冷え性はなかなか治りづらくてつらいですよね。改善策のひとつである漢方は、ツムラ・タケダ・クラシエなどさまざまなメーカーから販売されていて種類も多いので、どれがいいのか迷ってしまうのではないでしょうか。
この記事では、冷え性におすすめの市販の漢方薬の選び方とおすすめ人気商品をランキング形式でご紹介します。ぜひ参考にして、冷え性改善につながる漢方薬を見つけてくださいね。
人の体は「気」「血」「水」の3要素で構成されるとする東洋医学の考え方をふまえて冷えを改善
東洋医学では人の体は「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」という3要素で構成されていると考えます。「気」はエネルギー、「血」は血液、「水」はリンパ液を意味し、冷え性の原因はこの3要素のバランスが滞っていることにあります。
疲労や睡眠不足で「気」や「血」をたくさん消耗すると体が冷えてしまいます。ストレスや寒さで「気」や「血」のめぐりが悪くなっても冷えにつながります。漢方では体を温める「気」「血」の流れを良くし、体を冷やす「水」の偏りを改善してバランスを整えていきます。
冷え性向け漢方の選び方
冷え性向け漢方を選ぶ際に重要な3つのポイントを見ていきましょう。
きちんと効果を得るために手足の冷え・体全体の冷え・下半身の冷えなど冷え性の「タイプ」で選ぶ
冷え性には症状によって「四肢末端タイプ」「全身タイプ」「上熱下寒タイプ」「体感異常タイプ」「内蔵タイプ」「症候タイプ」の6つのタイプがあり、それぞれに適した改善方法があります。まずは自分がどのタイプかを知ることが大切です。
肌荒れ・しもやけ・立ちくらみ・月経トラブルにもつながる、手や足が冷える「四肢末端タイプ」
手足の先だけ冷えるタイプです。10〜20代の若い女性に多く、疲れや無理なダイエットが原因となっていることもあります。肌荒れ・しもやけ・立ちくらみ・月経トラブルを伴うことが多いです。手足を温めるだけでは改善につながりにくいので、内臓を温めることを意識しましょう。
血の量を増やして血流を改善することで冷えの症状の改善が期待できる「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」がおすすめです。筋肉量も低下しているので、ウォーキングや筋トレを習慣にすると良いですね。
食欲がなく疲労感や倦怠感が生じやすい、新陳代謝が低下して全身の冷えを感じる「全身タイプ」
体全体が冷えるタイプです。体内の熱の産生が低下し、新陳代謝も低下して手足も内臓も冷えています。食欲や気力が失われ、疲れやだるさを訴えたり、風邪をひきやすい人もいます。「気」が不足している状態なので、胃腸機能を整えて基礎代謝を上げることが大切です。
胃腸の働きを良くする「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」や体力や気力を補う「人参養栄湯(にんじんようえいとう)」などがよいでしょう。睡眠を十分にとり、冷たい飲み物や食べ物は避けて温かく消化の良いものを食べることを意識しましょう。
イライラ・頭痛・肩こり・便秘も起こりうる、顔がほてるのに下半身が冷える「上熱下寒タイプ」
上半身はのぼせるのに下半身は冷えているタイプです。気や血のめぐりが悪くなり、イライラ・頭痛・肩こり・便秘・月経困難・肌荒れなどさまざまな不調があらわれやすくなります。顔がほてるので冷えに気づきにくいため注意が必要です。
血の巡りを改善する「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」がおすすめ。足湯や下半身浴などで下半身を温めたり、下半身の筋肉を強化する運動をすると改善につながりやすいです。長時間同じ姿勢を続けないように気をつけましょう。
疲れているのに眠れない・集中力の低下など、自律神経に影響がでている「体感異常タイプ」
体が冷えてないのに冷たく感じたり、体温調節がうまくいかないと感じるなら体感異常タイプの可能性があります。ストレスなどで自律神経が乱れ、血流が悪くなることで冷えを感じます。
