この記事では糸鋸盤の選び方とおすすめの製品をご紹介します。糸鋸盤は、手持ちの糸鋸を電動化したものです。糸鋸は固定されていて刃が上下に動き、切断作業の際には材料の方を手で持って動かします。糸鋸の細い刃を使うので、繊細な加工が可能な電動工具です。
糸鋸盤は、マキタやHiKOKI、SK11、EARTH MANなどといった主要な電動工具のメーカーが数多くの製品を製造を販売していますから、製品選びには迷うかもしれません。製品選びに迷ったら、この記事を参考にしてください。
糸鋸盤の用途
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糸鋸盤は細い刃を使って、繊細な加工ができることを特徴とする電動工具です。自由に曲線が切れるだけでなく、材料を載せるテーブルを傾斜させることができる製品なら、素材を斜めにカットすることもできます。一方で、真っ直ぐな直線を切ることにはあまり向いていません。
また、刃が細いため、事前に素材に穴を開けて、そこに刃を通せば枠を残して中抜き加工をすることもできます。木製のフォトフレームのようなものが自分で作れます。直線の加工については他の電動工具の方が向いていますが、細かな曲線を加工するには最適の工具です。
そして、糸鋸盤は刃を交換することで、木材だけでなくプラスチックや柔らかい金属の板の切断も可能です。製品にもよりますが、木材の場合は柔らかめのもので50mmくらいまで、プラスチック板は5mmまで、アルミや真鍮の板は数mm程度が切断可能な厚さの目安です。
糸鋸盤の選び方
ここからは糸鋸盤の選び方についてご説明します。以下の記述を参考に、自分に合った製品を選んでください。
テーブルの寸法で選ぶ
テーブルは、切断する素材を載せる場所です。切断する素材よりも少し大きめのテーブルの方が安定します。ただ、テーブルが大きな製品は、それだけ製品全体も大きくなります。
テーブルの大きさは、大きければ大きいほど良いというものでもありませんから、自分の用途に合った製品を選んでください。
ふところは切る材料より少し大きいものがおすすめ
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テーブル自体のサイズとは別に、「ふところ」の大きさもポイントになります。ふところというのは、アームから刃までの長さのことを言います。
材料を切り抜く加工をする場合、ふところの長さが切り抜いた後に残る枠の部分の限界の大きさになります。糸鋸盤を購入する際は、自分が使う材料の大きさよりも少し大きめなふところの製品を選んでおくと、加工の際に材料がアームにぶつかってしまうことがありません。
ストローク数で選ぶ
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ストローク数というのは、1分間に刃が上下する回数のことです。これが多いほど早く切断できることになります。ただし、糸鋸で切断する際には、素材や加工によって適したストロークの速さがあります。
ストローク数については、ただ早いものを選ぶというのではなく、素材や加工に合わせてストローク数を調節できるものを選ぶと良いでしょう。基本的には、木材は高速で、プラスチックや金属は中速~低速で切ります。
最大ストロークで選ぶ
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最大ストロークというのは、一度に刃が上下する幅のことを表しています。ストロークが大きな製品の方が、刃を大きく使っていることになるので、早く切断することができます。使っている刃の部分が長い分、刃の消耗が少なくなるというメリットもあります。
また、厚めの素材を切る際には、ストロークが大きなものの方が効率良く切りくずを排出してくれるので、切りやすくなります。最大ストロークについては、基本的に大きなものの方がおすすめです。
ただ、最大ストロークが大きい製品は本体のサイズも大きくなるのが普通なので、最大ストロークだけを基準に製品を選ぶことはできません。他の要素との兼ね合いも考えて選ぶようにしてください。
機能で選ぶ
糸鋸盤には以下に挙げるような機能の違いもあるので、これらの機能の有無も製品選びの判断材料になります。
テーブルの傾きが調整可能なもの
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糸鋸盤の中にはテーブルを傾けた状態で切断作業が行えるものがあります。このタイプの製品は傾斜切断ができるので、作業の幅が広がります。
多くの製品が傾きの角度を調節することができますが、左傾斜のみの製品が多い中で右傾斜も可能なものや、そもそも傾斜切断ができないものもあります。自分が行いたい作業に合わせて選んでください。
正確性が上がる手元を照らすライト付き
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作業環境によっては、糸鋸盤での作業中に手元が暗くなってしまうことがあります。手元が暗いと作業の正確性・効率性が落ちます。ライト付きの製品なら、手元を常に明るくすることができ、正確性・効率性を落とさずに済みます。
集塵機やエアノズル付きだと塵が溜まらない
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集塵機は、掃除機と同じ仕組みの機械ですが、大量のおがくずなどを吸引できるように工夫されています。基本的に糸鋸盤自体には集塵機能はありませんが、集塵機と接続可能な機種が多く、こういった製品と集塵機があれば切りくずの飛散を気にせずに作業できます。
エアノズルは、空気の吹き出し口です。空気を吹き出して、おがくず等を吹き飛ばすことで、墨線(切断の目安となる線)が隠れて見にくくなることを防ぎます。この機能をブロワ機能といいます。集塵機能と違って、これは糸鋸盤自体に備わっている機能です。
糸鋸盤のおすすめ人気ランキング10選
ここからは、おすすめの糸鋸盤をランキング形式でご紹介していきます。自分の用途に合った製品がないか探してみてください。
1位 マキタ 糸ノコ盤 MSJ401

