この記事では釘打ち機の選び方とおすすめの製品をご紹介します。メーカーによってネイラーとも呼称されます。釘打ち機は、多量の釘を少ない労力で打ち込みことができる道具です。その用途からDIYでは少ないですが、プロの方には必須の道具です。
最近ではエアー式の他に電動式のものにも高性能な機能が増え選択肢が広がっています。メーカーにはマックス、HiKOKI、マキタなどがあり、製品選びでも迷うことが多くなったといえますから、迷ったらこの記事を参考にしてください。
なお、この記事では棒状のいわゆる釘を打つ道具を対象にしています。同じような用途の工具に、ホチキスの針状のステープルという金具を打ち込むタッカーというものがあるのですが、このタッカーについては別記事の対象といたしますので、ご承知おきください。
釘打ち機を使用する前の準備
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先ほども少し触れましたが、釘打ち機には大きく分けて、空気圧でピストンを動かし、その力で釘を打ち込むエアー式と、モーターでバネを圧縮して、そのバネが伸びる力で釘を打つ電動式があります。
ただ、電動式はパワー不足の面があり、基本的に仕上げ用に使うフィニッシュネイルや、仮止め用のピンネイルを打つことを目的にした機種に限られます。圧縮空気を送り込むホースがないので、取り回しの点では電動式が優れているのですが、用途は限定されます。
これに対して、安定して力強く釘を打てるのがエアー式です。圧縮空気を使うので、釘打ち機の他に空気を圧縮するエアーコンプレッサーと、釘打ち機とコンプレッサーを繋ぐホースが必須です。エアー式の場合、これらを合わせて準備する必要があります。
釘打ち機の選び方
ここからは具体的な釘打ち機の選び方についてご紹介していきます。いくつか選び方のポイントがありますので、それを押えて自分の用途に合ったものを選んでください。
エアー式は対応している空気圧で選ぶ
この項目はエアー式の釘打ち機の選び方となります。エアー式の釘打ち機には高圧タイプと常圧タイプがあります。
小型軽量ハイパワーな高圧釘打ち機
現在の主流は、高い空気圧を使う高圧釘打ち機です。常圧釘打ち機の約3倍に気圧が高まったことによって使用するエアの量が少なくて済むようになり、シリンダやピストンが小型化されています。よって、本体も小型・軽量化することができ、扱いやすくなっています。
ただ、高圧釘打ち機は、常圧タイプに比べると高価なのが難点です。対応する高圧エアーコンプレッサーの値段も高めなので、コンプレッサーも含めて購入する必要がある場合は、かなりの費用がかかってしまいます。
リーズナブルな常圧釘打ち機
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常圧釘打ち機は、高圧釘打ち機とは逆に、製品が大きく重くなるのが難点です。また、太く長い釘については、一部に高圧釘打ち機でなければ打てないものもあります。
単純に性能だけを比較すると高圧釘打ち機に劣る面もありますが、価格が安いことが多いので用途に合う製品であれば選ぶ価値があります。
釘の連結方式で選ぶ
ここでは釘打ち機で使用する釘について補足しつつ、選び方をご説明します。まずは釘の連結方式です。以下でご説明するようなロール状に連結された釘をロール釘といい、釘打ち機専用です。
ワイヤーで連結する「ワイヤー連結」
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これは、釘同士を細いワイヤーで連結したものです。ワイヤーはそのまま打ち込みますから、外れたワイヤーが飛散することがあり危険なため、保護メガネの着用が推奨されます。
プラスチックシートで連結する「プラシート連結」
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こちらはプラスチックのシートで連結されたものです。ワイヤーが飛んでくるといった危険性は小さくなりますが、一巻の本数がワイヤー連結釘より少ない、プラシートから釘が外れやすく作動不良の原因になる、使った後のシートが邪魔になるといった欠点もあります。
ワイヤー連結釘とプラシート連結釘は、ロール釘が使える釘打ち機ならどちらも使える場合が多いのですが、一方しか使えない場合もあるので、確認の上購入するようにしてください。
釘の長さで選ぶ
釘打ち機は、製品によって打てる釘の長さが決まっています。打てる釘の長さには機種によって一定の幅がありますから、ある程度の長短には対応できますが、長い釘を打てるものは短い釘が打てないこともあるため、自分の用途に合わせて選ぶ必要があります。
対応する釘の種類で選ぶ
釘は打ち込む対象などによって使い分けます。例えば、構造材に使う釘と非構造材に使う釘は異なりますし、石膏ボード用やサイディング用、鋼板用などの専用の釘もあります。
釘打ち機には、それぞれの製品に適合した釘があり、取り扱い説明書やメーカーのホームページなどで確認できるので、それを把握した上で、自分が使いたい釘を打つことが出来る製品を選ぶことが重要です。
また、フィニッシュネイルや仕上げ釘と呼ばれる釘頭が小さな釘や、ピン釘と呼ばれる釘頭がない特殊な釘もあります。これらの釘を打つ際には、それぞれに対応したフィニッシュネイラーやピン釘打ち機という専用の機種を使います。
バラになっている釘を打ち込むバラ釘打ち機
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これまでにご紹介している釘打ち機は、主に専用の連結された釘を使用するものですが、バラの釘を打つための釘打ち機もあります。一本ずつ釘を打つ形になるので、一般的な釘打ち機ほどのスピードは出ませんが、手で打ち込んでいくよりもかなりの労力を軽減できます。
釘打ち機のおすすめ人気ランキング
ここからは具体的なおすすめ製品をご紹介していきます。様々なタイプの製品がありますから、自分の用途に合った製品を選んでください。
1位 MAX 高圧フィニッシュネイラ HA-55SF2(D)

