スコヤは計測工具のひとつで、製材加工を行うプロの職人はもちろん、DIYが趣味の人もぜひ持っておきたいケガキ工具・墨付け道具です。切り出し後・組み立て後に端が直角になっているかを知りたいとき、まっすぐ90°の線を引きたいときに重宝します。
スコヤの人気メーカーである新潟精機やシンワ測定からは、意外なほど多くのタイプのスコヤが販売されています。さまざまな製品の中から最適な1本を選ぶには、どのような作業に使いたいのかを考えなくてはいけません。そこで今回はスコヤの選び方とおすすめの商品をご紹介します。スコヤのタイプごとの特徴について知り、測定やケガキ作業を楽にしていきましょう。
スコヤの用途

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スコヤはいくつかの形状に分かれていますが、基本形は90°のL字型に折れた金属定規です。この90°はかなり精密に設定されていて、JIS規格に準拠したものも見られます。スコヤの用途は2つあり、どちらも正確性を活かしたものです。
1つ目の用途はもちろん直角を測るためです。たとえば材木を組み立てて家具を作るとき、接合部の角度が直角になっていないと全体にガタつきが生じます。スコヤで直角を計測しつつ組み立てることで修正の手間がなくなり、仕上がりも良くなります。
2つ目は、端から垂直に線を引く用途です。スコヤは長い辺(長手)と短い辺(妻手)の組み合わせで、材木の端に妻手を当てると、長手はすっと前へ伸びた形となります。この長手の角度は端から90°ですから、スコヤに沿って墨付け・ケガキを行えば垂直な線が引けるという訳です。
スコヤの選び方
スコヤは複雑な測定工具はないため、選ぶポイントは絞られます。まずは用途に見合った種類を選びましょう。角度の付け方や測定対象の大きさなどによって、適した形状は異なります。その後で機能面も精査して、ぴったりのスコヤを見つけましょう。
用途に合わせた種類で選ぶ
スコヤは形状によって測定できる角度が異なります。直角の精密な測定なら完全スコヤがおすすめです。直角以外に45°や135°も測定必要ならマイティスコヤ・止型スコヤを、角度を自由に変えたいのであれば自由スコヤを選びましょう。その他に測定対象に合わせた形状のフランジスコヤ・ミニスコヤもあります。
L字型で直角の測定ができる完全スコヤ

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完全スコヤはスコヤの中でも直角を計測するのに最も適しています。形状は基本であるL字型でこの折れている90°はメーカーによって基準が異なるものの、ほとんどの製品は非常に精密です。
精密さが売りの完全スコヤは、妻手側の厚さによって平型スコヤ・台付きスコヤに分類可能です。平型スコヤは厚さが均一で、図面作成などに向いたタイプです。
台付きは妻手側が厚くなっています。板端に妻手をつき当てれば長手がちょうど直角になるため、立体物への墨付け・ケガキを楽に行えます。また、厚みのある妻手を下にして置けば自立させられるので、組み立て時の直角測定に便利です。
L字型で45°・90°・135°の測定ができるマイティスコヤ

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マイティスコヤは、形状自体は台付き完全スコヤと違いがありません。違いは長手・妻手の境目が45°に切れていることです。90°の測定はもちろん、境目を板端に当てることで内角45°、外角135°も正確に測定できます。
台形で45°・90°・135°の測定ができる止型スコヤ

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止め型スコヤは形状が台形で、それぞれの角度が45°・90°・135°で構成されています。くり抜かれている内窓部分も角度の組み合わせは同じです。また、底辺には厚い土台がつけられていて、板に当てる・自立させて直角を測れるようになっています。
類似した工具に止型定規と呼ばれるものがあります。止め型スコヤの台形を平行四辺形に変えた作りで、45°と135°を計測するのに向いた道具です。
また、一発止型定規というものもあります。こちらは留め型スコヤの土台を長方形に引き延ばした形状です。板材に当てたまま表面・側面の計測と墨付けを同時に行えるので、作業効率アップにつながります。
自由に角度が調整できる自由スコヤ

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自由スコヤは、2つの金属板をネジで組み合わせたスコヤです。文字通り角度を自由に変えられて、角度を決めたらネジをしっかり留めて使います。通常のスコヤでは引けない角度の線を連続して引きたい場合に便利です。
ただし、45°や90°などを正確に設定・測定する際には向きません。角度を決めてからも、ネジ留めをしっかり行う、使用中は角度が変わらないようにするなど、扱いは慎重にしなければ平行な線は引けません。
自由スコヤは2枚の金属板を組み合わせたL字タイプのほかに、4枚の板を組み合わせた四角タイプも見られます。四角タイプは海外メーカーに多い形状で、特殊な四角形を連続的に作成したとき、立体物の角度測定に便利です。
細かい作業には小さいサイズのスコヤ

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通常のスコヤは長手が15~20cmもあるため、狭い場所や障害物が多いと測定が難しくなるものです。そのような場合には、小さなミニスコヤが重宝します。台付きスコヤをそのまま小さくした形状で、長手10cm以下の製品が多いため用途にあわせて選べます。
小ささが特徴ですから、大きな素材への墨付け・ケガキには向きません。ミニスコヤと通常のスコヤを使い分けられるように、両方持っておくと便利です。
フランジ部の直角の測定にはフランジスコヤ

