オイラーとは油差しとも呼ばれ、機材のメンテナンスに使われる注油工具です。自転車やバイクのチェーンにオイルを差す、ブレーキフルードから古いオイルを吸引するといった作業に欠かすことができません。工具としてだけでなく、調味料やサラダ油を入れるキッチン用品としても使われています。
オイラーは幅広い用途を持っているだけに、販売されている商品は多彩なラインナップが見られます。エーゼットやエスコなどから販売されているオイラー容器はどのように選べばよいのでしょうか。容器のサイズ・素材・ノズル形状といった違いから、おすすめの製品をご紹介します。
オイラーの使い方
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オイラーは液体を貯めておけるボトルと、液体を通すためのノズルから構成されています。基本的な使い方は、やはりボトル内のオイル・薬液を差したい箇所へ滴下することです。オイラーを傾けたり、容器を軽く握りこんだりすることで滴下量を調整できます。
別の使い方では、溜まっている液体を抜き取るためにオイラーが使われることもあります。たとえばバイクのブレーキフルードを交換するとき、オイラーと耐油チューブを組み合わせることでエア抜きの道具にできますし、マスターシリンダーから古いオイルを吸引する目的にも使えます。このような用途であれば細長いノズルが便利でしょう。
なお、オイラー容器に入れたオイル・薬液はキャップをしめた状態でしばらく保管できますが、もともとの保管容器に比べると劣化が早まります。なるべく使用する分だけをオイラーに入れて、早めに使いきるようにしましょう。
オイラーの選び方
オイラーの選び方のポイントは、容量・容器の材質・ノズル形状の3点です。また、ノズルやボトルに機能が付属していれば、より使いやすくなります。
容量から選ぶ
一般的に売られているオイラーは100~400mlの容量で、一定量のオイルを使う機械類の整備に便利です。一方、15~20mlのオイラーは狭所用として使われ、針のようなノズルを持っています。
100~400ml程度のノーマルなタイプ
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100~400mlのオイラーは立てたまま保管しやすく、整備作業で広く使われるサイズです。この範囲から容量を選ぶのであれば、入れる液体の性質に合わせて考えるとよいでしょう。
100mlのような小さめのボトルは劣化が早い・少量で十分な薬液向きです。劣化が遅い・大量に使うオイルは400mlなど大きめのボトルが向いています。
ポピュラーなサイズであるため、互換性のあるノズルが数多く販売されているのも特徴です。ボトル自体はそのままに、ノズルだけを替えていくことで用途を広げられます。
15~20ml程度の少量タイプ
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小さめのボトルに極細ノズルが付いた、狭所・精密注油用のオイラーです。入り組んだパーツの中で一箇所にオイルを差すときや、ネジの根元に潤滑油を注入するといった用途に向いています。容量は小さいものの、価格はノーマルなオイラーよりも高めです。
また、極細ノズルは衝撃に弱く油漏れが起こりやすいため、丁寧に扱う必要があります。
容器の材質から選ぶ
オイラーに使われる容器は、プラスチック・金属の2種類です。材質によって容器の硬度・寿命が異なるだけでなく、入れられる液の種類も変わります。
柔らかく加工もしやすいプラスチックボトル
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オイラーのほとんどはプラスチックボトルです。製造コストが低く値段は安価で、それでいて一定の耐油性をそなえているため、油差し容器として適しています。軽量であることも使いやすい点のひとつでしょう。
容器は柔らかく、耐久性があまり高くはありません。長期間の使用によってプラスチックが劣化してしまうため、定期的な交換が必要です。
ただし、柔らかい容器は握りこむことで液量を調整ができます。底を切断したり穴をあけたりといった加工しやすい特質も持っているため、悪いことばかりではありません。
耐久性・寿命に優れた金属製ボトル
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容器本体がスチール・ステンレスなどの頑丈な金属で作られていて、落下の衝撃などに強くなっています。容器を握り込んでの液量調整はできないため、採用されているのはトリガー付きのノズルです。プラスチックボトルに比べると重量がかさむものの、容器の寿命は長くなっています。
スチールボトルは油類を入れるのであれば問題なく使えますが、水分を含んだ薬液をいれると容器が劣化してしまいます。また、外側から水分に侵されることも好ましくないため、保管には注意が必要です。
ノズル形状から選ぶ