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重量:1.2kg
空気圧:1.0~2.3MPa(10~23kgf/c㎡)
釘の長さ:15・20・25・30・35・40・45・50・55mm
釘の径:1.05mm
使用ホース:内径4mm以上、長さ30m以内
パワフルかつ繊細な作業が可能なエア式フィニッシュネイラ
フィニッシュネイラは取り回しが良い電動式のものも増えてきていますが、まだパワーの点ではエア式の方が勝っています。この製品は55mmまでのフィニッシュネイル、50mmまでのスーパーフィニッシュネイルの打ち込みが可能です。
また、55mmフィニッシュネイラとしては業界最小クラスの幅6mmのノーズを採用していて、斜め打ちでもしっかり打ち込めますし、薄型ノーズなので巾木溝4mmにも打つことが可能です。フィニッシュネイラに要求される性能を高い水準で満たしている製品です。
また、3段階の風量調節が可能なエアダスタ機構も装備しているので、ホコリを除去しながらの作業も軽快に行えます。パワフルな製品なのに重さは1.2kgしかなく、高いところに手を伸ばして釘を打つのも苦になりません。今回のイチオシ商品です。
2位 HiKOKI マルチボルト(36V)コードレス仕上釘打機 NT3640DA(NNK)

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重量:2.5kg(バッテリー装着時)
釘の長さ:15・20・25・30・35・40mm
釘の径:1.0mm
40mmの釘まで打てるパワフルなフィニッシュネイラ
強力なスプリングを採用したことで、40mmの仕上げ釘まで打てる製品です。パワーの面で不満があって電動式の釘打ち機は使っていないという人にもぜひ試して欲しい製品です。36Vのモーターを採用した結果、打ち込み時間が約20%低減され、軽快に作業ができます。
なお、この製品はHiKOKIのマルチボルトシリーズの一つで、別売りのバッテリーは36V機にも18V機にも使えます。ただし、この製品は18Vのバッテリーでは動作しないので、従来の18V機のバッテリーの使い回しはできませんから、この点には注意してください。
3位 マキタ 65mm高圧エア釘打 AH634H

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重量:2.5kg(バッテリー装着時)
釘の長さ:15・20・25・30・35・40mm
エア消費量を低減するエアリサイクル機構搭載
この製品には排気の一部を次の釘を打つためのピストンの作動に利用するエアリサイクル機構が搭載されています。これによってエア消費量が約20%低減されています。65mmまでの様々な釘が打て、1台で多用途に使える点も魅力的な製品です。
また、ノーズは、先端部が従来機よりもスリムになった12mmで、6個のスパイク付きで滑りにくいことから、狙った場所に釘を打ちやすくなっています。打ち込み深さが8mmまで手元調節可能である点も使いやすさに繋がっています。
4位 MAX 充電式フィニッシュネイラ TJ-35FN2-BC/1850A

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重量:2.2kg(バッテリー装着時)
釘の長さ:15・20・25・30・35mm
釘の径:1.05mm
釘打ち機で大きなシェアを持つMAXの製品
MAXはホッチキスなどの文具・オフィス機器のメーカーとして有名ですが、釘打ち機の分野でも大きなシェアを持っています。エア式のラインナップが充実していますが、充電式フィニッシュネイラを国内で初めて開発したメーカーでもあります。
この製品は、コンパクトなサイズながら35mmまでのフィニッシュネイルが打てます。斜め打ちにも適した先端形状や、打ち込み幅をワンタッチで調節できるアジャスタなど、トップメーカーならではの使いやすさへのこだわりが随所に見られる製品です。
5位 マキタ 50mmサイディング用高圧エア釘打 AN510HS

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重量:1.8kg
空気圧:0.98~2.26MPa(10~23kgf/c㎡)
釘の長さ:27・32・38・40・50mm
釘の連結方式:プラシート
使用ホース:内径5.0mm以上
仕上がりがキレイなサイディング用釘打ち機
サイディングおよび下地用の釘打ち機です。サイディングというのは、外壁素材の一種です。ボード状に加工されていて、サイディングボードとも呼びます。この製品は、打ち込んだ際にドライバ痕が残らず、サイディング張りが美しく仕上がります。
鉄釘とサイディング用のステンレス釘が使用できますが、使えるのはシート連結のもののみです。ワイヤー連結釘は使えないので注意してください。
6位 HiKOKI 18Vコードレスピン釘打機 NP18DSL(NK)

