ツインヘッドハンマー、2wayハンマーとも呼ばれる打撃工具・コンビハンマー。基本的な使い方はハンマーと違いがないものの、ヘッド素材が左右で異なっていることにより、使い道はより広くなっています。
コンビハンマーを探してみると、京都機械工具やベッセルなどの工具メーカーから多彩なヘッドの種類・組み合わせが展開されていて、商品選びに戸惑ってしまうかもしれません。ここではコンビハンマーに採用されるヘッド素材ごとの特徴・用途や機能についてご紹介します。4種類のヘッドパターンの中から、自分にあったコンビハンマーを選んでみてください。
コンビハンマーの用途
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コンビハンマーは普通のハンマーと同じように叩く用途で使われます。ですが、2つのハンマーヘッドを活かすなら、異なる2つの素材を扱う作業で用いるのが一番です。
たとえば棚を組み立てるとき、木材と金具でハンマーを使い分けるのは面倒ではありませんか。ゴム・鉄のヘッドを持つコンビハンマーなら、木材はゴム面で、釘打ちは鉄面で行えます。また、配管作業であれば樹脂と鉄、ゴムと鉄などの組み合わせが便利です。このように、ヘッドの組み合わせによってさまざまな用途に役立てられます。
一方で、普段から1つの素材を扱うケースには不向きです。たとえば鉄工作業であれば鉄素材のハンマーだけを使うことになり、ウッド・ゴム・樹脂ヘッドは出番がありません。コンビハンマーが活躍するのはDIYのように多彩な使い方をする場合や、プロの作業場なら釘頭や木組みの確認の時です。
コンビハンマーの選び方
コンビハンマー選びでは、なによりもヘッドの組み合わせを重視しましょう。ヘッド素材に何が使われているのかによって、ハンマーとしての使い道が決まります。その後に用途と適合するヘッド径や便利な機能も見て選ぶようにしてください。
ヘッドの組み合わせから選ぶ
ハンマーのヘッドは、打ち付ける素材にあわせて替えるのが工具使用のルールです。鉄釘であれば鉄製ヘッドを、木釘であればウッド製ヘッドを使います。打ちつける対象より硬すぎると素材の割れ・欠けを生じますし、柔らかければヘッドが傷んでしまいます。
ここではコンビハンマーのヘッドに使われている4種類の素材を見ていきます。組み合わせの違いはあっても、各ヘッドの持ち味は基本的に変わりません。ハンマーを使う素材を想定しながら選んでください。
採用している製品が多い鉄製ヘッド
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普通の鉄製ハンマーが市場でたくさん出回っているように、コンビハンマーにおいても鉄製ヘッドはポピュラーです。多数のコンビハンマーが鉄製ヘッドを採用している理由は、やはり金属部品を扱うことが多いからでしょう。
鉄製ヘッドは強い打撃を与えられることから、柄の端付近を握って大きなモーションで打ち付けていくことがあります。このような用途で使っていく場合、柄はなるべく長い方が便利です。柄が長いほど、ヘッドにかかる力は強くなります。
鉄製ヘッドによく使われている素材は高炭素鋼です。ヘッド部を一体成型している商品であれば十分な強度が期待できます。
多彩な硬度がある樹脂製(プラスチック)のヘッド
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樹脂製ヘッドは鉄製ヘッドと並んでコンビハンマーによく使われています。使用される素材はポリ塩化ビニルやポリエチレン、ウレタン、エラストマー樹脂などです。素材によって硬度が変わるため、硬度を変えた樹脂素材を組み合わせたコンビハンマーも見られます。
また、樹脂製ヘッドの多くはネジ式で取り付け・取り外しができるようになっています。用途にあわせてヘッドを交換すれば、1本何役もの活躍を見せてくれるでしょう。ヘッドが摩耗して傷んでも交換用ヘッドに換えるだけで使い続けられます。
柔らかい木材への打ち付けにはゴム製ヘッド
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ゴム製のヘッドは柔らかく、木材の加工に最適です。ダボ継ぎ・ほぞ継ぎや木釘を打ち込むために木材表面を叩いても傷がつきにくくなっています。半面で、鉄クギやかすがいのような金具を打ち込もうとするとハンマーヘッドに傷がつくため不向きです。
