はかりとは、物の重さを計量するために使われる計測器具です。製品の形状にはさまざまな違いがあるものの、測定物の重さをはかりが受け止めることで目盛りが動く、という点は共通しています。
はかりを選ぶときには形状だけでなく、計量可能な最高量や目盛りの細かさも異なることをご存じでしょうか。また、はかりの選び方では無視できない検定済みの証印というものがあります。この証印がないはかりは業務用に使えません。
ここでは、はかりと天秤の違いから選び方・おすすめ人気商品をご紹介します。家庭用・業務用のはかりには求められる精度が異なるため、利用目的に合った製品選びに役立ててください。
はかりの使い方と天秤との違い
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はかりは物の重さを量るために、重力の引っ張る力を利用しています。計量皿に載せる、またはフックに引っ掛けることで計器が重量を受け止めることになり、測定物を計量できます。電子式はかりも機構が違うだけで、スイッチ操作が必要であるほかは同じ使い方です。
測定物が箱や袋などの容器に入っているときには、風袋引きを行いましょう。風袋引きは容器の重量をはかりに記憶させて、あらかじめその重量を減算しておく処理です。粉や液体などの容器に入れなければ量れない物も、風袋引きをすれば内容物の計量が簡単にできます。
はかりというと、2つの皿に測定物・分銅をのせる天秤を思い浮かべるかもしれません。しかし、測定物の質量を分銅との比較から求めている点で、天秤ははかりと異なっています。天秤は重力に影響されないため、はかりよりも精密に計量できる器具です。
はかりの選び方
はかりを選ぶときには、表示形式・種類・秤量をチェックしましょう。また、業務用はかりは特定計量器の証印があるかも確認してください。
表示形式から選ぶ
はかりの表示形式はアナログ・デジタルの2種類
があります。この違いは、測定方法が機械式であるか、電子式であるかに起因するものです。
アナログ目盛りの機械式
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機械式はアナログ表示の目盛り盤が前面にあり、内部にばね機構を組み込んでいるタイプです。このばね機構が重みを受けることで目盛り盤の指針を動かし、測定物の重さを表示します。複雑な操作が不要であり、使うときに電池切れの心配もありません。
円型の目盛り盤には細かな目盛りが刻まれています。目盛りの最も小さな刻みは目量と呼ばれ、機械式はかりで計量するときに読み取れる最小単位です。
たとえば1kgまで計量できるはかりの目盛りが200個に等分されていたなら、目量は5gとなります。
デジタル表示の電子式
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電子式はデジタル表示のディスプレイで重量を表示します。計量方法は内蔵された電子基板に流れる電気抵抗の変化によるものであり、ばね機構はありません。動作させるには電池を入れる必要はありますが、電子機器特有の便利な機能が付属しています。
ディスプレイには3~5桁程度の数字が並ぶようになっており、機種によっては小数点以下も表示可能です。機械式のように目量という制限はなく、最小から最大までを1刻みで表せるようになっています。小さな数量表示が必要なクッキングスクールなどで使われるタイプです。
用途から種類を選ぶ
はかりの種類は台ばかり・上皿ばかり・手ばかりの3つに大別できます。
それぞれ適した用途が異なるため、目的に合った種類を選んでください。
精密測定には台ばかり
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台ばかりは大きめの計量部をもっていて、比較的大きめの測定物でも計量できるようになっています。
よく使われるのは農産物や加工食品などの生産・出荷工場です。身近な例では体重計も台ばかりの一種といえます。
機械式の台ばかりは目盛り盤が大きく、目量が細かくなっていることが特徴です。業務利用する製品では目量が秤量の1/3000~1/6000で表示されるため、精密な重量を知りたいときに重宝するでしょう。電子式も精密に作られることが多い傾向です。
重量のある物も計れる上皿ばかり
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ばね機構と目盛り盤がある本体の上に計量皿を取り付けられたのが、上皿ばかりです。
計量皿と目盛り盤の距離が近く、測定物の量を調整しながら計量していくときに適しています。
上皿ばかりで計量するときには、測定物が計量皿に収まるように置いてください。少しはみ出る程度なら問題ありませんが、はかり本体部や床面と接触すると重量が変化してしまいます。上皿ばかりを選ぶときには皿の寸法も見ておきましょう。
台に載らないものには手ばかり
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台ばかり・上皿ばかりは計量部に測定物を載せるため、計量部より大きな対象を量る目的には適しません。対象の大きさで左右されずに計量したいときには手ばかりを用いましょう。
手ばかりは飛行機での手荷物の重量や、農業・漁業の収穫量の測定に使われています。
使い方は簡単で、測定物にフックを引っ掛けて地面から持ち上げるだけです。ただし、ゆっくりと垂直に持ち上げるようにしてください。勢いよく持ち上げたり斜めに振ったりすると重量の変化が大きくなり、正確に計量できません。
また、吊りばかりというタイプも存在します。こちらはクレーンに取り付けて使用するもので、手では持てない測定物の計量用です。
秤量から選ぶ
はかりの秤量とは、その機器で計量ができる最高量のことです。
秤量が大きいほど重いものを量りやすくなりますが、目盛りは粗くなってしまいます。
1kg程度までを量りたい
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測定物が1kg以内で済むのなら、秤量1kgのはかりがおすすめです。
目量も小さいため5g・10g単位の計量を簡単にできて、細かな調合を必要とする作業に重宝します。家庭でのお菓子作りであれば十分活躍してくれるでしょう。
測定物が1kgを超える可能性がある場合には、秤量2~3kg程度の製品を選んでください。
10kgまでを量りたい
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米の袋詰めや果物の箱詰めなど5~10kgの範囲で計量したいときには、秤量10~20kgのはかりがおすすめです。はかりに物を載せると衝撃で指針が揺れ動くため、秤量に余裕を持たせた方が使いやすくなります。
100kgまでを量りたい
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100kgまでを量るとなると、人間の体重を測定する体重計も視野に入ってきます。測定物が50~70kg程度なら秤量は100~150kg、100kgに近いなら秤量200kgを目安に選びましょう。目量は粗いものでも100gは欲しいところです。
100kg以上のものを量りたい
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100kgを超える測定物に使うはかりは、秤量もそれだけ大きくなっていきます。測定物の重量について均一性が見込めるなら近い秤量でよいものの、不均一が懸念される場合はなるべく大きな秤量を選んでください。
吊りばかりを使用すると、持ち上げた衝撃で指針が大きく揺れ動くことがあります。指針が上限を大幅に超えると故障しかねないため、秤量は2倍以上の余裕を持たせた方が安全です。
業務用はかりは証印があるかをチェック
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はかりは肉屋の量り売りや、薬局での計量調剤などで用いられます。このように業務で使用するはかりを選ぶ場合、
特定計量器として認定された証印があるかを確認してください。特定計量器とは、業務上の取引・証明用として用いることができる計量器のことです。
特定計量器の
証印には検定証印・基準適合証印の2種類があります。
検定証印は計量法に定められた検定に合格した製品に付けられるものです。基準適合証印は経済産業大臣から指定を受けたメーカーが自主検査を行って付けるもので、検定合格と同等の効力があります。
なお、証印がある検定品のはかりでも、永久的に証明取引用として使えるわけではありません。計器の精度を保つため、一定期間ごとに定期検査を受検する必要があります。
はかりのおすすめ人気ランキング10選
はかりの人気商品を10個ご紹介します。家庭用であればご家庭の用途にあった製品を、精密な計量をしたいのなら測定機器メーカーの製品を選ぶようにしてください。
1位 MYCARBON 吊り下げ式ラゲッジチェッカー