オイラーの使いやすさはノズルで決まります。容器本体を傾けたり、絞るように握ったりする必要があるのは縦型・精密・横型ノズルです。ピストルノズルはトリガーを押し込むだけでオイルを出すことができます。
広く採用されている縦型ノズル
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縦にまっすぐ伸びたテーパー型のノズルで、オイラーのノズルとしては一般的な形状です。複数本を持っていても、立てておけばスッキリと収納することができます。
内容量が多いときは少しずつ傾ければオイルは出ますが、中身が少なくなってきたときはほぼ逆さまにして使うことになります。間違えると大量に出してしまうので、粘度のある液体を入れて使うとよいでしょう。
極細の精密ノズル
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精密ノズルは少量タイプのオイラーで採用されています。縦型ノズルよりも部品の隙間に差し込みやすく、チェーンの接合部にまでオイルを浸透させやすい作りです。狙った箇所にのみオイルを差したいときに重宝します。
こちらもサラサラした液体を入れると簡単に漏れてしまいますから、粘度のある潤滑オイルが向いています。開閉によりオイル流量を調整できるバルブ付きがおすすめです。
最後まで使い切りやすい横型ノズル
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ノズルが横向きについているタイプです。容器を握りこむと、容器底までとどく吸い上げパイプがオイルを吸い上げて、ノズル先から噴射します。内容量が少なくなっても、縦型ノズルのように容器を逆さまにする必要がありません。
横型ノズルはオイルの取り込み口から噴射口まで距離があるため、粘度の高いオイルはあまり向いていません。粘度の低いサラサラしたオイルであれば、少し容器を絞るだけで簡単に出てきます。
噴射できるピストルノズル
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横型と同じようにノズルが横を向いていて、トリガー部を引くことでオイルを噴射します。他ノズルのように容器を絞る必要がないため、容器を傷めにくいのが最大の特徴です。連続してオイルを指しやすく、油漏れも発生しにくくなっています。
ピストルノズルをつけたオイラーであれば、サラサラしたオイルを入れて使うようにしましょう。粘度の高いオイルは噴射しにくく、ノズル先からポタポタ垂れるだけになってしまいます。
機能から選ぶ
オイラーについていると便利な機能を見ていきます。機能の有無で値段はほとんど変わらないため、性能が同じなら機能付きがおすすめです。
角度を変えられるソフトノズル
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ノズルが柔らかい金属からできていて、使いやすい角度に変えられます。縦型・横型といった形状ではノズルを入れにくい複雑な部品の間でも、ソフトノズルであれば楽にオイルを差せるでしょう。
用途が決まっているのならノズルを曲げていた方が便利ですが、専用キャップに収まらなくなるのは難点です。使用後はまっすぐに戻すか、先端部のみを覆えるキャップを探すと便利です。
長さを変えられる伸縮ノズル
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ノズルを出し入れすることで、使いやすい長さに調整できる機能です。普段はノズルをしまっておけば、収納や持ち運びの際に困りません。使用するときにはノズルを引き出して差したい箇所に当てられます。
引っ掛けられるキャップフック
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ノズルの後部にフックがついていて、指や工具ベルトに引っ掛けやすくなっています。持ち運びが簡単になるだけでなく、指が滑っても落としにくい機能です。
ただし、フックに引っ掛けただけの状態で保管しないようにしてください。フックがついているのはノズル側のパーツであり、オイルはボトル側に入っています。フックだけで重量を支えていると2つの部品に隙間ができやすくなり、油漏れやノズルの破損に繋がります。
残量が把握できる目盛り付き
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半透明のボトル側面に目盛りがついているオイラーは、残りのオイル量がどのくらいかを数字で判断できます。足りないと思えば作業前に補充すればよいので、作業途中でオイル切れになりません。補充をする時にも正確な計量ができるため、作業に必要な分だけを入れてオイルの劣化を避けることができます。
オイラーのおすすめ人気ランキング9選
オイラーの人気商品を9個ピックアップしてご紹介します。安価なオイラーであれば縦型ノズル、使いやすさなら横型・ピストルノズルがおすすめです。
1位 フルプラ ジェットオイラー スタータテ型 180mL NO.200

