでにご紹介した製品は、プロも使うような高機能のものが多かったのですが、その分高価でした。最後にご紹介するのは、アラミド繊維のような特殊素材を使ったものではなく牛のなめし革を使った製品で、価格はグッとお安くなっています。
「キャンプやバーベキューに使用するのに十分な耐熱性があれば、後はコスパを重視して製品を選びたい」そんな人に打って付けの製品です。
コスパの点を強調しましたが、この製品の耐熱温度は500℃あります。長さがやや長めの34cmあり手首の上までしっかりガードしてくれるので、アウトドアなどで使うには十分な性能があります。
吊り下げて収納しておくことができるループがついているので、キッチンなどに常備しておくのもオススメです。手ごろな価格で耐熱性が高い手袋が欲しいという方にイチオシの製品です。
2位 PROHANDS アラミド繊維・耐炎皮製手袋 KCA-271

rakuten.co.jp
厚さ:-
素材:アラミド繊維、耐熱皮(0.7mm~0.8mm)、耐炎撥水ニット、透湿防水フィルム、発熱ポリエステル
耐熱温度:-
防水・熱水防御・耐切創の最強モデル
PROHANDSのガイドライン対応モデルです。ただし、6位でご紹介した製品とは違って2011ガイドライン対応です。旧ガイドライン対応ですが、PROHANDSではいち早く防水対策を施していたので、すでに防水機能は備えています。違いは手のひら部分の耐熱性です。6位の製品では耐熱性を上げるためにインナー素材が綿布に変更されています。
これに対して、この製品で使われているインナー素材は発熱ポリエステルです。温かみのある化繊で、水を扱う作業などの際にも手の温度低下を防いでくれます。最新のガイドラインに対応した商品ではありませんが、個人で購入する場合は問題になりません。
冬場のキャンプのように火を扱う一方で寒さ対策もしたいといった場合なら、むしろこちらの製品の方が向いているといえるのではないでしょうか。
3位 PROHANDS アラミド繊維 災害救助用手袋 KJ-270

amazon.co.jp
厚さ:−
素材:アラミド繊維、インナー 透湿防水フィルム・発熱ポリエステル、手の平補強 高耐久人工皮革・NX3000、手の甲補強 高耐久人工皮革
耐熱温度:−
少し安価なプロ仕様の耐熱手袋
このランキングでも複数がランクインしているPROHANDSというブランドは、富士グローブという会社が展開しているもので、消防や災害救助、警察、自衛隊など幅広い分野でプロ用作業用手袋を製造販売しています。
この製品もプロ仕様で、耐熱性のみならず、防水性能も備えていて切り裂きにも強い製品です。手のひら部分は4層構造になっていて、ガラスの破片を直接つかむこともできます。
ちなみに、手のひら部分の補強に使われているNX3000というのは、人工皮革と合成皮革を張り合わせた素材です。PROHANDSのプロ向けの製品はいずれも高機能なものばかりですが、やや価格が高めなのが難点です。この製品は、同ブランドの他の製品よりも若干価格が抑え目のため、プロ仕様の高機能な製品を少しでも安く手に入れたいという人におすすめです。
4位 TONBOREX ケブラー®繊維製防火手袋 K-TFG7

amazon.co.jp
厚さ:掌部補強素材:牛革(撥水加工、0.7mm~0.8mm厚)、掌部補強素材:牛革(撥水加工、0.7mm~0.8mm厚)
素材:本体甲部 ケブラー®繊維とノーメックス繊維のWニット、本体掌側 ケブラー®繊維とノーメック繊維の二重編物、掌部 補強牛革0.7~0.9㎜厚、甲クッション材 ケブラー®繊維製フェルト(3㎜厚)
耐熱温度:−
ケブラーとノーメックス、2つのアラミド繊維を使用
ケブラーについては「選び方」でもご説明していますが、ノーメックスもデュポン社が開発したアラミド繊維の一種です。アラミド繊維の中でもメタ系に属するもので耐熱性・耐燃性が特に優れています。
ちなみに、ケブラー®はパラ系に属するもので、強度に優れています。この製品は、2つのアラミド繊維を組み合わせて使うことで、耐熱性・安全性を更に高めています。指が曲がった状態の立体形状で仕上げられているので、手を握った状態での作業が楽なのも特徴です。
5位 エースグローブ 溶接クレスト5本指 AG502