疲れているのに眠れない・集中力の低下・食欲不振・胃の痛み・息苦しさなどを感じる人もいます。「加味逍遙散(かみしょうようさん)」で気の流れを改善するとよいでしょう。漢方とあわせて、気分転換をしてストレスを溜めないことも大切です。
消化不良・下痢・腹痛・頻尿・手足のほてりなどがでやすく、お腹が冷えている「内蔵タイプ」
内蔵タイプはお腹が冷えていると感じるというより消化不良・下痢・腹痛・頻尿・月経不順・月経痛などの症状が多くあります。熱が逃げやすく、手足のほてりを感じる場合もあります。冷たい食べ物や飲み物を頻繁に摂っていたり、ストレスと疲労が溜まっている人は注意が必要です。
「桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)」などがおすすめです。軽い運動をしたり、お風呂では湯船にゆっくり浸かるなど生活習慣の改善も意識しましょう。栄養バランスの整った食事を心がけてくださいね。
頭痛・腰痛・肩こり・アレルギーなどの症状も、各部位の症状に冷えがかかわる「症候タイプ」
頭痛・腰痛・肩こり・アレルギーなど具体的な症状の裏に冷えが関係しているタイプです。その症状にあった漢方を選びましょう。過剰な冷暖房・冬場の薄着・冷たい食べ物や飲み物の摂りすぎは自律神経の調整機能を低下させて冷えにつながります。
手足が冷えて頭痛や吐き気がともなう場合は「呉茱萸湯(ごしゅゆとう)」などを選びます。腹部やみぞおちを腹巻きやカイロを使って温めたり、温かい食べ物をとるようにしましょう。
漢方の効果を最大限に得るには、自分の「体質や症状」に合った漢方を選ぶことが大切
漢方は体質や症状などを考慮してその人に合ったものを用いて改善につなげます。漢方に詳しい医師に診てもらえば、漢方的な診断方法を用いてぴったりの漢方を選んでくれるはずです。
初めて漢方を使うなら、漢方医に相談して自分の体質や症状、生活習慣やストレスの度合いまできちんと理解してから選びましょう。自分の体質や症状に合った漢方を選べば、冷え性の改善効果が期待できるでしょう。
飲みやすいものなら続けやすい!散剤・丸剤・錠剤など漢方薬の「形状や飲み方」から選ぶ
漢方の形状には煎剤・顆粒剤・散剤・丸剤・錠剤の5つの種類があります。現在もっとも多く利用されているのは顆粒剤ですが、形状による効果の違いはあまりありません。
漢方をはじめて飲む方は、錠剤が飲みやすいのでおすすめです。煎じる手間がかからないものや持ち運んで手軽に飲みたいなど、薬剤師や漢方医に相談しながら選ぶとよいでしょう。
冷え性向け漢方のおすすめ人気ランキング10選
冷え性向け漢方のおすすめ商品をランキング形式でご紹介します。症状にあったものがあれば参考にしてくださいね。
なお掲載商品は、上記の選び方で記載した効果・効能があることを保証したものではありません。ご購入にあたっては、各商品に記載されている効果・効能をご確認ください。
1位 ツムラ漢方 当帰芍薬散科エキス顆粒
形状:顆粒
1日の服用回数:2回
1回服用量:1包
当帰芍薬散から抽出したエキスで作られた顆粒状漢方薬
当帰芍薬散から抽出したエキスで作られた服用しやすい顆粒の漢方です。「血」を補い、「水」をめぐらせることで足腰の冷えやむくみを改善します。しもやけ・むくみ・肩こり・月経時不順・月経痛などに効果が期待できます。
冷え性で疲れやすく体がむくみがちな方におすすめです。1日2回、食前の服用とし、2歳以上の子どもも量を調節して服用できます。
2位 クラシエ薬品 当帰芍薬散錠
形状:錠剤
1日の服用回数:3回
1回服用量:4錠
当帰芍薬散のエキスを用いた錠剤の漢方薬
当帰芍薬散の錠剤の漢方です。体を温めながら水分代謝を上げることで余分な水分を取り除き、むくみや冷えを改善します。また血行が良くなるので足腰の冷えの改善が期待できます。しもやけ・むくみ・肩こり・月経不順・月経痛などに効果が期待できます。
錠剤なので漢方特有の味が苦手な人でも飲みやすいです。1日3回、食前または食間に服用します。5歳未満は服用できません。
3位 ツムラ漢方 桂枝茯苓丸料エキス顆粒A
形状:顆粒
1日の服用回数:2回
1回服用量:1包