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フランジスコヤは、継手の機能を果たすフランジ部の直角測定に最適です。フランジはパイプに溶接されているため、溶接部が完全スコヤで直角であっても、フランジ接合面がパイプに対して直角であるとは言い切れません。フランジスコヤなら、フランジの出っ張りを迂回して接合面に接触させられるので、パイプに対して直角であるかを正しく測定できます。
フランジ部は作業によってサイズが異なるため、フランジスコヤも適した寸法のものを選びましょう。フランジスコヤを販売しているメーカーは複数サイズの製品を展開しています。
便利な機能で選ぶ
スコヤを見ていくと、長手に目盛りがないケースもあります。基本的に目盛りがあって損はないので、目盛り付きのものがおすすめです。また、スコヤ内角に逃げ穴と呼ばれる丸い穴がついている製品は角材などの測定時に便利です。
土台から目盛りがあるタイプ

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長手外側に目盛りが付いたスコヤは土台下側から長さを測れるため、直角測定だけでなく曲尺としても使えます。長さを決めて線を引きたい時に便利です。大抵のスコヤには目盛りが付いているので探すのに苦労しないでしょう。
左右に目盛りがあるタイプ

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長手の外側だけでなく、内側にも目盛りが付いているスコヤもあります。材木に妻手を沿わせて線を引くだけでなく、点を打って中心出しにも使用可能です。目盛りが外側だけの製品より数は少ないものの、シンワ測定のような有名メーカーから販売されています。
逃げ穴があるタイプ

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逃げ穴付きのスコヤとは、長手と妻手の接合されている内角部分が丸くくり抜かれているタイプです。板の角にスコヤを当てたとき、素材の角とスコヤ内角に隙間ができます。角に微細な毛羽立ちがあっても無視できるため、スコヤのガタつきが起こりません。
精密性を求められる作業にはJIS規格の商品を

スコヤにはJIS B7526というJIS規格があります。この規格には1級・2級があり、直角精度の許容値によって分けられています。JIS1級は検査測定など精密性を求められる作業用、2級は一般作業用です。1級は耐久性向上のための焼入がされます。
スコヤのおすすめ人気ランキング10選
ここからはスコヤの中でもおすすめの製品を10個、ランキング形式でご紹介します。精密性の求められる完全スコヤなどはやはり国内の測定メーカー製が人気ですが、自由スコヤでは海外製品も多く見られます。
1位 シンワ測定 完全スコヤ 15cm 62009

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サイズ:長手 長さ177 × 幅18 × 厚さ1.5 mm / 妻手 長さ94 × 幅18 厚さ8 mm
重量:144g
機能:目盛り付き(表裏同目)、逃げ穴付き
手頃な価格で精度が高い完全スコヤ
測定工具メーカーとして高い人気をもつシンワ測定の完全スコヤです。ステンレス製のシンプルな見た目ながら持ち手に意匠をこらしていて、こだわりを感じさせてくれます。90°の角度精度は100mmにつき0.1mm以下なので、標準的な作業なら問題なく直角出しに使えるでしょう。
目盛りはスコヤ内側12cm・外側15cmと両方についています。この目盛りは表裏両方に付いているので、持ち手の向きを考慮する必要がありません。内角には逃げ穴がついていて、角材の直角測定も正確に行えます。
DIYや趣味の製作物だけでなく、プロの作業にも重宝する1本です。素材への90°の墨付け・ケガキに便利な道具をお探しなら、この完全スコヤをぜひ選択肢に加えてください。
2位 Winzwon 自由スコヤ 四角タイプ

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サイズ:長さ330 × 幅64 × 厚さ28 mm
重量:159g
機能:目盛り付き、止ネジ付き
組み合わせて多彩な使い方ができる
さまざまな形を作りやすい自由スコヤで、定規の組み合わせによって用途が広がります。ネジは取り外せるので、1本の定規から4本の四角タイプのスコヤまで多機能です。
線引き・角度出しなどスコヤとしての用途はもちろん、組み違えるようにセットすれば正確な段差を作れるようになるので、レンガ積みも綺麗にできるでしょう。アルミ合金製による耐久性の高さも魅力で、破損の心配を軽減してくれます。
目盛りの長さは25cmと15cmの2種類で、それぞれインチにも対応しています。収納用ケース付属なので、持ち歩きや保管も簡単です。
3位 シンワ測定 一発止型定規 ポリカーボ 62112

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サイズ:長さ169 × 幅63 × 厚さ73 mm
重量:44g
機能:目盛り付き、中窓付き
ポリカーボネート製で頑丈さが魅力
5位の製品の素材違いで、こちらはポリカーボネート製です。作り自体は同じですが、素材の違いでより便利になりました。
ポリカーボネートにより重量は軽くなり、硬度が高いためアルミ製で見られた製品の歪みが起こりにくくなっています。安価でありながら精密な線が引けると高評価です。また半透明なので、滑るように動かしながらでも素材に引いた線を確認できます。
素材角につき当てたとき、中窓を使って角から15mmの線を引けるようになっています。DIY用途だけでなく、木工細工を行う人にも使いやすいスコヤです。
4位 シンワ 止型スコヤ左右墨付 62081