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重量:2.2kg(バッテリー装着時)
釘の長さ:15・19・25・30・35mm
釘の径:0.6mm
18Vバッテリー使用で1充電当たりの作業量が多い
9位でご紹介したマキタの製品と同じ、充電式のピン釘打ち機です。18Vのバッテリーを採用しています。釘の打ち込みはバネの力で行われるので、18Vだからといって長い釘が打てるようになるわけではありませんが、連続使用の際の打ち込み時間が短縮されています。
また、1充電当たりの作業量の目安は約6000本で、長時間のハードな作業にも耐えます。作業効率の面に優れた製品です。打ち込む素材に合わせて付け替えられるノーズキャップが2個付属するなど、仕上がりのキレイさにも十分な配慮がなされているのも特徴です。
7位 HiKOKI 高圧ロール釘打機 NV90HR(S)

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重量:2.8kg
空気圧:1.18~2.26MPa(12~23kgf/c㎡)
釘の長さ:針金連結釘45~90mm、シート連結釘45~50mm
釘の径:針金連結釘2.5~4.1mm、シート連結釘2.5~3.0mm
釘の連結方式:針金、プラシート
使用ホース:高圧エアホース内径5mm(長さ10・20・30m)、内径6mm(長さ10・20・30m)
3段階のパワー切替機構搭載
日立工機から変更されたブランドHiKOKIの製品です。仕様等に変更はありません。本体に調圧器が内蔵されていて、空気圧を調節することができます。90mm釘のような長い釘なら強、75mm釘なら中、45~65mmの短めの釘なら弱といったように切替可能です。
空気圧を切り替えて適切な空気圧で使用することで、無駄な空気消費が抑えられます。それによって、連続した作業が可能になり、作業効率が上がります。また、打ち込み深さの調節が簡単に手元でできるため、より細かな面一仕上げが可能となっています。
8位 若井産業 仕上げ釘打ち機 TF1855〈常圧用〉

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重量:1.3kg
空気圧:0.49~0.68MPa
釘の長さ:仕上げ釘15~55mm、超仕上げ釘15~50mm
低価格が魅力の常圧用釘打ち機
若井産業は、各種のネジや釘などの製造販売を行っている会社ですが、エア釘打ち機も扱っています。この製品は常圧用の仕上げ釘打ち機です。超仕上げ釘にも対応していて、重さは1.3kgしかありませんから、使い勝手は悪くありません。
選び方のところでも書いたように、高圧の釘打ち機の場合、本体も高価ですし、エアコンプレッサーも値が張ります。コスト重視で選びたい方には常圧のこの製品はかなりおすすめです。
9位 マキタ 充電式ピンタッカ PT354DZK

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重量:1.8kg(別売りバッテリー装着時)
釘の長さ:15・18・25・30・35mm
釘の径:0.6mm
軽量でホースレスの取り回しの良さ
電動式でホースがなく、10.8Vバッテリーを採用した軽量なピン釘打ち機です。電動式の大きな利点は、エア式と違ってホースが不要なので、取り回しが良いことです。さらに、バッテリーも軽量な10.8Vが採用されていて、取り回しの良さが際立っています。
また、カウンターウェイト方式による低反動機構が採用されていて、従来機よりも約40%も打ち込み時の反動が低減されています。作業時に疲れにくくなり、反動によるブレも少なくなるので確実な打ち込みができる製品です。
10位 HiKOKI 18Vコードレスばら釘打機 NH18DSL

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重量:0.9kg(バッテリー除く)
釘の長さ:25~90mm
釘の径:1.7~4.11mm
バラ釘を打ち込む電動金づち
釘打ち機の中ではマイナーな製品ですが、バラ釘を1本ずつ打ち込む電動工具です。ハンマーが上下動する電動金づちといったイメージの道具です。釘の種類と関係なく使うことができ、バラ釘を効率良く打てるので、一つ持っておくと便利な道具です。
写真に写っているシルバーの部分は釘ガイドで、この中にハンマーが内蔵されています。使用する際は、釘頭をガイド内に入れ、スイッチを握った状態で本体を押し付けるようにするとハンマーが動きます。
おすすめの商品一覧
製品 | 最安値 | 評価 | リンク |
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48,500円 |
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16,544円 |
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11,550円 |
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釘打ち機を安全に使うために
釘打ち機は、海外ではネイルガンとも呼ばれるように、使い方を間違えるとかなり危険な機械でもあります。ここでは、釘打ち機を安全に使うために注意したい点をいくつかご説明します。
まずは、動作前の確認です。釘打ち機には安全装置が搭載されていて、先端の釘が出る部分を対象に押し当ててからでないとトリガーを引いても釘は出ない仕組みになっています。使う前には、安全装置が正常に働くか確認を怠らないようにしてください。
次に、使用中の注意事項です。射出口には手足を近づけないようにして、他人に向けないようにしましょう。壁を挟んで向かい合っての作業も危険です。釘打ち機は正しい使い方で安全に使用してください。
まとめ
釘打ち機の選び方とおすすめの製品をご紹介しました。釘打ち機は用途に応じて機種が細分化されているので、自分の用途に合った製品を選ぶことがとても重要です。この記事を参考にして、自分の用途に合った製品を見つけてください。