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表示形式:電子式
種類:手ばかり
秤量:50kg
手荷物を計量して搭乗手続きをスムーズ
布ベルトをカバンの持ち手に通すことで、50kgまで計量ができるデジタル手ばかりです。風袋引き機能やオートパワーオフのほか、単位をキログラム・グラムで切り替えることができます。手荷物の重量制限が厳しいLCCを利用するときに便利と評判の製品です。
ただし、同じ荷物でも計量するたびに数値がバラつくなど、精度が甘いという評価が見られます。重量制限ギリギリを狙うのではなく、ある程度余裕を持って調整するように使いましょう。
2位 携帯式デジタル スケール ステンレス仕上げ

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表示形式:電子式
種類:手ばかり
秤量:50kg
海外旅行で便利な4種の単位切り替え
こちらはフックで引っ掛けるタイプの手ばかりです。ディスプレイはバックライト付きのLED液晶で、暗い場所でも数字をはっきり視認できます。
UNITボタンを押すことで単位をキログラム・グラム・ポンド・オンスと4種類に切り替え可能です。重量単位にポンドを採用しているアメリカ・イギリスでの旅行に重宝するでしょう。
3位 大和製衡 音声ランク選別機 ランクナビ2 UDS-1VN-R2-30

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表示形式:電子式
種類:台ばかり
秤量:30kg
収穫物のサイズに応じた選別が簡単にできる
計測機器を専門に製造している大和製衡のデジタル台ばかりです。この製品はランクナビという機能が搭載されており、定量詰めやサイズ分けが簡単にできます。
ランクナビの使用方法は付属リモコンでランクと重量を設定して、あとは計量するだけです。音声でランクを教えてくれるのでディスプレイを見る必要がなく、スムーズに選別作業ができます。まとめて載せた後に取り出していく使い方でも、ランクナビは利用可能です。
4位 大和製衡 普及型上皿はかり SD-10

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表示形式:機械式
種類:上皿ばかり
秤量:10kg
目量:20g
証印:あり
目量が細かく量り売りに使いやすい
10kgまで計量ができるスタンダードな形状の上皿ばかりです。目量は20gと細かく、繊細な計量作業に向いています。計量皿には平皿を採用しているため木箱・ダンボールも載せやすいでしょう。
証印を取得しているので、取引証明用として使用できます。収穫した農産物の定量詰め・量り売りをしたい方におすすめのはかりです。
5位 共福産業 KF 上皿自動秤 SPS-20KG

