舗装靴または舗装用安全靴は、舗装工事での作業時に履くための靴です。安全靴の中でも舗装工事に特化した性能を持ち、アスファルト・コンクリートを使用する作業での安全性を高めてくれます。
舗装靴を選ぶときに、サイズや使用素材、デザインだけで決めてはいませんか? シモンやノサックス、青木産業などの安全靴メーカーからは、留め具の形式や靴底に工夫を凝らした製品がラインナップがされています。現場作業を安全かつ楽にしてくれる選び方のポイントを見ていきましょう。
舗装靴の用途
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舗装靴は、その名の通り舗装工事の際に履いて使われます。舗装工事では加熱アスファルトのように高温の物体や、レンガ・タイルなど重量のある部材が用いられ、重機類も動き回っています。作業中のアクシデントから足元を守るためには舗装靴が必須です。
普通の安全靴でも足先への落下物には強くできていますが、耐熱性はあまり高くありません。舗装工事に使うなら舗装工事に対応した性能を持つ舗装靴を選んでください。
舗装靴の選び方
舗装靴を選ぶときは、本体の形と機能を見ていきましょう。形状はどれも足首まで覆うブーツ・長靴型です。
足首まわりを固定する留め具の形がどうなっているのかにより、履き心地や着脱のしやすさが変わってきます。どんな留め具がよいかを大体考えてから、機能を具体的に見ていくことをおすすめします。
留め具で選ぶ
舗装靴の留め具の形には、マジックテープ式・レースアップ式・ジップアップ式の3種類が見られます。締めやすさや着脱のしやすさ、履き心地に直結する締め具合の調整がしやすいかで選んでみてください。
簡単に締められるマジックテープ式
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マジックテープとも呼ばれる面ファスナーで、足首に合わせたサイズに締められます。貼り付け・剥がしが簡単で、片手でも着脱できるため、ちょっとした作業にも便利です。
簡単に締められる半面で、使ううちにくっつく力が弱まる欠点があります。また、留めてもズレることがあるため、単独での留め具としての性能はいま一つです。マジックテープ式を選ぶなら、複数箇所で留められるタイプがおすすめです。
好みの締め具合に調整できるレースアップ式
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一般的なブーツと同じように、紐を編み上げて足首まわりを調整するのがレースアップ式です。紐の具合に少し余裕を持たせることで、行動に支障がないように締められます。
しっかりと紐を結べば、マジックテープ式のようにズレることがありません。靴本体が傷んでいないなら、紐だけを交換していけば長く使えるでしょう。見栄えもよいものの、着脱は面倒なのがデメリットです。
締め具合も調整でき、楽に締められるジップアップ式
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ジップアップ式は、線ファスナーがついているタイプです。ファスナーを下ろせば履き口が開き、上げれば締まるので着脱しやすく、すぐに作業にとりかかれます。紐付きなら、締め具合はレースアップ式と同じように調整できます。
ジップアップ式を選ぶなら、ファスナーが隠れるようになっているかをチェックしましょう。ファスナーに強い衝撃が加わると形状が歪んで着脱が難しくなりますし、アスファルトが入り込む可能性もあります。表面からファスナーが見えない構造がおすすめです。
着脱簡単な長靴式のものを選ぶ
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長靴式の製品は留め具がなく、着脱を容易に行えるのがメリットです。ただ、留め具による調整ができないため、足首がきつくなる、逆に大きな隙間ができることもあります。商品に履き口のサイズが書かれていれば、自分の足首まわりと同じか1cmだけ大きい程度のものを選びましょう。
便利な機能で選ぶ
舗装靴は工事などの作業現場で使用するものなので、普通の靴よりも用途に合わせた機能が付けられています。たとえば履き口まわりを工夫してゴミ・砂を入りづらくする、靴底を熱や油に強くする、などです。作業のしやすさや安全性にも関わってくる便利な機能についてご紹介します。
ゴミなどの侵入を防ぐ、履口がゴムとなっているもの
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舗装靴の中に砂やセメントなどの粉塵が入って困る、という経験はありませんか。履き口がゴムになっている製品は足首との隙間ができないため、中にゴミが入りません。また、ズボンのはみ出しを防いで動きやすくしてくれます。
この機能付きの製品は、履き口のサイズをよく確認してください。適切なサイズより小さいと、ふくらはぎにゴムが強く食い込んでしまいます。
裾をとめられるテープ付きのもの
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靴の履き口裏に裾止めテープがついています。ズボンの裾が外に出てダブついたり、砂などが靴の中に入ったりするのを防いでくれるでしょう。皮膚に直接触れる状態にしておくと肌荒れを起こす可能性があるため、この機能付きの製品を使う場合はズボンを靴の中に入れてください。
暗い場所でも安全な反射材付きのもの
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靴表面の一部に反射材を使用し、ライトで照らされると一目で分かるようになる機能です。舗装工事は夜に行われるケースもありますから、重機からの視認性が良くなる反射材付きの製品があれば安心ではないでしょうか。
反射材付きの製品を選ぶなら、反射材が違う向きに2箇所以上ついているものがおすすめです。後方以外に前にも反射材があれば、周囲からの視認性がより良くなります。
足跡が残りにくい靴底デザインのものを選ぶ
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まだ固まっていないコンクリートやアスファルトの上を歩くと足跡が残ります。とくに模様付きの靴底は面あたりの荷重が大きくなり、くっきりと足跡が出てしまうものです。
靴底がフラットで模様の少ない製品は荷重が分散されるため、足跡が残りづらくなっています。作業工程上どうしても上を通らなくてはいけない、うっかり踏んでしまった時にも、足跡が残りにくい靴底なら安心です。
熱による損傷も防ぐ、耐熱・耐油のものを選ぶ
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舗装靴を選ぶなら耐熱性があるものは最重要ですが、折角なら耐油性もある靴を選びましょう。この耐油とは、油による劣化を起こしにくいという意味です。
舗装工事では加熱アスファルトを使用することが多く、厄介なことに油分も含んでいます。一般的にゴムは熱によって溶けやすく、油が染みると膨らんで硬度が落ちたり靴底がはがれたりしてしまいます。耐熱・耐油の舗装靴なら比較的長く使っていけるはずです。
舗装靴のおすすめ人気ランキング7選
ここからはおすすめの舗装靴を7個ご紹介します。人気の高い舗装靴は、いずれも靴裏がフラットソールで、サイズも幅広い層に対応できるように展開しています。耐熱や耐油などの性能も見ながら選んでみてください。
1位 青木 安全靴 舗装用 R-440