ゴム製ヘッドのコンビハンマーは、大きく振りかぶって使用することはあまりありません。大抵はヘッド付近を持ってトントンと打ち込む用途で使われます。そのため、柄の長さはやや短めでも問題ないでしょう。
ゴム製ヘッドの欠点は劣化や欠けが起こりやすいことです。保管が悪いとゴムが硬くなってひび割れたり、逆にたるんで変形することもあります。
素材を傷めにくく耐久性もあるウッド製ヘッド
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ウッド製のヘッドは、ゴムハンマーと同じように木材加工・組み立てに使えます。ゴム製ヘッドと比べると劣化しにくく、やや硬めの素材でもヘッドが傷みにくいのが利点です。DIYで使用するコンビハンマーを探しているなら、ウッド素材のものを選んでみるのもよいでしょう。
ただし、他素材のヘッドに比べると数が少なめな点に注意してください。ウッド製ヘッドはヘッド部全体を木材にする必要があり、鉄材との組み合わせができません。樹脂・ゴムとの組み合わせに限られるのも少なさの理由です。
ヘッド径から選ぶ
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ハンマー類はヘッド径が数種類存在します。コンビハンマーに限定すれば40~15mm程度の幅ですが、ヘッドの大きさによって用途や使える場面が変わるため注意してください。
たとえば木のほぞ継ぎであれば、木材表面を叩いてほぞに差し込んでいくため、ヘッド径はなるべく大きめが適しています。ウッド製ヘッドであれば径は大きいはずですが、ゴム製・樹脂製ヘッドを木材加工に使うなら大きめのヘッドを選びましょう。
釘を打つ用途であれば、ヘッド径はそれほど求められません。細い隙間や角に釘を打ち込んでいくこともあるため、大きなヘッドは邪魔になることもあります。釘打ちを目的にするならヘッド径は小さめが便利です。
機能から選ぶ
コンビハンマーの特徴は2種類のヘッドであるため、付属機能もヘッド周りに収束しています。連続での打ち付けをしやすいショックレス機能、買い替えを最小限にしてくれるヘッド交換機能について見ていきます。
打撃の反動を抑えてくれるショックレス機能
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無反動機能とも呼ばれる機能です。この機能を採用しているハンマーは2つの特徴を持っています。1つは金属ハンマーと同じくらいの打撃力を持つこと。もう一つは打ち付けても素材からの跳ね返りが起きず、打撃が柄まで伝わらないことです。
ヘッド内部には空洞が設けられており、その中に小型の鋼部品が入っています。ハンマーを打ち付けると鋼部品はヘッド前方、つまり打撃面へ動き、打撃の反動を受けて後方へと流れます。内部でエネルギーの移動を起こすことで打撃力を増しつつ、反動は鋼部品が受け持ってくれる仕組みです。
用途をさらに広げてくれるヘッド交換機能
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ヘッド部分を交換できるコンビハンマーであれば、打ちつける対象物によってヘッドを交換したり、損耗したヘッドを交換して長く使い続けられます。ヘッド交換機能を持っているのは樹脂製ヘッドが多く、次いでゴム製、鉄製にも採用しているモデルが見られます。ウッド製ヘッドでは採用されていません。
コンビハンマーの交換ヘッドは、取付方式によってネジ式・圧入式の2つがあります。ネジ式はヘッドを回すことで開け閉めできるタイプです。取り付け・取り外しが簡単なため、樹脂製・ゴム製ヘッドで多く採用されています。ただし、ハンマーは打撃工具であるため、使っていくうちにネジが緩むのがデメリットです。
圧入式はナイロン樹脂でガッチリと固定するタイプで、鉄製・樹脂製ヘッドに採用されています。圧入固定なのでヘッドと本体の接合は非常に頑丈です。一方で取り付け・取り外しは難しく、ヘッドを万力に固定して交換を行います。圧入式の場合は気軽な交換用ではなく、損耗したヘッドを取り替えるための機能です。
コンビハンマーのおすすめ人気ランキング10選
コンビハンマーの中でも人気のある製品を10個ご紹介します。それぞれの想定用途も記載しますので、ぜひ参考にしてください。
1位 Strong TooL 2WAYハンマー