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表示形式:機械式
種類:上皿ばかり
秤量:20kg
目量:100g
家庭用の上皿ばかりにおすすめ
大きな数字が見やすい、20kgまで計量できる製品です。証印がないため取引証明用には使えませんが、家庭用のはかりとして使うなら問題ありません。秤量20kgに対して本体重量は2.9kgと軽いので持ち運びやすいメリットがあります。
6位 共福産業 CAMRY 上皿はかり 50kg

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表示形式:機械式
種類:上皿ばかり
秤量:50kg
目量:200g
広い上皿に物を載せやすい
こちらは50kgと秤量が大きい製品です。計量皿は32cm四方と広いため測定物を安定して載せられるほか、収穫用の木箱やカバンなどを置いて使うこともできるでしょう。証印はないので商取引では使用できません。
7位 シンワ測定 上皿自動秤 1kg D型 70079

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表示形式:機械式
種類:上皿ばかり
秤量:1kg
目量:5g
証印:あり
細かな計量がしたい時に便利な秤量1kg
計測器具の定番メーカー、シンワ測定製の上皿ばかりです。この製品は秤量1kgと小さく、お菓子など調理材料の計量のほかに、証印付きなので計量調剤にも使えます。計量皿はステンレス製なので錆に強く、計量誤差を生じにくいのも魅力です。
8位 シンワ測定 上皿自動秤 12kg 70090

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表示形式:機械式
種類:上皿ばかり
秤量:12kg
目量:50g
証印:あり
収穫物を10kgに定量詰めするときに重宝する
この製品は秤量が12kgであり、10kgよりも大きいのがポイントです。定量詰めで10kgに調整したいとき、目盛りが10kgより上まで動くので簡単に微調整ができます。調整ツマミにより風袋引きもしやすく、業務利用をする方に最適です。
9位 富士計器製造 上皿自動ハカリ 2kg ミリオンD型

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表示形式:機械式
種類:上皿ばかり
秤量:2kg
目量:10g
証印:あり
精密なクッキングスケールが欲しい方に
計量機器の専門メーカーである富士計器製造の上皿ばかりです。秤量2kgなので調理用として便利で、とくにレストランの厨房用として人気があります。指針の先端は当たっている目盛りが見やすい細さであり、精密な計量ができるでしょう。
10位 富士計器製造 上皿自動はかり E型 30kg

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表示形式:機械式
種類:上皿ばかり
秤量:30kg
目量:100g
証印:あり
目盛りが読みやすさが特徴、農作物の箱詰めに
秤量30kg・目量100gと農作物の計量に向いています。上皿は比較的大きいため、米袋や木箱を置いて量ることが可能です。5kgごとの大きく見やすい目盛りが特徴で、証印付きなので証明取引用としても使えます。
おすすめの商品一覧
製品 | 最安値 | 評価 | リンク |
---|---|---|---|
![]() MYCARBON 吊り下げ式ラゲッジチェ……
1
|
1,199円 |
4.4 |
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![]() 携帯式デジタルスケール
2
|
899円 |
3.2 |
|
![]() 大和製衡 音声ランク選別機 ランク……
3
|
79,720円 |
|
|
![]() 大和製衡 普及型上皿はかり SD-10
4
|
5,242円 |
4.3 |
|
![]() 共福産業 上皿自動秤 SPS-20KG
5
|
2,814円 |
|
|
![]() 共福産業 CAMRY 上皿はかり
6
|
8,900円 |
|
|
![]() シンワ測定 上皿自動秤 70079
7
|
3,971円 |
3.63 |
|
![]() シンワ測定 上皿自動秤 70090
8
|
4,588円 |
4.07 |
|
![]() 富士計器製造 上皿自動ハカリ ミリ……
9
|
4,293円 |
|
|
![]() 富士計器製造 上皿自動はかり
10
|
12,981円 |
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まとめ
計量に使われるはかりを選ぶポイントは、表示形式・種類・秤量の違いを見ることです。表示形式は電子式が見やすく、機械式は直感的に使えるメリットがあります。毎日計量する方なら電池が不要な機械式を選ぶとよいでしょう。
種類・秤量は、測定物の重量や大きさによって選び分けてください。大きく重いものは秤量の大きな台ばかり、小さく計量なら秤量の小さな上皿ばかりがおすすめです。手ばかりは、旅行用の手荷物を計量するときに向いています。
量り売りや調剤など業務用にはかりを使う場合、特定計量器の検定を通った製品でなくてはなりません。特定計量器であるなら、目盛り盤のどこかに正マークと呼ばれる証印がついているはずです。用途に沿ったはかりを選んで、精密な計量を行っていきましょう。