比較的体力がありのぼせるのに足が冷える人に
顔がほてるのに足は冷える方におすすめの顆粒状の漢方です。滞った「血」のめぐりを正常化し、熱の偏りや痛みを改善します。イライラ・肩こり・めまい・月経異常・月経痛に効果が期待できます。
上熱下寒タイプの人におすすめです。「血」が体のすみずみまで届くので、しもやけやニキビにも効果が期待できるでしょう。1日2回、食前に服用します。2歳以上の子どもも量を調節して服用可能です。
4位 ツムラ漢方 加味逍遙散エキス顆粒
形状:顆粒
1日の服用回数:2回
1回服用量:1包
体力が中等度以下でイライラしがちな人に
疲れているのに眠れない、イライラするなど症状が変化する方におすすめの顆粒状の漢方です。「気」や「血」の巡りを良くして「血」を補うことで不調の改善を促します。ホルモンバランスの乱れなど、女性の不定愁訴にもよく用いられる漢方です。
ストレスが溜まりがちな女性におすすめです。1日2回、食前に服用してください。2歳以上の子どもも服用できます。
5位 クラシエ薬品 十全大補湯エキス錠
形状:錠剤
1日の服用回数:3回
1回服用量:4錠
体力の低下を補い冷えや食欲不振を改善
疲れや倦怠感を感じている方におすすめの錠剤の漢方です。「気」の生成をうながして疲労倦怠や冷え手足の冷えをとりのぞき、「血」の生成を整えて全身に行き渡らせることで各器官の栄養状態が改善していきます。また胃腸の機能を高めて食欲不振の改善を促します。
体全体が冷えてい流タイプで、疲れやすくやる気が出ない人におすすめです。「気」や「血」の生成が整うことで症状の改善が期待できます。1日3回の服用で、5歳未満は服用できません。
6位 ツムラ漢方 補中益気湯エキス顆粒
形状:顆粒
1日の服用回数:2回
1回服用量:1包
胃腸の働きが衰えている人に服用しやすい顆粒
過労や暑さなどで胃腸の働きが衰えているなと感じる人におすすめの顆粒状の漢方です。胃腸の働きを整えることで栄養分を十分に吸収できるようにし、「気」が失われるのを防いで食欲不振や倦怠感の改善を促します。
食欲がなく、体力が落ちて体全体が冷えている人は効果が期待できるでしょう。だるい・疲れやすい・やる気が出ない・日中眠くなるといった症状のある人におすすめです。1日2回の服用で2歳以上の子どもも服用できます。
7位 クラシエ薬品 補中益気湯エキス錠
形状:顆粒
1日の服用回数:3回
1回服用量:1包
胃腸の働きが衰えて疲れやすく体全体が冷える人に
胃腸の働きが衰えていて疲れやすい方におすすめの錠剤の漢方です。食欲不振・疲労倦怠に効果があります。胃腸の働きを高めて食欲を出すことで「気」を補って疲れの改善を促します。
熱を生み出すエネルギーを補うので、体全体が冷えるタイプの人におすすめです。1日3回、食前か食間に服用します。5歳未満は服用できないので注意してください。
8位 ツムラ漢方 六君子湯エキス顆粒
形状:顆粒
1日の服用回数:2回
1回服用量:1包
体が冷えて胃腸が弱く食欲がない人に
胃腸が弱く疲れやすい人の胃炎や食欲不振を改善する顆粒状の漢方です。「気」を補って胃腸の働きを高め、「気」と「水」をめぐらせて胃の不快感をとる効果が期待できます。
冷えが原因の消化不良を改善するので、貧血ぎみで冷えがある方におすすめです。食欲不振・胃腸虚弱・消化不良などに効果があります。1日2回の服用で、2歳以上の子どもも服用できます。
9位 クラシエ薬品 加味逍遙散料エキス顆粒
形状:顆粒
1日の服用回数:3回
1回服用量:1包
疲れやすい人の冷え性対策や生理不順などに効果あり
疲れやすい人の不眠症・イライラ・月経不順・月経困難などに効果のある顆粒状の漢方です。「気」をめぐらせ「血」を補うことで体のバランスを整えます。
ストレスが溜まりがちな女性におすすめです。女性の不定愁訴に用いられることが多いですが、冷えにも効果が期待できるでしょう。1日3回、食前または食間の服用で、5歳未満の服用はできません。
10位 クラシエ薬品 六君子湯エキス顆粒
形状:顆粒
1日の服用回数:3回
1回服用量:1包
冷えが原因の消化不良や食欲不振の改善に
