照度計とは、明るさを計るための計測機器です。光度計・ルクス計とも呼ばれ、ある平面上に当たっている光の量を計測してルクスという単位で表示します。光源自体の絶対的な明るさではなく、人の目から見てどの程度明るいかを数値化するものです。
学校の教室や工場の作業場ではJIS規格により照度が定められており、下限値を下回らないように照明を設置しなければなりません。作業性のよい照明環境を作るのになくてはならない機器です。また、メーカーでは横河電機や日置電機、コニカミノルタの製品が有名です。
照度計は、公的・取引証明に使用するか、私的な測定に利用するかで適した製品は異なるため、正しい選び方を知ることが大切です。今回はそんな照度計の選び方とおすすめの商品を8選ご紹介します。
照度計の使い方

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照度計は受光部である照度センサーとカバー、数値表示を行うディスプレイ、各種操作のためのボタンから構成されています。照度センサーが光を感知すると、ディスプレイ上に照度が表示される仕組みです。
まずは、照度センサーをカバーが覆っている状態で電源を入れて、ゼロ点調整を行います。こうすることでカバーに覆われている暗闇を基準に計測が可能です。あとはカバーを外せば照度の計測が始まり、ディスプレイ上にルクス単位で照度が表示されます。
照度計を使うときには、照度センサーが陰とならないようにしてください。とくにディスプレイを見ようとした測定者自身の影が照度センサーにかかりやすい点に注意が必要です。
光の反射にも注意しましょう。白衣のような服装は光を反射しやすく、計測誤差の原因となってしまいます。計測時はなるべく黒やグレーなどの服を着用し、金属製のタイピンや時計のガラスにも気を付けてください。
照度計の選び方
照度計を選ぶポイントは、表示形式・測定上限・JIS規格・機能の4点です。私的利用であれば、表示形式や機能を、業務に使うのであればJIS規格を重視するとよいでしょう。
表示方法から選ぶ
照度計の表示形式はアナログ式・デジタル式の2種類です。さらにデジタル式は受光部が一体・分離のどちらであるかによって利便性が異なります。
屋内計測向きのアナログ式

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アナログ式は昔からあるタイプの照度計です。受光部で光を感知すると内部で電流が発生し、メーターの針が振れて照度が分かるようになっています。複雑な機能がないぶん電池消費が少なく、受光部に太陽電池があって電池不要の機種もあります。
アナログ式のデメリットは測定上限が低いことです。測定上限は1万5千ルクス程度であることが多く、晴天の屋外で使用すると過電流によって故障することもあります。強力な照明がない室内の照度計測に使用しましょう。
照度測定が簡単にできるデジタル一体式

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照度表示部として液晶ディスプレイを採用し受光部が本体と一体となっています。アナログ式と比べると便利な機能が多く、測定が楽になるため、現在では最も多く販売されているタイプです。
測定上限も20万ルクスまで設定している機種が多いため、より強い照明にも対応できます。屋外の計測に用いるのであればこちらのタイプを選びましょう。
受光部を離して置けるデジタルセパレート式

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デジタルセパレート式は、ディスプレイ付きの本体から受光部を離せることが特徴です。本体・受光部間はプローブによって接続されています。
測定者の影が照度センサーにかからないため、正確な計測ができます。計測者自身の影が邪魔になりやすい場所の測定ではデジタルセパレート式がおすすめです。
計測上限から選ぶ
照度計には機種ごとに計測範囲が設定されています。設定された上限値以上の照度は計測できないため、測定対象となり得る照度以上のものを選んでください。
学校などの照度計測に向いている1万ルクス程度

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JISの照明基準では、学校の教室では300ルクス以上、工場の作業場では500ルクス以上と最低基準が定められています。室内照明は低照度に分類されるので、照度計の上限も1万ルクス程度あれば十分です。
室外の照度計測もできる10万ルクス以下

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屋外の太陽光は晴天下で10万ルクスあるとされています。つまり屋外の測定は10万ルクス以下の照度計で問題ありません。
日常生活で10万ルクス以上の照度と接する機会はあまりないため、10万ルクスを上限に考えてもよいでしょう。
研究・開発用に用いられる10万ルクス以上

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照明製品の開発や、強力な照度を持つ手術室のスポットライトなどでは、照度設定のために使う照度計にも相応の上限値が求められます。
デジタル式は20万ルクスまで対応している製品が多いため、その中から選んでください。
JIS規格から選ぶ
精度の高い照度計を求めているのであれば、JIS規格に適合している商品がおすすめです。JIS規格では、一般形精密級・AA級・A級、特殊型照度測定器と4つのランク分けがされています。このうち一般的には販売されるのはAA級・A級の照度計です。
適合性評価の測定に用いる一般形AA級