amazon.co.jp
厚さ:−
素材:牛クレスト、牛床革
耐熱温度:−
牛革を使った溶接用グローブ
耐熱手袋は新素材を使ったものばかりでなく、昔から使われている皮製のものもあります。この製品は、牛クレストと牛床革を使用した溶接用手袋です。クレストというのは牛革を分割したときの表側の光沢がある側の革(表革、本革)のこと、床革は表革以外の革のことです。
天然素材である牛革を使った手袋は、使うほどに手に馴染むのが魅力です。価格が安いのも魅力ですが、この製品はフリーサイズでやや小さめなので、この点に留意して購入を検討してください。
6位 PROHANDS アラミド繊維・耐炎皮製手袋

yahoo.co.jp
厚さ:−
素材:アラミド繊維、耐炎皮(0.7mm~0.8mm)、透湿防水フィルム、綿布
耐熱温度:−
より安全になった2017ガイドライン対応手袋
「ガイドライン」というのは総務省消防庁が発表しているもので、正式には「消防隊員用個人防火装備に係るガイドライン」といいます。この最新版が2017ガイドラインです。
具体的には、防水機能が必須になったこと、手の甲側だけでなく手の平側にも同等の耐熱性が求められるようになったことがあります。このガイドラインに対応した本製品は、安全性が従来品より更に強化されたものですから、プロ使う製品並みの安全性を求める方におすすめします。
7位 アイトス ベクトラン耐熱・切創防止手袋 VR30

amazon.co.jp
厚さ:3mm
素材:ベクトラン
耐熱温度:−
引っ張り、磨耗、切創などに強いベクトランを使用した手袋
ベクトラン®はクラレの登録商標です。一般的には高強力ポリアリレート繊維と呼ばれます。原料は異なりますが、アラミド繊維と同じ液晶繊維というものの仲間になります。高強力(引っ張りに強い)、高い耐摩耗性、切創に強いといった性質があり、1990年に工業生産が始まったばかりの新しい素材です。
耐薬品性も高いので漂白剤による劣化も少なく、繰り返し洗濯でき清潔に保ちやすいという特徴もあります。もちろん、耐熱性もありますから耐熱手袋の素材としても優れています。
8位 ペンギンエース PパターンWINTER W-1

amazon.co.jp
厚さ:−
素材:手の甲 PVC、手の平 ポリウレタン・ナイロン、手首 アクリル、裏地 ポリエステル、防水インナー PVC
耐熱温度:−
真冬のツーリングなどにもおすすめの防寒手袋
こちらの商品は名前にWINTERとあることからも分かるように、耐熱手袋といっても防寒性能を重視したタイプです。手のひら部分には、Pパターンと呼ばれるタイヤのトレッドパターンに似たエンボス加工が施されていて、高いグリップ力を持っています。
寒さに強くグリップ力が高いということで、冬場のバイクツーリングに持って来いです。防水性能もあり、アウトドアやDIYなどに使用することももちろん可能です。
9位 globalsports 耐熱グローブ

amazon.co.jp
厚さ:-
素材:牛革、フェルト
耐熱温度:500°
溶接作業も想定した高い耐熱性能をもったロングタイプ
AmazonやYahoo!の商品写真ではキャンプやバーベキューのシーンでの使用例が多く掲載されていますが、溶接作業にも使えるレベルの耐熱性能を持った製品です。肘の手前あたりまで覆ってくれる長さがあるので、危険な作業での安全対策にも向いています。
価格も安価で、コスパもいい製品です。ただ、Amazonのカスタマーレビューでは低評価を付けている人もいて、評価が若干割れているのは気になるところです。
10位 BOBLIFE 5指クッキンググローブ