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ふところ:406mm
ストローク数:400~1600【回/分】
最大ストローク:18mm
傾斜:左45度、右15度
機能:ブロワー機能
信頼のマキタ製の卓上糸鋸盤
電動工具の分野では世界的にも有名な企業、マキタの糸鋸盤です。もっと本格的な据え置き型の糸鋸盤には及びませんが、切断能力は軟木50mmでかなりの厚さの木材もカットできます。
傾斜切断は左45度、右15度まで可能で、ふところ寸法は長めの406mmです。本体サイズが大きめなのは難点ともいえますが、その分安定感があります。ブレード調節レバーによる刃の張りの調節が可能で、刃の交換もしやすくなっています。
本体の側面にはノコ刃を収納できるケースがあって使い勝手が良くなっているのも、細かい点ではありますが嬉しいところです。信頼性の高いマキタの製品ですから、DIY向けはもちろん、プロの方にもおすすめしたい製品です。
2位 SK11 卓上糸鋸盤400mm SSC-400PE

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ふところ:400mm
ストローク数:1500(50Hz)、1600(60Hz)【回/分
最大ストローク:18mm
傾斜:45度
機能:ブロワー機能
低価格の卓上糸鋸盤
低価格の糸鋸盤です。SK11というのは藤原産業のブランドで、5位でご紹介した高儀と同様、低価格のDIY向けを中心とした電動工具を販売しているメーカーです。
この製品も卓上糸鋸盤としてはかなりの低価格です。ストローク数を調節する機能がないなど、多少の欠点もありますが、傾斜切断も可能ですし、エアブロー機能も搭載しています。
購入した人の評価も悪くなく、Amazonのレビューでは80%以上の人が星4つ以上の高評価を付けています。コスパ重視で選びたい人にはイチオシの商品です。
3位 HiKOKI 卓上糸のこ盤 FCW40SA

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ふところ:406mm
ストローク数:400~1600【回/分】
最大ストローク:19mm
傾斜:左45度、右15度
機能:LEDライト付き、ブロワ機能
電動工具の一流メーカーHiKOKIの製品
マキタと並んで電動工具の分野で高い評価を受けているHiKOKIの製品です。HiKOKIは、親会社の変更に伴って日立工機からブランド名が変更されたものです。製品の仕様等に変更はありません。
この製品は、テーブルの傾斜は左右ともに可能(左は45度、右は15度まで)。LEDライト付きで、ブロワ機能もあり、一般的な卓上糸鋸盤に要求される性能はほぼ満たしていますから、幅広くおすすめできる製品です。
4位 PROXXON コッピングソウテーブル No.27088

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ストローク数:500~1700【回/分】
最大ストローク:12mm
ホビー用途におすすめのコンパクトな糸鋸盤
コンパクトな糸鋸盤。定格使用時間が15分で、プロの方やヘビーユーザーにはおすすめしにくいのですが、趣味の道具としては十分な性能を持っています。
糸鋸盤は重さが10kgを超える製品も多い中で、この製品は3.2kgしかないので、持ち運んだり収納したりするのも簡単です。趣味で模型や小物を作るのに使いたい人にピッタリです。
5位 EARTH MAN スピードコントロール付卓上糸鋸盤 SS-400SCA

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ストローク数:500~1700【回/分】
最大ストローク:12mm
低価格の電動工具で人気の高儀の製品
EARTH MANは高儀のブランドです。高儀というのは、比較的低価格のDIY向け電動工具で人気を集めているメーカーです。この製品も低価格でありながら、低価格機では省かれていることも多いスピードコントロール機能付きです。
「硬さによっては切断できない場合があります」という注意書き付きではありますが、最大切断能力は木材で約45mmです。一般的な糸鋸盤の用途にはほとんど対応できます。
6位 RYOBI 卓上糸ノコ盤 TFE-450

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ふところ:400mm
ストローク数:400~1600【回/分】
最大ストローク:18mm
傾斜:左45度、右15度
機能:ブロワ機能
ノコ刃が簡単に交換できるクイックブレードチェンジ機構搭載
RYOBIのDIY向けの糸鋸盤です。一般的なDIY用よりも更に初心者向けのエントリー用モデルとして位置づけられています。もっとも、切断能力は軟木で50mmあり、機能的には他の製品に見劣りするものはありません。
初心者向けの製品なので、価格が抑えられ、初心者でも刃の取り付けがやりやすいクイックブレードチェンジ機構が搭載されています。ただし、六角レンチは使用しますから、工具なしで刃の交換ができるわけではありません。
7位 DREMEL 万能糸のこ MOTO-SAW

