ラチェットレンチよりもっと大きなトルクでボルトやナットを回したい場合、インパクトレンチを使う場面が多いでしょう。動力でボルトナットを着脱できるので、力を使わず効率よく作業することができます。インパクト用ソケットはラチェットレンチ用ソケットに比べ、見た目・大きさ・硬さが異なり、使用用途によってインパクト用ソケットを使い分ける必要があります。
インパクト用ソケットはコーナン・KTC・TONEといったメーカーがあり、一般的なソケット・ロングソケット・ヘキサゴンソケットなど使用用途にあったソケットが存在します。そこで今回は、インパクト用ソケットの目的にあった選び方とおすすめ商品をご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
ハンドソケットとインパクト用ソケットの違い
一般的にハンドソケットは人の力で回すラチェットに差し込むソケットのことを指し、インパクト用ソケットは動力で回すインパクトレンチに差し込むソケットのことを指します。
インパクト用ソケットを買ったつもりが間違ってハンドソケットを買ってしまった!とならないようにハンドソケットとインパクト用ソケットの違いをしっかりと確認しておく必要があります。
トルクの違い
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ハンドソケットはラチェットに差し込んで使います。人力でねじを回すのでトルクは人間の力となります。ラチェットの柄を長くすればよりトルクが大きくなります。
錆ついたボルトを外す時、ラチェットではボルトが回らないことがあります。
一方、インパクト用ソケットはインパクトレンチに差し込んで使います。動力でねじを回すので、人力で回すラチェットに比べ、最大トルクは大きくなります。
インパクトレンチは種類によって最大トルクが決まっているので、締めすぎると製品を傷める危険があります。
見た目の違い
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ハンドソケットの見た目は、表面が銀色で光沢がありピカピカしています。これはメッキ加工と言って、錆にくい様にコーティングしています。また、手触りはツルツルしていて触り心地は非常に良いです。しかしメッキは衝撃に弱く、少しでもメッキが剥がれるとそこから徐々にめくれが広がります。
一般的な一方、インパクト用ソケットの見た目は、黒くてツヤがなく重圧感があります。メッキをしない理由としては、インパクトソケットは高速に回転しトルクがかかるので、メッキが剥がれる恐れがあるためです。剥がれたメッキで指を怪我しないために工夫しているんですね。メッキをしていなくてもリン酸皮膜処理をしているので、腐食には強いです。
また、インパクト用ソケットはトルクが大きいので、ハンドソケットに比べ外形が肉厚に設計されています。(ハンドソケットと同じ外径の薄肉インパクト用ソケットも販売されています。)
インパクト用ソケットの選び方
14㎜のソケットを買おうとしても、差し込み角は
- ・1/4(6.35㎜)
- ・3/8(9.5㎜)
- ・1/2(12.7㎜)
の3種類あります。ではどれを選べばいいでしょうか?答えはあなたが持っているインパクトレンチに合うものを選びましょう。
インパクトレンチの差し込み角とインパクトレンチ用ソケットの差し込み角が合わなければ使い物になりません。また、着脱するボルトナットによってソケットを使い分ける必要があります。ソケットのかかりが甘いのにインパクトレンチを回してしまうとボルトの頭が痛んでしまったり、ソケットが変形してしまう恐れがあるからです。
また変形したソケットを使い続けると、思わぬ怪我につながる可能性があるのでボルトの頭にしっかりソケットがはまり込むことを確認してインパクトレンチを使いましょう。それでは、インパクト用ソケットを選び方や、使用用途によってどのインパクト用ソケットを使えばいいのかを見ていきましょう。
差し込み角の寸法を確認
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ソケットの差込口は
- ・3/8インチ(9.5㎜)
- ・1/2インチ(12.7㎜)
- ・3/4インチ(19.0㎜)
- ・1インチ(25.4㎜)
の4種類あり、一般的には差し込み角3/8インチ・1/2インチが良く使われています。差し込み角が3/4インチ・1インチは重機のボルトナットを締める際に使ったりバスやトラックのホイールナットを着脱する際に使います。
ソケットの差込口の大きさによって最大トルクが大きくなり、最大トルクは3/8インチ・1/2インチ・3/4インチ・1インチの順に大きくなります。インパクト用ソケットを買う前にあなたがお手持ちのインパクトレンチの差し込み凸の寸法を測ってみましょう。
ソケット形状を確認
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ソケットの形状は6角と12角が一般的に多く出回っています。一方で4角・8角・12角の特殊なソケットもあります。では6角と12角どちらを選ぶべきなのか?というと、最大トルクは6角も12角も同じなのでどちらでも選んでも問題ないです。
6角ソケットのメリットは、12角ソケットに比べボルトはなめにくいです。特にさび付いたボルトを取り外す際は12角ソケットより6角ソケットの方がなめにくいです。