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重量:片足約680g
素材:メイン素材 ソフト牛革 / ソール素材 ゴム
機能:反射材
留め具:ジップアップ式
その他:耐熱・耐油・耐薬品、フラットソール
JIS規格合格済みの高品質な製品
安全靴専門メーカーの青木産業製で、高い品質・性能を持っています。留め具はジップアップ式で、ファスナーカバー付きです。上部で留められるので、カバーがめくれることはありません。
この製品はJIS規格に合格していて、T8101で革製SE種に認証されています。SE種のSは普通作業用であり、舗装靴であれば十分な性能と言えるでしょう。Eはかかと部への衝撃分散性を指していて、長時間の作業でも足に負担がかかりづらい性能のことです。
靴底はDRFと呼ばれる技術を採用しており、ソリッドゴム・スポンジゴムの二重構造です。表底のソリッドゴムは熱伝導しにくく、耐油・耐薬品性にも優れています。スポンジゴムは衝撃を吸収してくれる中材です。
生産は国内のJIS認定工場で行われているとのことです。高品質な一方で受注生産のため、気に入ったのなら早めに注文することをおすすめします。
2位 ノサックス 舗装靴 HSKマジック

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重量:両足約1350g(26cmの場合)
素材:メイン素材 牛クロム革+人工皮革 / ソール素材 ゴム
機能:反射材、履き口ゴム仕様
留め具:マジックテープ式
その他:断熱・耐油、フラットソール
安全性と耐久性を兼ね備えたおすすめの製品
ノサックスの舗装靴で、指がかけやすくズレを起こしにくい大型のマジックテープ式です。履き口には赤いゴムが使われていて、砂やアスファルト屑の侵入を防いでくれます。
反射材は後部とワッペンにあり、サイズが大きめです。履き口のゴムは後ろ側に高さを設けているため、ズボン裾がだぶついて反射材を隠してしまうケースを防いでくれるでしょう。なお、ワッペンには余白があるため名前を記入できます。
靴底には断熱材を重層構造で使用しています。直接加硫圧着法により熱が原因でのはがれを起こしにくく、耐油性も高くなっています。コパ部分は丸みを帯びていて、アスファルトが付きづらい形状です。
3位 フジテブクロ 安全靴 舗装用 4E 3256

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重量:片足約639g(26cmの場合)
素材:メイン素材 合成皮革 / ソール素材 ゴム
機能:反射材
留め具:マジックテープ式
その他:耐熱・耐油、フラットソール
3箇所に反射材を付けた大きめサイズの舗装靴
作業用手袋やレインスーツも開発しているフジテブクロの、オリジナル舗装靴です。着脱がしやすい大きめのマジックテープで、靴幅は4Eと大きめなので足を痛めにくくなっています。使用されている鋼鉄製先芯はJIS合格品ではないものの、S種相当とのことなので、舗装作業には問題ないでしょう。
反射材は履き口・後部・マジックテープと3箇所につけられています。周囲からの視認性がよく、装着者の安全に貢献してくれるでしょう。フラットなラバーソールは耐熱・耐油性を持っています。
4位 コーコス信岡 舗装職人半長靴 ZA-839