amazon.co.jp
厚さ:−
素材:シリコンゴム
耐熱温度:220°
手軽に使えるシリコン製の耐熱手袋
シリコン製なので、お手入れが簡単。洗剤を付けて手にはめた状態で手を洗うようにしてもいいですし、耐熱性があるので食洗機も使えます。アウトドアでも便利ですし、オーブンの鉄板を持つにも普通のミトンよりも持ちやすい優れものです。
ただ、男女兼用のフリーサイズなので、使う人によってはサイズが合わないと感じることもあるかもしれません。
おすすめの商品一覧
製品 | 最安値 | 評価 | リンク |
---|---|---|---|
![]() GLOMAX 防熱MAX
1
|
1,330円 |
|
|
![]() PROHANDS アラミド繊維・耐炎皮製……
2
|
6,380円 |
|
|
![]() PROHANDS アラミド繊維 災害救助用……
3
|
5,039円 |
4.33 |
|
![]() TONBOREX ケブラー®繊維製防火手袋……
4
|
5,249円 |
|
|
![]() エースグローブ 溶接クレスト5本指……
5
|
450円 |
4.42 |
|
![]() PROHANDS アラミド繊維・耐炎皮製……
6
|
6,380円 |
|
|
![]() アイトス ベクトラン耐熱・切創防……
7
|
1,089円 |
2.5 |
|
![]() ペンギンエース PパターンWINTER W-1
8
|
1,867円 |
3.15 |
|
![]() globalsports 耐熱グローブ
9
|
1,280円 |
4 |
|
![]() BOBLIFE 5指クッキンググローブ
10
|
1,190円 |
3.8 |
|
耐熱手袋の使い方と注意点
最後に耐熱手袋の使い方と使用時の注意点について簡単にご説明しておきます。耐熱手袋は、正しい使い方で安全に使いましょう。
性能が落ちないよう水濡れに注意

耐熱手袋は水に濡れてしまうと熱が伝わりやすくなり、本来の性能を発揮することができません。基本的には水に濡らさないようにしてください。水に濡れる環境で使う場合は、防水・撥水機能があるものを使用しましょう。
また、手袋の素材によっては水を嫌うものもあります。こういった製品は水に濡らすと劣化が早まるため、使用上の注意をよく読み、正しいお手入れ方法を守ってください。
熱伝導を遅らせるためにインナーとして綿手袋等をつける

耐熱手袋も熱を全く伝えないというわけではありません。耐熱性を上げるためには、綿製の軍手などの綿手袋を中に着用し、熱伝導を遅らせるのがおすすめです。綿製の手袋は、手と耐熱手袋の間に空気の層を作り、熱の伝導を遅くしてくれるからです。
また、綿は化繊と違って熱で溶けることがないので耐熱手袋のインナーに向いているため、この点からもおすすめできます。
長時間の使用は控える

耐熱手袋の中には耐熱温度を表示したものもありますが、その温度にさらされ続けても大丈夫というわけではありません。長時間高温にさらされると、いくら耐熱手袋でも手袋内部に蓄熱して温度が上がっていきます。耐熱手袋は必要以上に高温にさらすことなく、できるだけ短時間で作業を済ませることが重要です。
耐熱温度はあくまで目安としてとらえる

前述でも触れましたが、耐熱温度はその温度にずっとさらされていても大丈夫というものではありません。また、耐熱温度は基本的に目安でしかなく、火傷をしないことまで保障したものではありません。使用環境や作業内容によっても実際に耐えられる温度は変わってきます。耐熱手袋の耐熱温度は目安と考えて、過信しないことがケガや事故を防ぐためには必要です。
まとめ
耐熱手袋の選び方とおすすめの商品をご紹介しました。耐熱手袋には、プロ向けの高機能のものからキッチンやアウトドアで気軽に使えるものまで、色々なタイプの商品があります。この記事を参考にして、自分に合った耐熱手袋を見つけてください。