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一般形AA級は、研究用途外の照度計の中では最も精度が高いランクです。測定値の誤差は表示値に対してプラスマイナス2%となっており、高照度の測定でも誤差が少ないように規定されています。
学校・工場などに定められている照度基準の適合性評価を行うのであれば、信頼できる精度の一般形AA級の照度計を選びましょう。
一般測定用途に十分な精度の一般形A級

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AA級よりは落ちるものの、A級も比較的精度が高いランクです。こちらは誤差が表示値に対してプラスマイナス5%であり、一般的な測定用途であれば十分な精度が得られます。
機能から選ぶ
照度計は機能付属の製品が多く見られます。とくにLED対応とホールド機能があると便利です。
LED照明下でも測定できるLED対応

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一般的に白色である蛍光灯に比べて、LED照明は赤・青・緑の色があり、白色LEDも光源に青色LEDチップを用いています。
しかし、一般的な照度計は人間の感覚に近づけるため緑の感度を高くしており、LEDの照度計測には適しません。
LED対応の照度計なら、LED照明下でも正確な照度を計ることができます。近年は学校や公共施設でもLED照明を採用することが多くなってきたため、それら建物の照度測定を行うのであればLED対応を選んでください。
自動でレンジ切替するオートレンジ対応

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照度計のルクス表示は最大4桁程度であることが多く、高照度では表示値に10や100をかけて見ることになります。
オートレンジ機能は高照度測定で便利な機能です。低照度から高照度へと変わったときにボタン操作をしなくても自動で桁が切り替わります。
数値を固定表示できるホールド機能

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太陽や電灯などの光源は一定のちらつきがあるため、照度計に表示される数値は常に動き続けます。
秒単位で動く数字を見るのは大変なので、ホールド機能がある製品がおすすめです。数値を止めることで、落ち着いてデータに記録することができます。
複数の数値を記録できる記録機能

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複数の場所を照度計で測定しなければいけない場合、記録を一つ一つメモに取っていくのは大変な作業です。
本体に記録機能があると、後から表示値を参照することができます。記録した順序を忘れないようにすれば測定作業が楽になるでしょう。
水中測定ができる受光部防水

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照度計の中には受光部を防水仕様にして、水中での照度を計測できる製品も見られます。
水族館やアミューズメント施設などで水中照明を使うときに、水中の見え方を計測するために必要な機能です。
なお、防水機能を謳っていても水中測定には対応していない機種もあります。防水かどうかよりも、水中測定対応の機器なのか確認しましょう。
取引証明に使用するなら法定照度計であるかをチェック

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照明類の照度を公的文書に記す場合や、照度計測を事業としているのであれば、法定照度計として型式承認されている製品を選ばなくてはなりません。型式承認がされている機種は少なく、どれも高精度な照度計ばかりです。
また、照度計を取引証明に使用する場合には、計量法に基づいた検定をされている必要があります。この検定は専門機関に依頼し、照度計が正確に動作するかの判定を出すものです。
検定の有効期間は2年であり、期限が切れたら再び検定に出すことになります。
照度計のおすすめ人気ランキング8選
照度計の人気商品を8個ピックアップしました。安価な製品は私的利用に十分な性能ですが、高い精度は期待できません。正しい測定がしたいなら高価でも有名メーカー製がおすすめです。
1位 URCERI 照度計

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重量:-
測定範囲:0~200,000Lux
表示方法:デジタル一体式
JIS規格:-
機能:ホールド機能
携帯での安全性が高い製品
照度計と温度計がセットになった測定器です。照度は最大・最小・現在値の3種類が表示でき、データホールド機能も付いています。センサーカバー付きなので持ち歩きでもセンサーが破損する心配はありません。
2位 A-leaf 光度計 GM1010

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重量:-
測定範囲:0~200,000Lux
表示方法:デジタル一体式
JIS規格:-
機能:ホールド機能
シンプルなボタン配置で簡単に操作できる
ボタンは2つだけなので操作で迷うことがなく、照度計が初めての方におすすめの製品です。ただし、センサーカバーはついていないため持ち運びには注意してください。
3位 hs1010 照度計