クラシエ薬品から販売されている、胃腸虚弱者に用いる顆粒状の漢方です。六君子湯は、胃腸で産み出される「気」を補うことで、胃腸のはたらきを促します。
胃炎・消化不良・食欲不振・胃下垂・胃痛などの症状がある方におすすめの商品です。胃腸の不調を感じる頻度が高い方は選ぶといいでしょう。1日3回の服用で子どもも服用できますよ。
おすすめの商品一覧
製品 | 最安値 | 評価 | リンク |
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ツムラ漢方 当帰芍薬散科エキス顆粒
1
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2,948円 |
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クラシエ薬品 当帰芍薬散錠
2
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763円 |
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ツムラ漢方 桂枝茯苓丸料エキス顆粒A
3
|
2,950円 |
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ツムラ漢方 加味逍遙散エキス顆粒
4
|
2,950円 |
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クラシエ薬品 十全大補湯エキス錠
5
|
2,234円 |
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ツムラ漢方 補中益気湯エキス顆粒
6
|
2,951円 |
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|
クラシエ薬品 補中益気湯
7
|
2,820円 |
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|
ツムラ漢方 六君子湯エキス顆粒
8
|
1,380円 |
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|
クラシエ薬品 加味逍遙散料エキス……
9
|
2,345円 |
|
|
クラシエ薬品 六君子湯エキス顆粒
10
|
1,664円 |
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漢方とあわせて生活習慣の見直しや運動などで冷えの原因を取り除けば改善につながりやすい
漢方以外にも不規則な生活の見直し・食事の改善・睡眠を整える・運動習慣など、普段の生活でも意識して取り入れることで冷え性の改善につながります。ぬるめのお湯にじっくり浸かったり、少し速めのウォーキングや就寝前のストレッチを毎日の習慣にできると良いですね。
温活としてすぐに始められるものもあります。エスカレーターをやめて階段にする・1日の始まりにコップ1杯の常温水を飲む・呼吸が浅くなりやすい緊張する場面では深呼吸で心身を整えるなど、少しずつでもできることから実践していきましょう。
稀に重大な病気の可能性も!激しい痛みやしびれが続くときは医療機関の受診がおすすめ
ただの冷えだと思っていても、稀に治療が必要な病気が潜んでいることもあります。激しい痛みや痺れが続くときや歩くと足の付け根やお腹の痛みがあるときは医療機関を受診しましょう。
また足のむくみなど冷え以外の症状があるときも受診がおすすめ。まずは内科で検査してもらいましょう。女性の場合は婦人科でも診てもらえますよ。
まとめ
漢方は自分の体質や症状にあったものを選ぶことが大切です。冷え性向けの漢方も自分の症状やタイプをしっかり見極めて選びましょう。「買っても飲まなくなった」なんてことにならないように、形状や飲み方も忘れずにチェックしてくださいね。
薬剤師や専門医に診てもらうことが一番ですが、時間が無い人はこの記事を参考に漢方を選んで冷え性を改善してください。