安全帯とは高さ2m以上の高さでの高所作業(土木・建設・電気工事・造船業)をする際に、墜落を防止し命を守るために使用するもので法律で着用が義務付けられています。高所作業者にとって安全を守り、命を保護するものなので自分に合った安全帯を選ぶのはとても重要です。
特に、2024年1月2日より建設業では5m、一般では6.75m以上の高所を作業する場合は、必ずハーネス安全帯を着用することが義務になり、今まで従来使っていた「U字吊り」「胴ベルト」型安全帯は原則禁止になります。
これらを踏まえて自分が今使える安全帯を選ぶか、将来もずっと使える安全帯を選ぶかは変わってきますので、この記事を通して安全帯の選び方を考えましょう。おすすめの安全帯5選と、種類別の安全帯の違いと安全帯を安全に正しく使う際のポイントをご紹介します。
安全帯の選び方
安全帯には様々な種類があるので何を選んだらよいかわからないと感じる人もいます。また、使い方や用途を正しく理解していないと安全帯本来の使い方ができず重大事故につながる可能性もあります。どのようなポイントに気を付けて選べばよいかをここでお教えします。
ベルトのタイプで選ぶ
作業者の命を守る安全帯の中で重要なポイントはベルト部分で、腰に繋がる部分で胴体が安全に直立し、姿勢保持するのに大いに役立ちます。
5m以下の場所で作業するなら胴ベルト
胴ベルト型は1本のベルトを胴まわりに巻きつけるタイプの安全帯です。ベルトにフック付きのロープなどを装着し、胴に取り付けて落下を防ぎます。一般家庭の屋根に上ったり建設工事の作業ではこの胴ベルト型が使われています。
高いところで胴ベルト型で作業していて墜落した場合、墜落の衝撃で胴ベルトがずり上がって胸やお腹を圧迫してしまったり、正しい姿勢が取りずらく逆さまに落下する危険もありますので、超高所作業では使われません。
5mよりも高いところで作業するならフルハーネス
1本のベルトだけで身体を支える胴ベルトに対し、体が安全帯から抜け出さないように複数のベルトで作られているタイプがハーネス型です。複数のベルトで身体が支持されているので落下時の衝撃が分散され安全性は高くなっています。
ただ、価格が高いのと着脱が容易にできないので面倒と思われがちですが、2019年度に新規格のフルハーネス型に適合する安全帯に買い換えた中小企業に買換え1セットにつき実費の2分の1の補助金を出す事になったのでこの機により安全なハーネス型に買い換える人も多くなっています。
腿ベルトの形状で選ぶ
ハーネスの安全帯には、腿部分に取り付ける「腿ベルト」がありその中でも形状の違う「V字型」と「水平型」があります。
価格の安いV字型
V字型は、腿の付け根にV字状になるように装着するタイプのベルト型です。V字型のハーネスは欧米をはじめ世界中で一般的に使われており墜落時の衝撃荷重を腿ベルトで分散する役割があります。
値段も安価で比較的オーソドックスな形ですが、股の部分で腰から繋がる2本のベルトが合わさるので装着時に食い込む感じがするデメリットがあります。
装着感の心地よい水平型
日本の建設現場でとび職が愛用するニッカポッカにも安全に快適に装着できるように開発されたのが、日本向けハーネス「水平型」です。着用時に地面と平行なラインになり装着感も快適ですので、良く選ばれています。見た目にもV字型のように恥ずかしさを感じにくい自然なデザインです。
背中のベルト形状で選ぶ
背中のベルト部分にも「X字型」と「Y字型」とがあり安定感や用途に合わせてそれぞれの好みで選ばれています。
フィット感で選ぶならX字型
クロス型で身体をしっかり固定しますので、フィット力が強くしっかり身体が安定します。世界中で愛用されるスタンダーのタイプです。
腰回りに工具をつける方はY字型
腰道具や工具を多くつけ作業する際取り付けやすいので、鳶服と合わせて着用する鳶職人や、腰回りの機能性を重視する作業員におすすめです。鳶服のニッカポッカのデザインを邪魔することなく装着できるうえ、胴ベルトの結合部分が少ないためより多くの工具を装着することができます。
バックルのタイプで選ぶ
バックル部分も安全保持の観点から重要なポイントです。落下時に高所からベルトが簡単に外れないように、あえて複雑に作られているバックル部分ですが2種類ありますのでその違いをご紹介します。
着脱の楽なワンタッチタイプ
職人さんが高所で便意をもよおした場合、下まで急いでおりトイレに駆け込みたくてもなかなか装着が複雑で取り外せないなどのデメリットを解消したのがワンタッチタイプのバックルです。
安全を確保するため、ただボタンを押して外すというタイプではありませんが、バススルータイプと比べれば着脱度はとても簡単です。バックルの両端を中央に押し付けバックル上下のつまみを握りこむこと2ステップわずか1秒で外れるので着脱はいたって簡単にできます。
軽量で安価なパススルータイプ
ベテランの職人さんにもなるとパススルーでも簡単に着脱可能になると言います。パススルーはワンタッチタイプのごつくて重いバックルと比べ、軽くてお値段もお値打ちなので、着脱にそんなにストレスがかからないという人はパススルータイプで十分でしょう。
ランヤードの種類で選ぶ
安全帯の命綱の部分であるランヤードは合成繊維製のロープやストラップにフックやD環を取り付けたものです。こちらもロープとストラップの2種類があります。