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全長:294mm
ヘッド径:30mm
重量:320g
機能:ヘッド交換
用途が幅広く使いやすさが魅力
30mmのヘッド径を持つ、ゴム・樹脂製のコンビハンマーです。どちらも対象物を傷つけにくいヘッドのため、木材加工や金具の取り付けなどの作業に向いています。金属製品の加工に使用するのもよいでしょう。
柄はスチールパイプを採用しています。頑丈で折れにくいため、強い打ち込みをしていく作業に最適です。カーブ付きのグリップは滑りにくく、スムーズな作業を助けてくれます。
用途では自転車の修理や家具組み立て、ポンチ打撃用に使っている方が多く見られました。本体のほどよい重さとヘッドの硬さにより使い勝手がよいと高い評価を受けています。DIYやちょっとした修理作業に1本持っておくと重宝する、おすすめのハンマーです。
2位 PB SWISS TOOLS 無反動コンビネーションハンマー 304-4

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全長:345mm
ヘッド径:35mm
重量:530g
機能:ヘッド交換、ショックレス構造
ショックレス機能付きの高品質ハンマー
スイスの工具メーカーが送るコンビハンマーです。ヘッドの組み合わせは鉄・樹脂であり、機械の修理・整備から釘の打ち付けまで使えます。樹脂側ヘッドは丸面のため、対象物表面近くの釘打ちでも傷を残しにくくなっています。
無反動と商品名についているように、ショックレス機能つきです。ヘッドのセンター内にディスクが内蔵されていて、ハンマーの振りに応じて動きます。打撃をしっかり伝えて反動は打ち消すため、連続して使っても疲れにくいのが特徴です。
ヘッドは圧入式なので、交換時には万力で固定しないとスムーズに取り外せません。接合が固くて取り外せないときは、お湯で温めるとナイロン樹脂が緩むので試してみてください。
3位 SUN UP コンビハンマー ウッド&ゴム GW-45

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全長:340mm
ヘッド径:45mm
重量:240g
機能:-
DIYに便利なウッド・ゴム製ヘッドのコンビハンマー
ウッド・ゴムを組み合わせたヘッドを持っています。ウッド面による固い打ち付け、ゴム面での柔らかい打ち付けを1本でこなせるため、木材加工・内装作業・分解作業などで活躍します。
ヘッド径が45mmと大きく、広い面積に打撃を加えるのに向いています。DIYでちょっとした木組みをしたい、古い什器を壊したいなら1本持っておくとよいでしょう。
柄後部には吊り下げヒモがついています。壁に下げて収納するのはもちろん、工具ベルトにぶら下げたまま移動もできます。組み立て時から最後の調整にまで活躍するハンマーです。
4位 ベッセル ゴムプラハンマー No.77-10

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全長:315mm
ヘッド径:32mm
重量:430g
機能:ヘッド交換
ハンマーとしての使いやすさにこだわった一本
国内有名工具メーカーのベッセル製コンビハンマーで、建具の組み立て・木材加工に最適なゴム・樹脂製を組み合わせています。ヘッド径が大きく、重量バランスも考えられているため、打撃をしっかりと与えられるでしょう。
柄にはゲルグリップを採用しました。ピンが貫通しているため十分な強度を持ちつつ、打撃の衝撃を吸収してくれるので持ち手が疲れにくくなっています。エラストマー樹脂の滑り止めハンドルには出っ張りがあり、しっかりと握れて滑らない作りです。
5位 PHOENIX コンビハンマー

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全長:260mm
ヘッド径:25mm
重量:175g
機能:ヘッド交換
軽量のため車載工具にも使える
DIYやちょっとした車両整備に使いやすいゴム・樹脂のコンビハンマーです。ゆるやかな曲線を描くグリップは握りやすく、作業中の持ち疲れやすっぽ抜けを防いでくれます。
重さがとても軽く、持ち運びにも不便しません。ただし、強い衝撃を加えるには重量不足です。この商品は全ての作業に使おうとせず、補助用や緊急時のための工具と考えた方がよいでしょう。
6位 長谷伸ハンマー コンビハンマー ゴム&プラ

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全長:280mm
ヘッド径:20mm
重量:308g
機能:ヘッド交換
コスパが良好な組み立て用ハンマー
とても安価なコンビハンマーで、ヘッドの組み合わせはゴム・樹脂です。どちらも対象物を傷めにくいので、家具の組み立てや金属什器の設置にも使いやすいでしょう。固いボルトを緩めるのにも便利です。強く叩きすぎるとヘッドが破損したり、交換部分のネジが緩む可能性があります。
7位 KTC コンビハンマ 1ポンド UD710