12角ソケットのメリットは、6角ソケットに比べボルトにソケットを入れやすいです。ボルトにソケットを入れる際に6角ソケットの場合、60°回さないとボルトに入りません。12角ソケットなら30°回すとボルトに入ります。
錆び付いているボルトを取り外す場合は6角ソケット。錆はなく、取り外すボルトが多い場合は12角ソケットを使いましょう。
使用用途で選ぶ
インパクト用ソケットを使う場合、使う場所によってソケットを交換する必要があります。奥行が深い場所のボルトを取り外す場合、肉厚のソケットでは入らない場所など、作業する環境によって適正なソケットを選ぶ必要があります。
それでは、ソケットの選び方を使用用途に分けてみていきましょう。
一般的に使われるインパクト用ソケット
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ボルトやナットを着脱する時に一番多く使われるのがインパクト用ソケットです。インパクトレンチをお持ちの方は一般的に使うインパクト用ソケット所持しています。
使う頻度が高い分、メンテナンスは定期的に行った方が長持ちします。
深い箇所のナットに最適な ロングソケット
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インパクト用ソケットでは届かないボルトナットを着脱するときに使うロングソケット。長さは50㎜から150㎜程まであります。「アダプターの選び方」で紹介しますが、エクステンションバーを繋げるとさらに長いソケットになるので、奥行が深いところの作業に適しています。
六角穴付きボルトに最適な ヘキサゴンソケット
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六角穴付きボルトを着脱するときに使うヘキサゴンソケット。六角穴付きボルトを着脱する際は、六角棒レンチを使っている方が多いでしょう。ですが、錆付いた六角ボルトと取り外す時や、作業スペースが十分に確保できない場合だと六角棒レンチは非常に使いにくいですね。
ヘキサゴンソケットを使えば、インパクトが入る作業スペースさえあれば人間の力よりも協力な動力で六角ボルトを取り外し可能です。
車のホイールナットに最適な 薄肉ソケット
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インパクト用ソケットは強い衝撃に耐えるため肉厚で、ハンドソケットに比べ外形が大きいです。インパクト用ソケットで車のホイールナットを着脱するときに肉厚が邪魔してソケットが入りません。
そんなときに使うのが薄肉ソケットです。薄肉ソケットは外径をかなり薄くした設計で、一般的なインパクト用ソケットに比べ耐久性が下がります。トルクオーバーには注意が必要で車のホイール以外では使う機会はほとんどありません。
アダプターの選び方
ソケットの選び方や使用用途によってインパクト用ソケットを使い分けることがインパクトレンチやソケットを長持ちさせるポイントです。それに、使用用途によってソケットを使い分けることによって怪我をするリスクが減ります。
「ボルトにソケットをはめ込むには斜めにしないといけない……」「ロングソケットだけだと距離が足りない……」などのかゆいところに手が届くアダプターも選んでみましょう
ソケットを延長させたい時に エクステンションバー
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奥行きが深く、ボルトにソケットが届かない場合はエクステンションバーを使いましょう。エクステンションバーの長さは50㎜から400㎜と幅広く種類があります。また、エクステンションバー同士結合できるので長さは自由に決めることができます。エクステンションバーにも差し込み角がありますので、注意して選びましょう。
直線作業が困難な時に ユニバーサルソケット
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「ソケットがちょっと曲がればソケットがボルトに入るのに……」作業をしていたらよくあることです。ソケットを曲げたいときにはユニバーサルソケットを使いましょう。ユニバーサルソケットを使う際、回す力が斜めに働くので最大トルクは落ちるので注意しましょう。
差し込み口を変えたいときに アダプター
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インパクトレンチにソケットの差込口が合わない場合、アダプターを使い接続しましょう。アダプターは凸小凹大と凸大凹小の2種類あります。社内や友人にインパクト用ソケットを借り、差込口が違ってもアダプターさえあればお手持ちのインパクトレンチに接続できます。
インパクト用ソケットセットのおすすめ人気ランキング3選
インパクト用ソケットは使用する用途によって使い分けることがわかりました。インパクト用ソケットを初めて買う場合、セットで購入したほうがお買い得です。そして使っていくうちに必要なソケットを追加で購入するスタンスが理想です。それではインパクト用ソケットのオススメ商品をご紹介していきます。
1位 コーケン1/2(12.7㎜)SQ インパクトソケットセット 13ケ組