単純構造で機械的故障のないロープ式
ナイロン製や、合成繊維などの編ロープを使ったランヤードは一般的です。ナイロン製の八つ打ちロープはしなやかで伸びは約35%あるので、墜落時に衝撃を緩和することに優れています。
柔らかめで使いやすいストラップ式
ストラップには伸びるタイプのものとそうでないタイプの物があります。墜落時にストラップ部分が伸びることで衝撃荷重を緩和させます。伸びないタイプの多くは巻き取り式でストラップが物に絡まらずコンパクトに使えます。
コンパクトで楽に使えるストラップ巻取り式
巻き取り機能が付いた安全帯ランヤードは、必要な分だけ引っ張り出す常時巻き取り型と、スイッチ1つで必要な時に巻き取るスイッチ型とがあります。
どちらの機能も作業員が必要な分だけ自分でランヤードの長さを調整できるので、作業の邪魔になりませんし、その都度自分の感覚で長さ調節できるので、余分に出して突起部分に引っかかって落下しそうになる心配もありません。
絡まり事故が起こりにくいジャバラ式
ジャバラ式のランヤードは、安価ですが伸縮性が強いので、常時最短の距離を使えてよいのと通常のロープ式に見られるキンクやほつれが軽減されて絡まり事故を防ぎます。
付け替えの危険がないツインランヤード式
移動が多く、フックの付け替えを何度も行う必要がある場合、ツインランヤード式はとても便利です。ランヤードを2つ備えていますので1方のフックを外してももう片方が掛かったままなので安全に移動できます。
軽さを重視する方はアルミ製のものを選ぶ
重さによっては高所作業をする際、体に負担をかけ腰や腿に負担をかけますので、身体に重さのあるもので負担を掛けたくないと思う人はアルミ製の物を選ぶようにしましょう。
アルミ製でも、リールやフック、ランヤードなど付属品が重いと重量が1200~1300gまでなってしまうので、自分に負担をかけないための装備が付いたものを選ぶようにしてください。
安全帯のおすすめ人気ランキング
ではいよいよ安全帯のおすすめ人気ランキングをご紹介します。自分の用途と機能性に合ったものを選んでくださいね。
1位 藤井電工 ツヨロン(TSUYORON) 一般高所作業用安全帯 1本つり専用 DIA安全帯 DIA-599-BL4-JAN-BP

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構造物側:フック(口開き50mm):構造物側:フック(口開き50mm)
胴ベルト:幅50mm×長さ1150mm・鉄バックル:胴ベルト:幅50mm×長さ1150mm・鉄バックル
ベルト色:青:ベルト色:青
重量750gと軽量!安全帯でのトップシェアの藤井電工
余計な機能は一切なし、使いやすく安全帯のオーソドックスタイプです。安全帯は軽くて丈夫なものがいいという方はこちらを是非使ってみてください。疲れにくく安全に作業できる軽量タイプで身体の負担を軽減させます。
フックも大きいので引っ掛けやすく、ベルトのバックルで腰回りの圧も微調整可能、シンプルながらも必要な機能はしっかり高品質でついているので安心してお使いいただけます。
使いやすさも安全性もばっちりなのに値段も3000円前後とお値打ち価格。リーズナブルな価格と機能で安全人気の安全帯です。
2位 ツヨロン 2本式フルハーネス安全帯 ブルー R510DZ1BX [354-9917] 【安全帯】[R-510-DZ1-BX]
![ツヨロン 2本式フルハーネス安全帯 ブルー R510DZ1BX [354-9917] 【安全帯】[R-510-DZ1-BX]](https://enyranking.xsrv.jp/wp-content/uploads/2024/09/1-243-3.png)
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胸ベルト幅:30mm
主ランヤード:ロープ径11×長さ1700mm(フック含む)
副ランヤード:ロープ径11×長さ1300mm(フック含む)
フック口開き:50mm
ショックアブソーバ付:
フックハンガーR-23-45×2個付:
厚生労働省「安全帯の規格」適合品:
1本吊り専用で胴ベルトなしのシンプルタイプ
装着性を極めたフルハーネスで必要最低限のベルト構成によるシンプル設計なので軽量です。ランヤードはツインランヤード型なので、移動時に無胴綱状態を無くして安全に作業を続けられるようにしています。
スタンダードでシンプル設計ですがフルハーネスなので墜落発生時の衝撃をしっかり分散しダメージを軽減してくれますので安心です。
3位 KH フルハーネスY型 じゃばらランヤードセット YPNSLJPWS

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使用可能質量:100kg以下:使用可能質量:100kg以下
重さ:約1270g:重さ:約1270g
ロープ長さ:170cm(フック含む):ロープ長さ:170cm(フック含む)
材質 :ベルト:ポリエステル/肩バックル:スチール/腿バックル:スチール/:材質 :ベルト:ポリエステル/肩バックル:スチール/腿バックル:スチール/
腰回りの広いY型で動きやすい
ベルトがY型で作業時の動きを邪魔しません。また、もものベルトはパラレル型で食い込み感がありません。