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全長:315mm
ヘッド径:32mm
重量:730g
機能:ヘッド交換(樹脂側のみ交換可能)
強く叩いても折れにくい強度が魅力
京都機械工具製で、機械整備に使いやすい鉄・樹脂の組み合わせです。頭部と柄部は圧入によって接合され、中にピンを貫通させて折れにくくなっています。重さ・全長・ヘッド径はいずれも強い衝撃を与えるのにピッタリなサイズです。なお、この製品もヘッド交換は樹脂側のみとなっています。
8位 OH コンビハンマー CH-10

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全長:300mm
ヘッド径:33mm
重量:580g
機能:ヘッド交換(樹脂側のみ交換可能)
サイズと重量のバランスがとれているコンビハンマー
DIYの木材組み立てはもちろん、機械の修理や車両整備にも使える鉄・樹脂のコンビハンマーです。33mmのヘッド径・300mmの全長と大型ですが重量はほどほどで、バランスのよい重さと評価されています。ヘッド交換機能はついていますが、鉄製ヘッドは交換ができません。
9位 アネックス ミニ・コンビハンマー No.9012

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全長:245mm
ヘッド径:14mm
重量:118g
機能:ヘッド交換
小型ヘッドにより細かい作業に適している
鉄・樹脂のコンビで、釘を使った木材加工や鉄製の小物細工にも向いています。ヘッド径が14mmと小さいため、狭い場所への釘打ち・打ち付けが行えます。重量は軽いため、大きな衝撃を加えるためではなく、小刻みにトントンと打っていく用途で使いましょう。
10位 STRAIGHT プラスチック&ラバーハンマー 19-773

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全長:310mm
ヘッド径:40mm
重量:870g
機能:ヘッド交換
木材加工や木組みの確認に便利なハンマー
ゴム・樹脂のコンビで、木材加工に適した組み合わせです。ヘッド径は40mmと大きめなので、ダボ継ぎ・ほぞ組みに重宝するでしょう。重量は870gで、腰にぶら下げて動くには重めなのがネックです。
おすすめの商品一覧
製品 | 最安値 | 評価 | リンク |
---|---|---|---|
![]() Strong TooL 2WAYハンマー
1
|
301円 |
3.8 |
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![]() PB SWISS TOOLS 無反動コンビネー……
2
|
5,200円 |
4 |
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![]() SUN UP コンビハンマー ウッド&ゴ……
3
|
542円 |
|
|
![]() ベッセル ゴムプラハンマー No.77-10
4
|
1,139円 |
|
|
![]() PHOENIX コンビハンマー
5
|
357円 |
3.75 |
|
![]() 長谷伸ハンマー コンビハンマー ゴ……
6
|
399円 |
4 |
|
![]() KTC コンビハンマ 1ポンド UD710
7
|
1,980円 |
3.91 |
|
![]() OH コンビハンマー CH-10
8
|
970円 |
4.15 |
|
![]() アネックス ミニ・コンビハンマー ……
9
|
646円 |
3.2 |
|
![]() STRAIGHT プラスチック&ラバーハ……
10
|
1,242円 |
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ヘッドの硬度は用途に合っているか確認が必要
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コンビハンマーはヘッドの使い分けができて便利な工具です。しかし、正しく使っていくためには、用途にあわせてヘッドを切り替えていく必要があります。たとえば鉄・樹脂のヘッドで木材に鉄釘を打っていく場合、途中までは鉄面で打ち、木材表面近くでは樹脂面で打つのが正しい使い方です。
また、同じ素材のヘッドでも硬度は異なります。樹脂であれば硬度順にナイロン、ポリエチレン、PVCと柔らかくなっていきます。鉄についても同様で、ひとくちに炭素鋼と言っても熱処理によって硬度は違うものです。強い打撃を加えるならヘッドの硬度をとくに注意しましょう。
まとめ
コンビハンマーは2種類の打撃ヘッドを持っています。ヘッド素材の組み合わせによって使い道が異なるため、用途に合った製品を探していきましょう。樹脂製ヘッドを中心に、硬い素材を打ち付けるなら鉄・ウッド、柔らかい素材ならゴムがおすすめです。
ハンマーのヘッド径や付属機能も使用感を左右します。専用工具ではなく多機能工具と考えて、使いやすさを重視して選んでみてください。