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重量(g):2000
サイズ:23 x 12.4 x 5.2 cm
セット内容:14400M6角ソケット10,11,12,13,14,15,16,17,19,21,22,24,27
破損を防ぐコーケンのインパクトソケット
コーケンのインパクト用ソケットは硬い=割れにくいという視点で、他企業のインパクトソケットの硬度に比べ硬く作られています。使用頻度が高くても差込口は摩耗せずボルトにがっちりはまるので、重宝します。
2位 KTCヘキサゴンソケットセット

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商品重量 :417 g
ソケット内容:ヘキサゴン:BTP4-06P、08P、10P、12P、14P、17P
六角穴付きボルトを外すにはヘキサゴンソケットセット
KTCはコーケンとは真逆の考え方で、インパクトレンチの強い衝撃に耐えるためソケットの硬度を下げています。KTCのインパクト用ソケットはハンドソケットと比べ柔らかいです。その理由は、硬すぎると弾力がなくなりねじれに対して弱くなるからです。
また、KTSはコーナンに比べ金額は若干高めに設定されています。
3位 TONEプロテクター付きインパクト用薄型形ホイルナットセット

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差込角:12.7mm(1/2インチ)
形状:6角
セット点数:3点
質量:0.67kg
車のホイールナットを着脱するにはTONE
インパクト用ソケットは黒いイメージがあるのですが、TONEのインパクト用ソケットは無電解メッキで美しい仕上がりです。また、ソケットの先端に樹脂プロテクターがあり、ホイールの傷つきを防止できます。色分けもしてあり、サイズも大きく見やすいです。車のホイール着脱ならTONEがおすすめです。
インパクト用ソケットのおすすめ人気ランキング3選
一般的に使用されるインパクト用ソケットで特に人気の商品を3種類ご紹介します。
1位 トップ(TOP) ワンタッチアダプター

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全長:49mm
本体重量:80g
ソケット部外径:24mm
角ドライブ部:12.7mm
材質:SCM435
【用途】:建築・土木工事・自転車・機械設備の組立・解体作業に
ワンタッチで接続可能! 作業効率アップ!
インパクト用ソケットを使う時に、ソケットが勝手に落ちることはありませんか?トップのワンタッチアダプターを装着すれば、ソケットがワンタッチでロックされソケットが勝手に落ちる心配はありません。トップのワンタッチアダプターを使い、作業好悪率アップを図りましょう!
2位 SIGNET(シグネット)インパクト用ユニバーサルジョイント

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幅(mm):28
お手頃価格のユニバーサルジョイント
真っすぐなところに入らない時に便利なユニバーサルジョイント。シグネットのユニバーサルジョイントは強度も強くお手頃価格でお財布に良いです。
3位 トップ(TOP) シャンクアダプター スライドロック式 EPW-4N

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材質:特殊合金鋼
インパクトレンチで6.35㎜のシャンクが使える
インパクトレンチで【電動ドリル用ソケット】や【各種ビット類】が装着できるトップのシャンクアダプター。ビスを着脱したいときに電動ドリルを準備するのも面倒くさいですよね。
トップのシャンクアダプターがあれば、インパクトレンチでビスを着脱することが可能です。また、スライドロック式のため、安全に確実に先端工具が固定でき安心です。
おすすめの商品一覧
製品 | 最安値 | 評価 | リンク |
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![]() コーケン 1/2(12.7mm)SQ. インパク……
1
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9,620円 |
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![]() KTCヘキサゴンソケットセット
2
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7,507円 |
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![]() TONEプロテクター付きインパクト用……
3
|
3,835円 |
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![]() トップ(TOP) ワンタッチアダプター
4
|
2,906円 |
4.1 |
|
![]() SIGNET(シグネット)インパクト用ユ……
5
|
793円 |
4.1 |
|
![]() トップ(TOP) シャンクアダプター ……
6
|
1,529円 |
4.35 |
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インパクト用ソケットを使う前の注意点
インパクト用ソケットの選び方やアダプターの選び方、おすすめ人気商品を紹介しました。すが、インパクトレンチを使う上での注意点もご紹介します。大事故やトラブルになる前に注意点を理解しましょう。
インパクトレンチの回転方向を確認しよう
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ボルトナットを着脱する前に必ずインパクトレンチの回転方向を確認しましょう。ボルトを緩めるつもりがインパクトレンチの回転方向を確認せず、間違えてボルトを締めてしまい、破損してしまった。
なんてことにならないように必ずインパクトレンチの回転方向は確認しましょう。
ソケットがボルトナットにはまり込むか確認しよう
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「ソケットがボルト・ナットにちょっとはまっているからこのまま緩めよう!」と思ってインパクトレンチを回すのは危険です。ボルトナットやインパクト用ソケットがなめてしまう可能性があります。
ボルトナットにソケットのはまり込みが弱い場合はアダプターを使い、ソケットをしっかりとボルトナットにはめ込みましょう。
トルク管理を要求される個所はダメ
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トルク管理でボルトナットを締めこむ箇所でインパクトレンチを使うのはやめておきましょう。必要以上のトルクが掛かってしまい、トラブルの原因になる可能性があります。
トルク管理でボルトナットを締める箇所は必ずトルクレンチを使いましょう。
まとめ
いかがでしたか?今回はインパクト用ソケットセットのおすすめ商品をご紹介しました。インパクト用ソケットはソケットにかかる衝撃が大きいため、コーナン・KTC・TONEなどのメーカー品を選ぶことをおすすめします。
また、インパクト用ソケットを使用する際は注意事項をよく確認の上使用することをおすすめします。あなたに合ったインパクト用ソケットを使い作業効率アップをはかりましょう。