ランヤードはダブルじゃばらタイプで伸縮自在。ストレスはありません。
4位 タジマ 安全帯 サスペンダー M 黒 YPM-BK

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ベルト幅:46mm
参考適合身長:165~175cm
日本人の体格・動作を徹底研究疲れにくい安全帯
身体の動きに一つ一つ馴染むようにフィットし作業の疲れを軽減するアクティブフィット構造なのであらゆる動きに柔軟に対応します。職人さんの作業動線や動きを綿密に研究し、自身で行うサイズ調整も簡単にしています。
肩に食い込まない46㎜幅広ベルトを採用しまさに職人のためを第一に考えた安全帯です。
5位 タジマ 安全帯 胴ベルトWM125 長さ125cm TA-WM125-DRE

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重量:約375g
鍛造アルミのバックルはワンタッチで操作可能で着脱簡単
選べるおしゃれなカラーで作業着にアクセントを加えます。また、ベルトはローレット加工でゆるみにくくなっています。
バックルは鍛造アルミで丈夫なうえ、革手袋をつけたままでも準備・片付けができるワンタッチ式です。
こちらの商品は125㎝と一般的な商品より長く、ほかのセット商品に付属のベルトでは長さが足りない方におすすめです。
おすすめの商品一覧
製品 | 最安値 | 評価 | リンク |
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![]() 藤井電工 ツヨロン(TSUYORON) 一般……
1
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2,572円 |
4.3 |
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![]() ツヨロン 2本式フルハーネス安全……
2
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16,000円 |
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![]() KH フルハーネスY型 じゃばらラン……
3
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24,648円 |
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![]() タジマ 安全帯 サスペンダー M 黒 ……
4
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2,428円 |
4.46 |
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![]() タジマ 安全帯 胴ベルトWM125 長さ……
5
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5,276円 |
4 |
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安全帯を使う際のポイント
今まで見てきた通り、安全帯は作業者の命と安全を守る非常に重要な命綱といえます。また、安全帯を正しく装着していないと、たとえ命綱を持っていてもその機能を十分活用することができません。ここで正しい安全帯のつけ方をお教えします。
ベルトは腰骨にしっかりと装着する
まず初めに安全帯のベルトがバックルに正しく通っているかを確認した後、ベルトの先端部をバックル本体の差込口に通してスライドさせてベルトを固定します。そののち、同部のベルトを腰の位置でパススルー・ワンタッチでいずれもしっかり締めます。
この時ベルトを締める位置がずれていると落下時に負傷する恐れがありますので正しい位置に装着してください。
胴ベルトの場合はD環が後ろに来るように装着する
1本吊りの安全帯を使う場合は、D環が体の横または後ろに来るように調節します。また安全帯のロープを取り付ける位置がエッジなどと触れていないか、巻き込んでいないかもしっかりチェックしてください。
ベルトのねじれがないように確認する
胴ベルトのバックル部分には使用開始の年月を記入するようになっています。それは使うことによって品質や縫製が劣化し破れたりしないためです。必ず使用期限が十分あることを確認したのち、ベルトにほつれや劣化がないかをしっかり確認して使うようにしましょう。
装着した際にはベルトにねじれが無いかを、自分の目と第三者の目でもしっかり確認してもらってください。
まとめ
作業者の安全と命を落下から守る重要な命綱である安全帯の選び方とランキングをご紹介しました。どんなに注意していても避けられない不慮の事故から命を守る安全帯を高所作業では必ず装着するようにしましょう。
また、たとえ安全帯を用意したとしても使い方を間違えば重大な事故になりかねませんので、装着する際のポイントをしっかり押さえながら正しく使いましょう。意外と知らない人が多い安全帯の使用期限やメンテナンスを怠らず安全第一で作業してください。