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ふところ:250mm
ストローク数:1100~1800【回/分】
最大ストローク:8mm
機能:手持ち型としても使用可能
テーブルと分離して手持ちの電動糸鋸としても使用可
この製品には糸鋸部分を分離して手持ちで使うことができる珍しい機能が付いています。便利な機能ですが、一方でふところの寸法が小さく、大きな素材の加工には向きません。手持ちで使えることに魅力を感じる人におすすめです。
また、テーブルと糸鋸部分が分離できるので、コンパクトに収納することができます。キャリングケースも付属するので、一般的な糸鋸盤では収納場所に困るという人でも購入することができる製品です。
8位 DEWALT 糸のこ盤 スクロールソー DW788

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ふところ:508mm
ストローク数:400~1750【回/分】
最大ストローク:19mm
傾斜:左45度、右45度
機能:ライト付き
アメリカのメーカーの本格的糸鋸盤
DEWALTはアメリカのメーカーです。日本にもオンラインショップがありますが、まだ取り扱いがないようで、この商品は並行輸入品です。そのためもあってか価格が高めなのがネックです。
また、今回ご紹介している中では最も大型の商品で、設置する際には台になるものを用意する必要があります。素人には簡単に手が出せませんが、レビューの評価も高い本格的なプロ向けの糸鋸盤です。
9位 RYOBI 卓上糸ノコ盤 TF-5400

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ふところ:400mm
ストローク数:950(50Hz)、1100(60Hz)【回/分】
最大ストローク:15mm
傾斜:左20度、右20度
RYOBIのプロ用糸鋸盤
RYOBIの製品は6位でもご紹介しますが、こちらはプロ用として販売されている製品です。本体とテーブルにアルミダイキャストが使われていて、しっかりした造りです。プロ用らしく200Wのパワーがあります。
一方で機能面では多少もの足りない面もあり、ストローク数の変更ができません。また、プロ用ということでDIY用よりも高価で、購入に当たってはこれも難点となります。
10位 Power sonic 糸ノコ盤 VS-400

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ふところ:-
ストローク数:550~1700【回/分】
最大ストローク:約20mm
傾斜:45度
機能:アームライト付き、ブロワ機能
手元を明るく照らすライト付き
ライト付きの糸鋸盤です。自由に動くフレキシブルアームの先端にライトが取り付けられているので、手元を照らす角度を自由に調節できます。
有名なメーカーの製品ではありませんが、無段階のスピードコンロール付きで、ノコ刃の張り具合を調節できるテンションツマミも付いており、ブロワ機能もありますから、機能的に不足することはありません。
おすすめの商品一覧
製品 | 最安値 | 評価 | リンク |
---|---|---|---|
![]() マキタ 糸ノコ盤 MSJ401
1
|
21,165円 |
3.92 |
|
![]() SK11 卓上糸鋸盤400mm SSC-400PE
2
|
9,808円 |
4.1 |
|
![]() HiKOKI 卓上糸のこ盤 FCW40SA
3
|
20,986円 |
4.02 |
|
![]() PROXXON コッピングソウテーブル N……
4
|
14,278円 |
3.82 |
|
![]() EARTH MAN スピードコントロール付……
5
|
12,535円 |
3.37 |
|
![]() RYOBI 卓上糸ノコ盤 TFE-450
6
|
20,167円 |
4.1 |
|
![]() DREMEL 万能糸のこ MOTO-SAW
7
|
15,074円 |
3.5 |
|
![]() DEWALT 糸のこ盤 スクロールソー D……
8
|
106,300円 |
|
|
![]() RYOBI 卓上糸ノコ盤 TF-5400
9
|
53,570円 |
3.62 |
|
![]() Power sonic 糸ノコ盤 VS-400
10
|
15,500円 |
|
|
糸鋸刃選びも重要
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糸鋸盤の切断能力は、使用する刃によっても大きく左右されます。素材による使い分けも必要で、木材用のほかプラスチック用や金属用の専用の刃もあります。
また、同じ木材用の中にも、返し刃の有無、アサリ(刃が外側に向けられた部分のこと)の有無などの差がありますし、刃の厚みや幅、刃の数などによって、適した素材・加工が異なってきます。
多くの場合は、糸鋸盤に最初から刃が数本が付属していていますが、作業内容に応じた刃に交換することで作業効率が大幅に上がることもありますから、適した刃を選ぶこともとても重要です。
まとめ
糸鋸盤の選び方とおすすめの製品をご紹介しました。糸鋸盤で行うような繊細な加工は他の電動工具ではできませんし、手持ちの糸鋸で行うのも難しいものです。
糸鋸盤を手に入れると、他の機械や工具では難しい加工も簡単にできるようになりますから、この機会に購入を検討してみてください。