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重量:310g
測定範囲:0~200,000Lux
表示方法:デジタル一体式
JIS規格:一般形AA級
機能:LED対応・オートレンジ対応・ホールド機能・記録機能
光源に適した測定レンジを選べる
ボタンがディスプレイの下にあり、指の影が受光部にかかりにくい照度計です。レンジ切り替えは自動・上限2千ルクス・2万ルクス・20万ルクスの4パターンから選べます。光源の強さに合わせてレンジを選ぶことで正確な測定が可能です。
4位 デジタル照度計 LX1010B

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重量:84g
測定範囲:0~200,000Lux
表示方法:デジタル一体式
JIS規格:-
機能:ホールド機能
測定者から受光部を離して測定できる
受光部を本体から離せるセパレート式の照度計です。光が斜めから差している場所などで計測するときには、受光部を離しておくことで測定誤差を生じにくくできます。
レンジは上限2千・2万・5万から選択可能です。室内なら2千で、屋外は2万や5万に設定して使用しましょう。
5位 カスタム 照度計 LX-204

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重量:100g
測定範囲:0~200,000Lux
表示方法:デジタル一体式
JIS規格:-
機能:オートレンジ対応・ホールド機能
照度のデータ採取に便利
測定器メーカーであるカスタムの照度計です。最大値・表示値のホールドができるため、データ取りに役立ちます。側面にはゼロアジャストボタンがあり、受光部をカバーで覆うことでゼロ調整が可能です。
6位 朝日電器 明るさチェッカー(簡易照度計) LX-50

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重量:200g
測定範囲:0~50,000Lux
表示方法:デジタルセパレート式
JIS規格:-
機能:ホールド機能
室内照明の照度計測に向いている
小型電気機器を扱う朝日電器のアナログ式照度計です。受光部はソーラーパネルとなっており、光を受けて発電するので電池は不要となっています。測定上限は5千ルクスまでと低いため、照明交換の目安を知るために使うとよいでしょう。
7位 サンワサプライ デジタル照度計 CHE-LT1

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重量:190g
測定範囲:0~200,000Lux
表示方法:デジタル一体式
JIS規格:-
機能:ホールド機能
照度をフート単位でも表示できる
電子機器の大手メーカー、サンワサプライの製品です。照度・温度の計測が可能であり、ディスプレイは見やすいバックライト付きです。受光部カバー付きなので携帯していても破損しにくくなっています。
この商品は単位切り替えが可能であり、ヤード・ポンド法での照度を表す記号であるフートキャンドル(Fc)で表示することができます。アメリカ製照明器具などの照度を調べるのであれば最適な機能です。
8位 日置電機 照度計 FT3425

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重量:73g
測定範囲:5,000Lux
表示方法:アナログ式
JIS規格:-
機能:-
型式承認されているため取引証明にも使用可能
計測器類の有名メーカーである日置電機の照度計です。JISの一般形AA級に適合しているように高い測定精度を持っており、1ルクス単位の低照度測定もできます。LEDにも対応しているため、LED照明下の計測に重宝するでしょう。
この製品はBluetoothを搭載しています。専用アプリをインストールしたスマホへデータ転送が可能であり、報告書の作成が簡単です。内部メモリには最大99データまで測定値を記録できるので、測定用メモの必要もありません。
ディスプレイの表示は6桁となっており、高照度の計測でも小さな値まで検出できるようになっています。正確かつ業務利用できる照度計をお探しの方におすすめの商品です。
おすすめの商品一覧
製品 | 最安値 | 評価 | リンク |
---|---|---|---|
![]() URCERI 照度計
1
|
2,400円 |
4.1 |
|
![]() A-leaf 光度計 GM1010
2
|
2,180円 |
4.3 |
|
![]() HIOKI (日置電機) 照度計 FT3425
3
|
58,470円 |
|
|
![]() サンワサプライ デジタル照度計 CH……
4
|
3,480円 |
3.5 |
|
![]() カスタム 照度計 LX-204
5
|
2,550円 |
|
|
![]() 朝日電器 明るさチェッカー(簡易照……
6
|
2,120円 |
3.4 |
|
![]() サンワサプライ デジタル照度計 CH……
7
|
15,600円 |
|
|
![]() 日置電機 照度計 FT3425
8
|
768円 |
3.7 |
|
まとめ
光源下の照度を測定できる照度計は、表示方法・計測上限・JIS規格・機能を見ることが選び方のポイントです。室内ならアナログ式・デジタル式どちらでも良いのですが、屋外ではデジタル式の計測上限が高いものが適しています。
趣味の範囲で使用するなら機能重視で利便性の高いものがおすすめです。精度が欲しいならJIS規格に適合している製品を選んでください。
迷ったときには有名メーカーの商品を選ぶとよいです。光源下での作業を安全に行えるようにしましょう。