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サイズ:206 × 58 mm
ノズル長さ:110mm
重量:25g
容器の材質:プラスチック
ノズル形状:縦型ノズル
機能:-
使いやすいオイラーがほしい方におすすめ
長い縦型ノズルのオイラーです。安価なため性能は必要最小限ですが、本体が柔らかい特徴を持っています。握りこんで注油していくのに便利な製品です。
2位 ガレージ・ゼロ オイラー 180ml GZAR02

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サイズ:221 × 60 mm
ノズル長さ:約100mm
重量:-
容器の材質:プラスチック
ノズル形状:縦型ノズル
機能:キャップフック 目盛り付き
目盛り付きにより正確な注油ができる
こちらも安価なオイラーですが、持ち運びしやすいキャップフックと目盛りが付いています。スクーターのギアオイルのように、100cc程度のオイル交換が必要な使い方にピッタリです。
3位 フルプラ ジェットオイラー 携帯用油さし 500mL NO.205

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サイズ:396 × 80 mm
ノズル長さ:200mm
重量:70g
容器の材質:プラスチック
ノズル形状:縦型ノズル
機能:伸縮ノズル キャップフック
ブレーキフルードの交換に最適
金属製の伸縮ノズルを採用したオイラーです。最大で200mmまでノズルを伸ばせるため、奥にある部品にオイルを差したいときに便利でしょう。ブレーキフルードのオイル缶は500mlが多く、この容器ならちょうど移し替えられます。
4位 フルプラ ジェットオイラー ラッパ型 200mL NO.317

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サイズ:200 × 86 × 68 mm
ノズル長さ:120mm
重量:31g
容器の材質:プラスチック
ノズル形状:縦型ノズル
機能:キャップフック
倒れにくいラッパ型オイラー
立てた状態での安定感がよく、縦長のオイラーのように簡単には転がりません。ただし、握りこみづらいので粘度の低いオイルを入れると使いやすいです。
5位 フルプラジェットオイラー スターヨコ型 180mL NO.201

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サイズ:140 × 150 × 58 mm
ノズル長さ:87mm
重量:31g
容器の材質:プラスチック
ノズル形状:横型ノズル
機能:キャップフック
さまざまな液剤を入れられるオイラー
オイルを差しやすい横型ノズルを採用したオイラーです。油だけでなく薬品や接着剤を入れても使えるとされています。
なお、キャップフックはありますが上向きのため、ストラップホールに紐を通して使うとよいでしょう。
6位 エーゼット オイラー ストレートノズル 250ml PET製 PH250

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サイズ:-
ノズル長さ:約95mm
重量:-
容器の材質:プラスチック
ノズル形状:ピストルノズル
機能:-
見た目のよいピストルノズルオイラー
透明度の高いPET樹脂を使用して、中に入っているオイルを見えやすくしています。キャップフックはありませんが、上部には引っ掛ける用途に使える金具付きです。オイルが上がってきて漏れるという評価があるため、ボトルいっぱいにオイルを入れるのではなく、半分程度に抑えた方がよいでしょう。
7位 エーゼット 狭所用オイラー DX 15ml ハード針ノズル付 PN018

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サイズ:-
ノズル長さ:67mm
重量:-
容器の材質:プラスチック
ノズル形状:精密ノズル
機能:-
オイルを正確に差したいときに便利なオイラー
細長い針状のノズルを持った、細部のメンテナンスに使いやすいオイラーです。主に自転車の整備やラジコン組み立てに使用されていて、細かい部品の奥など手の届きにくい場所にもノズル先が届きます。機材整備をこなす方も1本持っておくと重宝するでしょう。
8位 エーゼット 狭所用オイラー DX 15ml ソフト針ノズル付 PN017

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サイズ:-
ノズル長さ:67mm
重量:-
容器の材質:プラスチック
ノズル形状:精密ノズル
機能:ソフトノズル
細長いノズルを曲げられる製品
こちらはノズルを曲げられるソフト針を採用しています。ロードバイクのチェーン・ギアの手入れならしっかり差せるこの商品がおすすめです。
ノズル根元のネジで流量を調整できますが、オイル漏れが起こりやすいという評価もあるため注意してください。なお、PN018、PN017ともにノズル内径は約1.0mmです。
9位 エーゼット 狭所用オイラー 15ml 極細針ノズル付

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サイズ:ー
ノズル長さ:ー
重量:ー
容器の材質:プラスチック
ノズル形状:精密ノズル
機能:ー
より細かな注油ができる極細ノズル
商品名に極細と付いているように、内径0.3mmの針ノズルを採用したオイラーです。自転車のチェーン注油以外にも、工具類の整備やネジ根元へのオイル差しに使いやすいでしょう。ノズル根元からオイルが漏れやすいと言われているため、強く押しこまないようにしてください。
おすすめの商品一覧
製品 | 最安値 | 評価 | リンク |
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73円 |
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3.53 |
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![]() エーゼット 狭所用オイラー DX 15m……
8
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324円 |
4.34 |
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9
|
378円 |
4.32 |
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まとめ
オイラーを選ぶのであれば、使い方に合わせてポイントを見ていきましょう。バイク・自動車のギアオイル・ブレーキフルード交換なら容量100~400ml、自転車のチェーン注油は細かくオイルが差せる15~20mlが向いています。容器の材質はプラスチック製が安価かつ種類も多くなっています。
オイラーの性能はノズルが大部分を占めるといってもよいため、ノズル選びを重視するとよいでしょう。安価な縦型、使い勝手のよい横型やピストルノズル、細かい作業に適した精密ノズルなどがあるので、目的に合わせて選んでください。