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素材:メイン素材 人工皮革+天然皮革 / ソール素材 ゴム
機能:反射材
留め具:マジックテープ式
その他:耐熱・耐油、フラットソール
老舗メーカーの使いやすい舗装靴
老舗のワーキングウェアメーカー、コーコス信岡の舗装用安全靴です。着脱しやすいマジックテープ式で、素早く作業に取りかかれるでしょう。裏地には作業中の足ムレを防いでくれる吸汗速乾素材のドライメッシュを使用しています。
足跡を残しにくいフラットな靴底は、耐熱・耐油と舗装工事に適した性能を持っています。さらに補強縫いによりアッパーとソールの剥がれを防いでくれます。舗装職人という商品名通りの機能を持った製品です。
5位 ミドリ安全 舗装工事用 半長靴 VR240

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重量:片足約850g (26cmの場合)
素材:メイン素材 牛革 / ソール素材 ゴム
機能:反射材
その他:耐熱、フラットソール
耐熱性に優れたフード付き舗装靴
安全靴だけでなくヘルメットや作業服など、さまざまな保護具を扱ってきたミドリ安全の舗装靴です。履き口に紐付きフードを設けていて、足にフィットしながら内部へのゴミ侵入を防ぎます。靴底は不規則な浅い凹凸の模様であり、アスファルトに足跡をつけても目立ちません。
靴底は耐熱区分2で、高い耐熱性を持っています。この規格によると、150度付近のサンドバスに靴を置いても、内部温度が22度上昇するまで30~45分を要するとのことです。加熱アスファルト上での作業も問題なく行えるでしょう。
6位 ノサックス HSK半長靴 道路舗装用

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重量:両足約1280g (25.5cmの場合)
素材:メイン素材 牛クロム革+人工皮革 / ソール素材 ゴム
機能:反射材
その他:断熱・耐油、フラットソール
作業をやりやすくする長靴タイプの舗装靴
ゴム長靴メーカーから始まったノサックスによる、長靴タイプの舗装靴です。留め具がないため着脱しやすく、足首が圧迫されません。靴底は断熱・耐油性があり、敷設後の作業にもすばやく取りかかれます。
靴幅は3Eとのことですが、少し狭いという意見があります。自分の足サイズよりも1~2程度大きめの方がよいかもしれません。サイズ展開が広いため、ぴったりのサイズが見つからなくて困ることはないはずです。
7位 シモン RM138 舗装用安全靴

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重量:片足約580g (26cmの場合)
素材:メイン素材 牛革 / ソール素材 ゴム
機能:反射材
留め具:マジックテープ式
その他:耐熱、フラットソール
耐熱性のある軽作業用舗装靴
安全靴・革手袋を手掛けるメーカーであるシモンの舗装靴です。厚みのある靴底は優れた高温耐熱性を持ち、加熱アスファルト上での作業に向いています。ソールは踏んでも跡がつきにくいようにシンプルなデザインです。
舗装靴として売り出されていますが靴先芯の素材は樹脂なので、鋼芯と比べると強度面で不安があります。安全靴の規格ではJSAAのB種で、軽作業用です。重機が動き回る現場では万が一の怪我を防ぎきれない可能性があるため、注意してください。
おすすめの商品一覧
製品 | 最安値 | 評価 | リンク |
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![]() 青木 安全靴 舗装用 R-440
1
|
14,727円 |
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![]() ノサックス 舗装靴 HSKマジック
2
|
9,416円 |
3.7 |
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![]() フジテブクロ 安全靴 舗装用 4E 3256
3
|
3,259円 |
3.6 |
|
![]() コーコス信岡 舗装職人半長靴 ZA-839
4
|
3,990円 |
|
|
![]() ミドリ安全 舗装工事用 半長靴 VR240
5
|
9,449円 |
|
|
![]() ノサックス HSK半長靴 道路舗装用
6
|
8,905円 |
3.5 |
|
![]() シモン RM138 舗装用安全靴
7
|
4,513円 |
2.7 |
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まとめ
安全靴の一種である舗装靴は、アスファルト敷設やタイル敷き詰めなどの舗装工事で作業者の安全を守るために欠かせない保護具です。留め具の形式による使いやすさと、機能面での安全性・耐久性を考えて選びましょう。
人気の高い製品を見てみると、マジックテープ式とジップアップ式が多くを占めています。また、どの製品も一定以上の耐熱性を備え、靴底はフラットソール採用です。舗装靴の選び方では、人気製品に共通するポイントを踏まえて考えてみてください。