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サイズ:長さ170 × 幅100 × 厚さ15 mm
重量:177g
機能:目盛り付き、中窓付き
1台何役もこなしてくれる便利なスコヤ
止型スコヤとしてだけでなく、直立させて完全スコヤとしても使えます。45°・90°ともに精度はそこそこにあるので、直角測定や墨付け・ケガキに便利です。
特殊な形の中窓付きで、片面だけで左右45°の斜線と90°の直線を引けます。斜めの目盛りは線の長さではなく高さ、つまり角目であり、丸材から角材を切り出すときに使いやすい機能です。色々な用途に使えるので、1台持っておくと重宝するでしょう。
5位 シンワ 一発止型定規アルミ 62113

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サイズ:長さ168 × 幅63 × 厚さ73 mm
重量:90g
機能:目盛り付き、中窓付き
ケガキ作業がはかどる一発止型定規
角材や厚手の板への墨付け・ケガキに便利な一発止型定規です。台形・長方形の組み合わせで、それぞれに中窓が付いているため用途が広がります。目盛りも付いているため長さの計測もバッチリです。
素材はアルミ製なので持ってみると強度を感じられます。ただし、若干の歪みがあったという評価も見られるため注意が必要です。精密な計測・線引きに使うより、大体の角度出しに使った方がよいかもしれません。
6位 自由スコヤ 折り畳み マルチアングル測定ルーラー

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サイズ:長さ 310mm
重量:73g
機能:目盛り付き、止ネジ付き
4枚あっても持ち重りしない自由スコヤ
ABS樹脂製なので軽く、持ち運びでかさばらない自由スコヤです。留め具はルーラーになっていて、ゆるめて滑らせるように動かし、片手でも締めやすくなっています。目盛りはセンチ・インチ対応です。
厚手の非金属ですから、使っていても怪我の心配はありません。DIYから教育現場にまで向いた製品です。ただ、その厚さのために引いた線がズレてしまう可能性もあります。
7位 自由スコヤ 四角タイプ

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サイズ:長さ 310mm
重量:73g
機能:目盛り付き、止ネジ付き
さまざまな角度の線・図形を引ける
4枚の金属板を組み合わせて使う自由スコヤです。4枚全てを使って長方形や台形を作って写し取るのはもちろん、3枚での三角形作り、2枚で曲尺、1枚なら直尺として使えます。
目盛りは左右についていて、センチ・インチに対応しています。角度測定には使えませんが、自由な角度での墨引き・ケガキをサポートしてくれる製品です。
8位 SK 目盛付自由スコヤ FS-250M

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サイズ:長さ250 × 幅34 × 厚さ22 mm
重量:220g
機能:目盛りあり、止ネジ付き
長さと角度の目盛り付きで便利
新潟精機製の自由スコヤで、持ち手側に目盛りがついているため長さの計測にも使えます。長手には5・10・15・30・45・60・90の目盛り付きで、こちらは点が打たれている箇所で留めればその角度に設定できる機能です。該当角度の線引きはもちろん、角度を測る用途にも使えます。
ただ、手で動かして止ネジで固定するので精密な角度ではありません。角度測定はDIYや概算用と割り切った方がよいでしょう。
9位 シンワ測定 自由スコヤ 250mm 62596

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サイズ:長さ250 × 幅19 × 厚さ5.5 mm
重量:202g
機能:目盛りなし、止ネジ付き
シンプルな自由スコヤ
角度を自在に変えて、止ネジで固定できる自由スコヤです。全長は25cmと長く、ケガキ作業や一定角度を写すときに重宝します。使わない時には持ち手側に収納可能です。目盛りはついていないため、測定用途には向きません。墨付け・ケガキ専用と考えておきましょう。
10位 シンワ測定 止型定規 直角付き 62110

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サイズ:本体 全長172 × 高さ62 × 厚さ1.5 mm / 台 長さ115 × 幅15 × 厚さ5 mm
重量:133g
機能:目盛り付き、中窓付き
45°・135°と中窓で90°の線も引ける
表を板に押しあてれば45°、裏返せば135°の線が引ける止付定規です。目盛りが3辺についているので正確な墨付けができます。90°の線は中窓を使えば引けますが、本体形状は平行四辺形なので直角測定には使えません。
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4.4 |
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まとめ
正確な角度を出せるスコヤは、組み立て時の直角確認や、木材や金属板への墨付け・ケガキを楽に行えます。使用するかどうかで作業の効率や修正の手間がまったく違ってきますので、1本は持っておきたい計測器具です。
スコヤは用途に合わせた形状を選ぶのがコツです。タイプによって出せる角度と精密性が異なるので、製品の寸法と詳細をよく見て選びましょう。精密な完全スコヤを1つ持っておき、サブ的な用途としてその他のスコヤも用意しておくのがおすすめです。